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竹林軒出張所

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『戦火のかなた』(映画)

戦火のかなた(1946年・伊)
監督:ロベルト・ロッセリーニ
脚本:セルジオ・アミディ、クラウス・マン、フェデリコ・フェリーニ他
出演:マリア・ミーキ、ガール・ムア、ドッツ・M・ジョンソン、カルメラ・サツィオ

b0189364_18354418.jpg イタリアン・ネオリアリズモの旗手、ロッセリーニの代表作で、映画史上に残る名作である。だが、正直言ってどこがそんなにすごいのかわからない。この映画を見るのは今回が二度目だが、やはり印象は前とあまり変わらず、悪くはないがそんなにスゴイという印象はない。
 ネオリアリズモの映画監督で僕が一番好きなのはヴィットリオ・デ・シーカで、デ・シーカの映画が好きなせいで、ネオリアリズモが好きという言い方をよくする。しかし本当の意味でネオリアリズモというと世間的にはやはりロッセリーニということになるのではないかと思う。でも、僕はロッセリーニの映画はもう一つ好きになれない。作りがどこか雑な印象を受けるし、役者の演技も粗雑である(役者は皆素人である)。全編ロケというのは悪い要素だとは思えないが、映像もあまり感じるところはないし、昨今の戦争映画から見ると迫力にも乏しい。世間ではドキュメンタリー風の映像とも言われているが、せいぜいニュース映像程度にしか思えず、感情移入もまったくできない。というわけで、ロッセリーニの映画は僕とは相性が悪い……と、今回やっとのことで悟ったのだった。
 さて、本作は6話構成のオムニバスで、言ってみれば第二次大戦のイタリア戦線を舞台にした6つのスナップショットという感じであろうか。どのエピソードも劇的な部分はあまりなく、さりげなく流れていくという印象である。感情移入できないのもそのせいか。そのため見ていて退屈に感じるところも多い。
 そういうこともあり、今の(自分の)目から見ると、それほどの秀作とは思えない。もちろん映画史的な功績を認めるのにはやぶさかではないが、「過去の映画」という感はぬぐい去れない。ロッセリーニ・ファンの皆さん、ごめんなさい。
 なお、この映画には、フェデリコ・フェリーニが脚本と助監督で参加しており、この映画が、フェリーニが映画界に入るきっかけになったという。
1949年ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作
★★★

参考:
竹林軒出張所『無防備都市(映画)』
竹林軒出張所『ドイツ零年(映画)』
竹林軒出張所『ウンベルトD(映画)』

by chikurinken | 2011-03-08 18:36 | 映画
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