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竹林軒出張所

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『ヒマラヤ8000m峰 全山登頂に挑む』(ドキュメンタリー)

b0189364_1323662.jpgヒマラヤ8000m峰 全山登頂に挑む
(2012年・NHK)
NHK総合 NHKスペシャル

 標高8000mを超える山はすべてヒマラヤ山系で、全部で14座あるという。これまで、このヒマラヤ8000m峰の全山登頂を成し遂げた人は世界で27人。日本にはいない。ただし14座のうち13座登頂した人はいる。それが竹内洋岳というプロ登山家で、その竹内氏が、最後の1座、ダウラギリ峰に挑む過程を追ったのがこのドキュメンタリーである。
 この竹内氏、かつて同じヒマラヤ山系で、雪崩に遭って死にかけたことがある。仲間の救出のおかげで奇跡的に助かり、リハビリを経てその後再びヒマラヤ登山に挑めるようになる。また高山病で生死の境をさまよったこともあるという。
 その歴戦の勇士、竹内氏が、いよいよ最後のダウラギリに挑むことになる。酸素が薄い状態に慣れるためベースキャンプからキャンプ1、キャンプ2、キャンプ3に泊まった後、いったんベースキャンプに戻り、再びキャンプ1、2、3を経て頂上にアタックする。しかもこれを、酸素ボンベなしで行うという。
 天気と相談しながら決行日を決め、いよいよアタックを敢行するが、キャンプ2の後、相棒の中島健郎氏が高山病のために下山するというアクシデントに見舞われたため結局単独登頂ということになった。また同行していたNHKのカメラクルーもキャンプ3以降は同行できなくなるため、キャンプ3以降は完全に1人になる。そのためもあり、キャンプ3以降の一番旨みのある映像はほとんどなかった。結局、超望遠撮影で、アリのようになった竹内氏の姿を捉えるのがやっとで、このあたり映像的には少しもの足りない。もっとも、ダウラギリ登山の過酷さや人間の小ささが結果的に表現されることになった点はケガの功名であったが。
 最終的に竹内氏は単独登頂に成功し、日本初の14座制覇者になるのだが、番組では竹内氏の登山への情熱や、ヒマラヤ山系の過酷な自然が捉えられていて見応えのあるドキュメンタリーに仕上がっていた。最近NHKはこういう金がかかっていそうな自然ドキュメンタリーをよく作っているが、かつての『エベレスト 〜世界最高峰を撮る〜』同様、テレビで過酷な世界を体感できるというのもなかなか贅沢きわまりない話である。極寒の世界の話であるため、見ていて非常に寒く感じたが。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ドキュメンタリー3本』「エベレスト 〜世界最高峰を撮る〜」
竹林軒出張所『デナリ大滑降 究極の山岳スキー(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2012-12-14 13:24 | ドキュメンタリー
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