勝利への脱出(1980年・米)
監督:ジョン・ヒューストン
原案:ジェフ・マグワイア、ジョルジェ・ミリチェヴィク、ヤボ・ヤブロンスキー
脚本:エヴァン・ジョーンズ、ヤボ・ヤブロンスキー
出演:シルヴェスター・スタローン、マイケル・ケイン、カロル・ローレ、ペレ、マックス・フォン・シドー
ナチス占領下のヨーロッパ。ドイツ軍将校が捕虜収容所で往年の名サッカー選手を見つけ、ドイツ軍代表対捕虜代表のサッカーの試合を持ちかけ、それを実現させるというストーリー。
ストーリーはなかなか斬新だが、必然的に予定調和になってしまうのは致し方ないのか。捕虜収容所の様子や試合の展開も少々ご都合主義的で現実性に欠ける。なお試合のシーンは、試合展開を別にすれば結構本格的なもので、客席で大合唱が始まるとか審判がスカタンだったりとか非常にリアルで臨場感がある。登場する選手たちも往年の名選手や、現役のサッカー選手らが多数登場していたらしい。残念ながら僕は70〜80年代のサッカー選手についてはまったく無知なので、ペレとアルディレスくらいしか判別できなかった(アルディレスはJリーグで何度も監督してるんでよく知ってる)。またキャストでは、スタローンが『七人の侍』の菊千代みたいな役回りを演じていて非常に好演。他のキャストも好演が多く、演出の質の高さが窺われる。
この映画は実話ではないがモデルがあるらしく、42年にドイツ空軍対ディモナ・キエフの親善試合が2回に渡って行われ、それがモデルになっているらしい。実際はディモナ・キエフが2試合とも快勝し、そのためにディモナ・キエフの選手たちは強制収容所送りになって処刑されたという。それが現実だろうなと思う。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『第十七捕虜収容所(映画)』竹林軒出張所『アウシュビッツに潜入した男(ドキュメンタリー)』