
クルマを運転しない身なので、「足」ということになるとどうしても自転車中心になってしまう。
僕はそもそも自転車が好きだ。フォルムも美しいし、なんと言ってもあのエネルギー効率の高さは特筆ものである。かのスティーブ・ジョブズもかつてMacintoshだかLisaだかを売り出すとき、「Bike」(自転車)という名前を付けようとしたという逸話がある(本当かどうか知らないが)。
学生時代はサイクリング同好会などというところに出入りしていたほどで、そこここを「サイクリング」して歩いた。自転車だっていろいろな種類のものに乗ってきた。そういうわけで自転車についてはかなりこだわりがある。
そういう人間ではあるが、永らく軽快車(いわゆるママチャリですな)に乗ってきた。もっぱら子ども運搬用として購入したものだが、すでに子どもを運搬する必要もなくなり、ここらでちょっと「速い足」を調達しようかと思いはじめてはや4年。やっと今回踏ん切りが付いて、1台買うことにした。
とは言っても、こちとら自転車にかなりうるさい人間なので、そう簡単になんでも飛びつくというわけにはいかない。自分なりにさまざまな条件を取りそろえている。
まず第一に、ある程度スピードが出るものでなければならないということ。今回そういう目的で買うんだからね。ということで軽快車やシティサイクル(つまりママチャリ)は除外。それから自転車レースに参加する気も今のところないので、ロードレーサーも除外。ピスト(トラック競技用自転車、詳細についてはWikipedia
「ノーブレーキピスト」参照)なんかもってのほかだ。最近、一般道でブレーキも付けずにピストに乗ろうという輩が増えているらしいが、ドシロートのやることはまったくもって理解できない。死地に赴きたいのかと思う。
それからマウンテン・バイクも除外する。あれは出てきたときから嫌いだった。オフロードを走りまくるってんだったらいざ知らず、ほとんど舗装路しか走らない僕のような人間が乗るにはきわめて不適切だ。なにしろ、ちゃんとしたドロヨケが付いていないのがいけない。あれは、雨の少ないアメリカ西海岸(西海岸で発祥したらしい)だからこそ成立するんであって、雨の多い日本国で乗るには向いていない。日本ではドロヨケ必須! これは絶対に譲れないところ。レーサーに乗ってかっこつけてる人も最近増えているが、競技をやるんならともかく、普段乗りに使うにはドロヨケは絶対に必要である。僕自身これまでマウンテン・バイクをはじめ何台かドロヨケなしの自転車に乗ってきたが、雨の日にあんなものに乗っていたら背中に泥の筋が1本できてしまって情けないったらありゃしない。
参考:
竹林軒出張所『自転車を買う(その2)』
竹林軒出張所『ヒジからチューチュー』