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竹林軒出張所

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『不毛地帯』(映画)

b0189364_10525195.jpg不毛地帯(1976年・芸苑社)
監督:山本薩夫
原作:山崎豊子
脚本:山田信夫
出演:仲代達矢、丹波哲郎、田宮二郎、山形勲、井川比佐志、八千草薫、神山繁

 ロッキード事件に材を取った原作、映画だとばかり思っていたのだが、順序は逆で、この映画の撮影中にロッキード疑獄が明るみに出たらしい。
 内容は、山崎豊子・山本薩夫コンビらしく非常に硬派である。骨がありながらも展開はスリリングで、3時間の長尺でありながらまったく退屈させない。映画では、商社による政府への戦闘機の売り込みの部分のみが扱われており、原作の後半はカットされている。だが、そのことがかえって、映画に一貫性とシャープさをもたらすことになっているため、成功と言える。
 ただ全体的に、70年代の(名作)映画でよく見られることだが、舞台設定や演出にステレオタイプな部分が多く、特にアメリカが舞台のシーンがやや滑稽に見えた。時代背景を考えるとしようがないのかも知れないが、現代的な視点から見ると少し残念である。しかしまあ、こういう映画を作れるのは山本薩夫ならではで、こういう取り組み自体がすごいことであり、しかも完成まで至ったという事実さえすごいことだ(話によると、公開前に政界からも横やりが入ったとか)。
 また、キャストが非常に豪華で、主役から端役に至るまで、その分野におけるトップ・クラスの俳優が次から次へと出てくる。山本薩夫は映画作りでは予算的にいつも苦労していたと聞いていたため、この豪華さには少しビックリであった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『華麗なる一族(映画)』
竹林軒出張所『金環蝕(映画)』
竹林軒出張所『真空地帯(映画)』
竹林軒出張所『氷点(映画)』
竹林軒出張所『未解決事件File. 05 ロッキード事件(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2011-01-03 10:53 | 映画
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