しあわせの国 青い鳥ぱたぱた?
(1985年・NHK)
演出:平山武之
脚本:井沢満
音楽:池辺晋一郎
出演:田中裕子、蟹江敬三、大友柳太朗、桂小米朝、渡辺祐子、月亭八方

このドラマも
先日紹介した『極楽家族』と同様、疑似家族がテーマのドラマである。そう言えばこのころ、疑似家族をモチーフにした映画やテレビが多かったような記憶もある。家族のあり方が激変していた時代だったせいか。もっとも今でも疑似家族ネタはよく使われるような気がする。全般的に質の良いものはあまりないという印象だが、『極楽家族』とこの『青い鳥ぱたぱた?』は質が高い疑似家族ドラマの代表である。
OLを辞めてバイト暮らしをしている女性(田中裕子)が、無責任な親から預けられた子どもを連れて、バイト先で知り合った単身赴任男性(蟹江敬三)のところに通うようになって疑似家族が始まり、やがてそこに女性の知り合いの老人(大友柳太朗)も入ってくるというストーリーである。4人とも結構幸せにやっていくんだが、当然のごとく何らかのきっかけで破綻を迎えるというのは、疑似家族ドラマにつきもののパターンである。
演出も演技も非常にしっかりしたドラマでまったく申し分ないが、途中、空想的なイメージショット風の映像が割に多い。これも当時のテレビ界の流行だったのか知らないが、テレビ・ドラマでこういうパターンが多用されるのも珍しいと言えば珍しい。脚本家、演出家が芸術志向だったのか、それとも賞狙いのドラマだったのか。いずれにしても意欲的ではある。
第26回モンテカルロ・テレビ祭シルバーニンフ賞
日本ギャラクシー賞受賞
★★★☆