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竹林軒出張所

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『続・犬たちの悲鳴 告発から3年』(ドキュメンタリー)

続・犬たちの悲鳴 告発から3年
(2012年・英Passionate Productions/BBC)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

『続・犬たちの悲鳴 告発から3年』(ドキュメンタリー)_b0189364_7425410.jpg 犬種の血統を守るためにブリーディング(交配)が行われるが、そのブリーディングのために犬自体の身体に障害が出るようになっている。そういう誤ったブリーディングのあり方を問いかけるドキュメンタリー。
 英国では、純潔種の血統を守り、血統の優れた犬を生ませるためにブリーディングが盛んに行われているが、近年、皺を異常に増やしたり、スタイルを極端に変形させるというブリーディングが多くなっているという。こういう過程を経て生まれてきた犬は、いびつな体質的特徴のために重度の障害を持つことがあるという。このドキュメンタリーでは、脳の体積に比べ頭蓋骨が小さすぎるため頭痛でのたうち回る犬や、頭蓋骨が極端に変形しているため呼吸がうまくできない犬などが紹介されていた。また、優れた血統を求めたがる傾向のために、遺伝子的に欠陥があるにもかかわらずさかんに交配させるケースが多く、近親交配も非常に増えていて、それが結果的に生まれてくる犬の障害を助長することになっている。
 こういう問題のある交配が盛んに行われるのは、犬の血統団体が開催するコンテストなどが要因になっているということで、しかもそういった団体(ケンネルクラブなど)が、問題のある交配を禁止するどころか助長する傾向にあるというのがこのドキュメンタリーの主張である。
 実は3年前にも同じような告発ドキュメンタリーが製作されていて、この番組はその後の動向もあわせて紹介しているのだが、状況はあまり改善していないという。
 こういう問題については僕はまったくの門外漢なんで、このドキュメンタリーで紹介される映像だけで判断することになるんだが、苦しむ犬たちは確かに哀れである。犬の団体に問題があるのか、それとも告発する側にもしかしたら不純な意図があるのか、そういったことはわからないが、でも飼い主のエゴで犬を苦しませているという印象は受けた。こういう無茶な交配をやめても誰も被害を受けるわけじゃなし、人間のエゴで他の生物を苦しませるようなことはやめた方が良いんじゃないかと素直に感じたのだった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『悪い犬(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『じゃがいもコロコロ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『じゃがいも大使(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2012-09-04 07:43 | ドキュメンタリー
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