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竹林軒出張所

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ハナゲから推し量る利己主義

 「本は借りて読んでから、面白かったら買う」という方針を決めてから久しい(竹林軒出張所:『蔵書票』参照)。そのため、図書館は今の僕にとって欠かせない存在である。
 ただ、図書館自体の存在は非常にありがたいものなのだが、利用者の中には心ない人間もいるようで、本に書き込みされてたりすると相当な不快感に襲われる。ひどいのになると写真や図版が切り抜かれているものもある。しかもカッターかなんかで非常に丁寧に切られている。切った人間はその切り抜きを大切にするつもりで切ったんだろうが、そういう心づもりがあるのなら公共物である本自体に向けてほしいものである。
 こういう人間に対してはかなりの反感を持っているので、本当は「このバカは」とか「このアンポンタンは」とかいう言葉を使いたいくらいだが、このブログの品格を損ねることになるので、ここでは極力落ち着いた調子で書きたいと思うが、おそらくこういう「人間」は、ゴミなんかも平気で路上に捨てたりするような「自分さえ良ければそれで良し」というタイプの人種なんだろうと思う。そのくせ自分の家はきれいにしていて、人が少し汚そうものなら烈火のごとく怒るような、すこぶる付きの利己的な人間だと勝手に推測している。おそらく、書き込みや切り抜きをする人間は図書館利用者のごく一部なんだろうが、1人でもいれば、その被害はその本の利用者全員に及ぶわけで、こういう公共意識や倫理観が欠如した人間には、図書館に近付いてほしくないと切に思う。もちろん僕の周辺にも近付いてほしくないのは言うまでもない。
 さて、書き込みや切り抜きでもこれくらいむかっ腹が立つものなんだが、今借りている本『カルロス・クライバー ある天才指揮者の伝記 下』には、怒りと言うよりあきれ果てるほどの所業が施されている。ちなみにこの本は値段が4000円近くもする本で、図書館で借りて読むのにピッタリというものである。上巻はすでに図書館に入っていて以前読んでおり(竹林軒出張所:『カルロス・クライバー ある天才指揮者の伝記 上』を参照)、下巻が図書館に入るのは長いこと心待ちにしていたもので、それがつい先日入荷するという運びになった。そういうわけで、急いで予約を入れて、先日やっと僕の元に届いたという新刊である。ところが新刊であるにもかかわらず、前に借りた人間がひどい所業を働いているのだった。
 最初は何かよく分からなかった。189ページの下の方に、何やら短い毛のようなものが付いており、当初はあまり気にしなかったのだが、その後のページもその後のページも約40ページに渡ってほぼ毎ページに2、3本、多いページには4、5本ずつ同じような箇所に付けられている。中には白いものもある。何ページ分かは払い落としたのだが、ページにくっついていて簡単には落ちないようになっている。何かの毛か……と思いながらふと思い至った。これはハナゲに違いない! 長さから行ってきっとそうだ。しかもページにくっついているという点から考えると、鼻水が接着剤代わりになっているのではないか……そう結論付けた(汚い話で申し訳ない)。白いものが混ざっている点を考えると、年の頃は40代以上で、しかも音楽好き(クライバーの本だから)。この毛はページの下部にまとめて付いているところを見ると、おそらくこの年配の男(この厚かましさは男に特有のものだと思う)は、この本を読みながら鼻毛を抜き、それをご丁寧に、各ページの下部にわざと貼り付けていったのではないかと、ここまでは容易に推測できた。
b0189364_15292577.jpg 本を読んだりすれば、髪の毛が落ちたり、あるいは鼻毛が落ちたりすることもあるだろう。そういうことにいちいち目くじら立てたりはしないが、意図的に公共の本を汚したとなれば話は別である。こんなことを平然とやるくらいなので、おそらく家族からも同僚からもあまりまともに相手にされていない人間なんだろうと思うが、とにかく「こいつには今後二度と図書館の本に触ってほしくない」と心底願うくらい、僕はこのことで著しく気分を害したのである。この約40ページ分は、ページを開くのも嫌なくらいだったが、下の方に触れないようにしながら、なんとか昨日やっと通過できた。まったく胸くそが悪くなるような話である。ちなみにこの本は、市立図書館の本である。興味のある方はご自分の手で確かめていただきたい(そんな人はいないと思うけど)。
by chikurinken | 2011-02-25 15:31 | 日常雑記
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