アルフィー(1966年・英)
監督:ルイス・ギルバート
原作:ビル・ノートン
脚本:ビル・ノートン
音楽:バート・バカラック、ソニー・ロリンズ
出演:マイケル・ケイン、シェリー・ウィンタース、ジュリア・フォスター、シャーリー・アン・フィールド、ジェーン・アッシャー、ヴィヴィアン・マーチャント
女たらし、アルフィーの女性遍歴。
ドン・ジョヴァンニのように次々と女と関係を持つ男、アルフィー。友達の女でも人妻でも、手当たり次第に手を付ける。当然のごとくハッピーエンドでは終わらないが、とは言え、大きな事件もなく、アルフィーの日常風景が淡々と描かれるというテレビ・ドラマみたいな展開である。
アルフィーが随時カメラに向かって説明を入れるという方法論は今となっては古い手法ではあるが、それでもなかなか効果を上げている。特に、アルフィーによる女性心理分析はなかなかのもの。途中、楽しい工夫があったり笑える要素もあふれていて、よくできたシナリオである。プレイボーイの話だが、主人公のアルフィーに対して嫌悪感はあまり抱かない。節操のないスケベ野郎だが、愛すべきキャラクターである。
音楽はジャズのソニー・ロリンズが担当しているが、僕は当初この映画のことをまったく知らず、
ソニー・ロリンズのアルバムから知ったのだった。冒頭からロリンズのサックスが流れ、都会的な雰囲気を添えている(作曲はバート・バカラック)。楽しくてしようがないというような映画ではないが、ニヒリスティックかつシニカルで、こういうテイストは結構好きである。完成度も高い。
★★★☆