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竹林軒出張所

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『機密情報は誰のものか ウィキリークスを追う』(ドキュメンタリー)

機密情報は誰のものか 〜ウィキリークスを追う〜
(2010年・NHK)
NHK-BS1 BS特集

『機密情報は誰のものか ウィキリークスを追う』(ドキュメンタリー)_b0189364_8431743.jpg 機密告発サイト・ウィキリークスを紹介する番組。
 ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ氏のインタビューも交え、ウィキリークスのデータ収集システムや、米国政府との闘いなどを紹介していく。それほど目新しい事実は出てこないが、ウィキリークス周辺の一通りの事象が理解できるようになっている。
 告発者から発信された情報は、多くの協力者を経てウィキリークスのサーバーに到達し、その間、告発者や協力者が明るみに出ないようになっている。また告発情報については、協力ジャーナリストが裏を取る。このあたりは初耳で、そういう意味では、通信社などと同レベルの質の高い情報が集積されているということもできる。もちろん、国家の機密情報を公開するということで、各国政府からは疎んじられており、特に米国政府などはウィキリークスをつぶしにかかっている。いろいろな勢力からのサイトへの攻撃も絶えないという。しかし一方で協力者も多く、非常に多くのミラー・サイトができているため、サイトが攻撃を受けてつぶれても問題はないらしい。そういう意味では、ウィキリークスを間に挟んだ、弾圧側の政府当局と情報民主化を求める民衆のせめぎ合いという見方もできる。
 また、一方で国レベルでウィキリークスを支援するような動きも出始めている。アイスランドがそれで、先頃の経済危機のときに機密主義が自体を悪くしたことに対する反省がこのような動機付けになっているという。
 アサンジ氏は先頃逮捕された(その後保釈)が、ウィキリークスのようなサイトはインターネットの真の力を体現するものであり、こういう情報民主化の流れは今後も変わることはないのではないか、そういうことを思ったのだった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『顧客情報を盗んだ男(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『追跡“ペガサス”(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『CYBER SHOCK 狙われる日本の機密情報(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『21世紀の戦争 サイバー攻撃の恐怖(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2011-04-29 08:43 | ドキュメンタリー
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