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竹林軒出張所

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『ジャズ・ミー・ブルース』(映画)

ジャズ・ミー・ブルース(1991年・伊)
監督:プピ・アヴァティ
脚本:プピ・アヴァティ、アントニオ・アヴァティ、リノ・パトルノ
出演:ブライアント・ウィークス、サリー・グロス、エミール・レヴィセッティ

『ジャズ・ミー・ブルース』(映画)_b0189364_193133.jpg 伝説のジャズ・コルネット奏者、ビックス・バイダーベック(と言っても名前くらいしか知らなかったが。映画『コットンクラブ』の主人公は、ビックス・バイダーベックがモデルだそうだ)の伝記映画。
 ジャズ創生期の話なので当然アメリカ映画かと思ったら、イタリア人監督によるイタリア映画であった。もちろん映画で話される言葉は英語である。だからイタリア映画と意識させられることはまったくない。作りもアメリカ映画的である。
 基本的に伝記映画であるため、ビックス・バイダーベックの生涯をたどる映画なんだが、脚本が多少凝っていて、回想形式をとっている。回想形式は映画に重厚さをもたらす役割を果たしてはいるが、そのせいでストーリー展開が混乱して、わかりにくくなってしまっている。ビックスがいろいろなバンドを移籍し、いろいろなミュージシャンとつきあうため、時系列で追っていった方がわかりやすいのではないかと思う。少なくとも僕は相当混乱した。そのため、いったん見終わった後、かなりの部分見直すことになった。特に冒頭のシーンは、登場人物の人物関係がまったくわからないまま唐突に始まったため、まったくもって大混乱であった。良いシーンではあるが(後で見直してわかった)。
 ジャズ奏者の伝記映画ということで、内容的にはチャーリー・パーカーの『バード』やバド・パウエルがモデルという『ラウンド・ミッドナイト』と似たような展開、雰囲気である(『ベニイ・グッドマン物語』や『グレン・ミラー物語』みたいな脳天気な雰囲気ではない)。そういうわけで割にありきたりの取るに足りない映画と言えなくもない。ただ音楽はうまく再現されているので、ジャズ好きな人は楽しめるんじゃないかという、そんな映画であった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『グレン・ミラー物語(映画)』

by chikurinken | 2011-05-08 19:31 | 映画
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