ネットワーク
(1976年・米)
監督:シドニー・ルメット
脚本:パディ・チャイエフスキー
出演:ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、ピーター・フィンチ、ロバート・デュヴァル
視聴率獲得競争に明け暮れるテレビ放送界で、視聴率獲得のために究極まで突っ走ってしまった人々を描く。
脚本は、シナリオの神様、パディ・チャイエフスキーで、放送業界に身を置いたかつての経験を基に、原作から製作段階まですべてにかかわったという。まさにチャイエフスキーの渾身の作と言えるだろう。その甲斐あってか、この作品で三度目のアカデミー脚本賞を受賞している。
映画自体はきわめて現実的に演出されているが、ストーリーは、よくよく考えると荒唐無稽に近く、戯画的に描くという意図で作られたんではないかと思う。出演者はどれも素晴らしい演技で……というよりあまり演技ということを感じさせないんだが……視聴率獲得戦争の中で狂気をはらんでいく人々を実にうまく演じている。結果として、アカデミー賞やゴールデングローブ賞で主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞などいろいろな俳優賞を受賞することになった。
爽快な映画でもなく楽しい映画でもないが、示唆に富んだ渋い映画と言える……ような気がする。でも正直、少し評価に困る映画ではある。
1976年アカデミー賞作品賞受賞作
★★★☆