黒いオルフェ
(1959年・仏伊伯)
監督:マルセル・カミュ
原作:ヴィニシウス・デ・モライス
脚本:マルセル・カミュ、ジャック・ヴィオ
音楽:ルイス・ボンファ、アントニオ・カルロス・ジョビン
出演:ブレノ・メロ、マルベッサ・ドーン、ルールデス・デ・オリヴェイラ

タイトルから推察されるとおり、ギリシャ神話のオルフェウスとエウリディーケを現代風にアレンジした「ブラジル風オルフェウス」。
舞台は、カーニバルに沸き立つリオデジャネイロ。ストーカーに追われる美女(ユーリディス)と色男(オルフェ)の出会いから話が始まる。全編、サンバが流れ続け、カーニバルの踊りが延々と続く。ああいったものが好きな人ならたまらないだろうが、僕などは限りなく続く騒々しさに少々辟易した。ギリシャ神話の要素を現代にうまくちりばめているが、多少無理矢理の箇所も見受けられる。アカデミー賞やカンヌ・グランプリを獲得した名画であるが、正直あまり鮮烈な印象は受けなかった。「黒いオルフェ」と聞いて思い出すのはむしろ有名なテーマ音楽で、あの美しい調べは、ギター伴奏の歌として登場する。踊りと音楽が全編を覆う映画で、ある意味、ミュージカルと言っても良いのかも知れない。
カンヌ国際映画祭パルム・ドール
アカデミー賞外国語映画賞受賞作
★★★