ニッポン無責任時代
(1962年・東宝)
監督:古沢憲吾
脚本:田波靖男、松木ひろし
音楽:神津善行
出演:植木等、重山規子、ハナ肇、団令子、中島そのみ、田崎潤、谷啓、犬塚弘、由利徹、峰健二

サラリーマン社会をスイスイと乗り切るお調子者、平均(たいら・ひとし)のドタバタ・コメディ。平均を演じるのは当然植木等。この平均、悪事は働かないが調子よくウソやはったりをかましながら出世していく。平均同様、映画のストーリー自体も非常に調子よく、C調である。途中、クレージーキャッツのヒットナンバー(「無責任一代男」、「ハイそれまでヨ」、「スーダラ節」など)がこれまた調子よく披露され、ミュージカル仕立てになっている。ストーリーは荒唐無稽と言えば荒唐無稽であるが、とやかく言うような類のものでもなく、プログラムピクチャーらしく軽ーく仕上げられている。正直大して笑えないが、明るくはなれる。元々この映画の目指しているところが、そういったものだったんじゃないかと思う。
谷啓が、破天荒な平均の上司の役を演じており、平均にいろいろ小言を言ったりしながら振り回されるが、この辺は映画『釣りバカ日誌』の設定と同じで、『釣りバカ』の監督はこの映画を意識していたんだろうと思う。また、デビュー当時の峰岸徹が「峰健二」という名前で出演していて、やや軽薄な大学生の役どころでありながら、渋い味を醸し出している。
★★☆参考:
竹林軒出張所『会社物語 MEMORIES OF YOU(映画)』竹林軒出張所『本日ただいま誕生(映画)』竹林軒出張所『植木等とのぼせもん (1)〜(7)(ドラマ)』