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竹林軒出張所

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『情婦マノン』(映画)

情婦マノン(1948年・仏)
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
原作:アベ・プレヴォー
脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、ミシェル・フェリ
出演:ミシェル・オークレール、セシル・オーブリー、セルジュ・レジアニ

『情婦マノン』(映画)_b0189364_9205677.jpg 映画の内容云々より、DVDのパッケージに憤りを覚える。この映画の目玉と言うべき「世界をうならせた」シーンがパッケージで紹介されており、しかもご丁寧に写真まで入っている。「世界をうならせた」シーンなら、先入観なしに見たいじゃないか。なぜこうやってばらしてしまうんだろうか。あんたらはH村淳か(未公開映画でも、テレビやラジオでストーリーをすべて言ってしまう人)と言ってやりたくなる。
 映画は、プレヴォーの長編小説『マノン・レスコー』を20世紀に置き換えて作り直したという、映画史に輝く名作である。もっとも僕は『マノン・レスコー』も『情婦マノン』もよく知らなかったんだが。それだけに、内容をばらしてしまう下手な作りに余計に腹が立ってしまう。先入観なしに見るのが映画の楽しみっちゅーもんだ。僕だってここで映画を紹介するときは、ネタバレにつながるようなことは極力避けるように気を遣っているんだ。それがマナーってもんだ。
 さて、この映画だが、奔放な女に振り回される善良な男の話で、この手の話はとても苦手である。映画自体の質は高いと思うが、見ていてあまり良い気持ちもしないし、試聴後感も気分の良いものではない。好き嫌いのレベルの話で恐縮だが、ともかくそういう映画である。映像、演出などについては特に感じるところもなかった。僕には合わない映画なんだろう。印象に残ったのは、60年前の映画であるにもかかわらず、フィルムがとてもきれいだということくらいか……。要するに僕にはこの映画を論じる資格がないということだ。結局、下手な宣伝パッケージのせいで名画を1本無駄にしたというわけ……。
★★★

by chikurinken | 2010-11-08 09:21 | 映画
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