ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『「怒り」のマネジメント術』(本)

「怒り」のマネジメント術 できる人ほどイライラしない
安藤俊介著
朝日新書

b0189364_1041080.jpg 「自己啓発本」であり「ビジネス本」でありなおかつ「ハウツー本」である。どれも嫌いな分野の本で普通なら読まないんだが、どういういきさつか憶えていないが大分前に図書館で予約していたらしく、それが先日届いた。人気本らしく届くのに時間がかかったのだが、せっかくだからと思って読んでみたら、意外に面白かったというわけ。何より読みやすい。1時間半くらいで読み終わった。ちなみに僕は本を読むのが速い方じゃないと思う。
 基本は、タイトルが示すとおり、怒りをコントロールする術を学習しようというコーチング本である。まず、めったやたらに怒りを炸裂させてもマイナスばかりで、人望は失うし仕事はうまく行かないしで良いことないよという話から始まる。ごもっともである。で、その後、具体的にどうやって怒りをコントロールするかが示され、対症療法(短期的対策)と体質改善(長期的対策)が提示される。このあたりの展開も非常に適確で妥当性があり、フムフムと読み進めていける。
 対症療法については、「今感じている怒りを数値化する」、「心の中で小さな悪態をつく」(これは僕もときどきやっている)、「思考を一時的に他のことに向ける」などの方法が紹介されていて実用性が高い(これがうまく機能するかどうかはよくわからないが)。もちろんこれだけでは根本的な解決にならないということで、体質改善が提言される。つまりは、自分の価値観や思い込み(「こうでなければならない」という思い込み、著者は「心のメガネ」と呼んでいる)で、世間一般の水準から極端に離れているものに気付き、それを無くしていくことを心がけるべきというのだ。そのための具体的な方法も示されている。
 書き出しから最後まですべての流れがストレートであり、あまりよどみもない。そのことも読みやすさ、わかりやすさを助長しているんだろうが、構成がよく練られているという印象はある。知的な満足感はあまりなく、いかにも「ハウツー本」であるが、具体的な方策がきちんと示されていて、非常に実用性が高い本であった。
 同じようなテーマを扱っている本で『なぜあの人はあやまちを認めないのか』という本があるが、こちらは知的な要素が大いに盛り込まれており、しかも怒りについて考えるよすがになる良書であった。参考までに。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『なぜあの人はあやまちを認めないのか(本)』
竹林軒出張所『「やればできる!」の研究(本)』

by chikurinken | 2011-10-19 10:05 |
<< 『生きてるうちが花なのよ 死ん... 『原子力戦争』(映画) >>