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竹林軒出張所

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『棋士・先崎学の青春ギャンブル回想録』(本)

棋士・先崎学の青春ギャンブル回想録
先崎学著
白夜書房

b0189364_941589.jpg 面白いエッセイを書く将棋の棋士、先崎学のエッセイ集。テーマはギャンブル。僕自身はギャンブルが好きではないので、著者が若い頃はまったというパチスロについて細かく書かれていてもなんの感慨もない。ただ、棋士や奨励会員(棋士の卵)が相当ギャンブルにはまっているという実情はよくわかった。こんなにギャンブルばっかりやっていて大丈夫なのかと思うくらいである。このあたりも『シリコンバレーから将棋を観る 羽生善治と現代』に出てくる、美化された棋士像とはえらい違いだ。
 本書は「青春ギャンブル体験記」、「先崎学×中田功 あやしい対談」、「酒とサイコロの日々」の3章構成になっており、最初の章が『月刊パチスロ必勝ガイドNEO』の連載「下皿から駒!」をまとめたもの、最後の章が『週刊文春』の連載「先ちゃんの浮いたり沈んだり」をまとめたものである。真ん中の中田功との対談はこの本のために組まれたものなんだろうと思う。総じて寄せ集めの感は否めず、至極安直な企画に思える。書かれたエッセイは先崎節が随所に出てきてそれなりに面白いが、将棋のことよりギャンブルに重きを置いた本であるため、はたして将棋指しが書くような内容なのか、先崎氏が書く必然性があったのか疑問に感じるところも多い。まあ、ギャンブル好き人間の心理がわかったという点が収穫と言えば収穫。それに、悲劇の棋士、村山聖や『聖の青春』の著者の大崎善生がギャンブル仲間として(少しだけ)登場したりするのはちょっと感慨深かった。
★★★

参考:
竹林軒出張所『山手線内回りのゲリラ(本)』
竹林軒出張所『うつ病九段(本)』
竹林軒出張所『聖の青春(本)』
by chikurinken | 2012-03-17 09:05 |
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