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竹林軒出張所

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『アマゾン 大豆が先住民を追いつめる』(ドキュメンタリー)

アマゾン 大豆が先住民を追いつめる
(2005年・仏 Free Studio)
NHK-BS1

b0189364_9325518.jpg アマゾン川流域の熱帯雨林は、地球環境を維持する上で非常に大きな役割を果たしている。だが現在、この熱帯雨林は、大豆やトウモロコシの生産のために、大規模に渡って伐採されており、大規模な環境破壊が進行している。しかもこれまでは不可侵のはずだった先住民保護区にまで、平然と手を伸ばす一団がおり、熱帯雨林保護に大いに貢献していた保護区までもが食い荒らされ始めている。このドキュメンタリーでは、そのような現状をレポートし、環境防衛のために何をすべきか考える。
 ブラジルは、食料を自給できなくなった中国向けに大豆の輸出を始め、これが外貨獲得に役立っているが、そのための大豆生産地として注目されたのが広大なアマゾン川流域地帯である。儲かれば他人の生活や自然環境などにかまってられないというのが資本の原理で、アマゾンのケースも例外ではないが、しかしここで行われている人権侵害やすさまじい環境破壊は、遠くに住むわれわれにとっても人ごとではないのだ。ところが、現状(2005年現在)では、行政側もこれを取り締まる方法がないという。このあたり、ちょっと日本人の感覚では信じられないのだが、ほとんど野放しに近い状態で、先住民と進出者の間で暴力的紛争が起こることもあるという。200年前のアメリカの中西部みたいな状況が今アマゾンで展開されているというわけだ。だが、その後の北米大陸の土壌破壊、環境破壊、人権蹂躙、暴力行為を見れば、同じ過ちを起こしてはならないのは明らかである。
 アマゾンが大変危険な状況であることを知らされて、いろいろと考えることになった。とは言うものの、こういったドキュメンタリーが作られた(しかもフランスで)という事実は重要で、これが対策の第一歩になるかも知れない。実際、このドキュメンタリーでも、環境破壊への対策、環境の管理の状況は改善されてきていると言っていた。まったく楽観はできないが希望は見える。人間の限りない欲望を抑制することこそ行政の最大の役割だと思うんだが、その辺が骨抜きにされるととんでもないことになるということが、このドキュメンタリーを見てあらためてわかったのだった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『未知のイゾラド 最後のひとり(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『イヌイットの怒り(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『あるダムの履歴書(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2010-11-10 09:33 | ドキュメンタリー
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