
最近、Webを見ていると、オークションのネット広告がやけに目立つ。その広告によると、iPadの落札額が300円とかカメラの落札額が500円とか書いている。一度、あるサイトを見てみたことがあるが、オークションといっても、Yahoo!オークションなどと違い、そのサイトの運営者が出品しているようで、どう見ても販売サイトではないのかと思う。ということはそのサイトが儲かっているということで、ということはiPadが無条件で300円で買えるわけではなさそうである。怪しい臭いがプンプンするので、さっさと引き取らせていただいた。
で、昨日、このオークション・サイトのことについての解説が「SAFETY JAPAN」というサイトに掲載されていて、合点がいった。
「3万円の人気ゲーム機が3000円!」で噂を呼ぶ「ペニーオークション」。その「怪しい正体」(SAFETY JAPAN) 要するに、オークションに参加し入札するときに、金を払わなければならないということらしい。たとえば、定価6万円のある商品が出品されていて、これを僕が500円で入札するとする。その時点で手数料がかかる(75円が相場らしい)。ほんで別の人が510円で入札して、次に自分が515円で入札する。この時点で再び手数料がかかる。こういうわけで最終的に1万円でだれかが落札しても、それまでに入札がのべ1000回行われていれば、1000×75円で75000円ということになり、サイト運営者は、6万円の商品を、7万5千円+落札額1万円の8万5千円で販売できるということになる。こういうシステムを「ペニーオークション」というらしい。ということで、このシステムで儲かるのは、サイト側と落札者だけである。他の多くの参加者は、入札料をしこたまとられてチョンということになる。落札者とて、その商品に対してそれまでに何度も入札手数料を支払っていることになるわけで、どの程度儲かったかはにわかに判断できない。それに他の商品で損する可能性だって高い。つまるところ宝くじやパチンコみたいなもんで、大勢の損の上に、少数の得(または疑似得)が成り立っているというシステムなのだ。というわけで、SAFETY JAPANの解説では、このシステムはギャンブル、それも射幸心をかなりあおり立てるギャンブルだと結論付けている。サクラの存在も当然考えられるわけで、最終的に必ずサクラが落札するようにすれば、儲かるのはサイト側のみになるんだね。そうすると参加者は誰一人得しないというシステムもできあがるわけだ。おーーこわっ。
こういうサイトが日本でも増えているらしく、試しにGoogleで「オークション」と入力して検索すると、上位に怪しげなサイトがズドドンと出てきた。世の中、ろくでもないこと(つまり詐欺行為)を平気でやる人々というのが大勢いるようで大変嘆かわしいが、こういう怪しい連中に引っかからないよう気をつけないと、それこそケツの毛まで抜かれてしまう(しかし汚い表現ですな)。ネットはいまだ無法地帯なんですね……。大変お勉強になりました。
参考:
竹林軒出張所『オンラインカジノ 底知れぬ闇(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『クリック・ベット(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『カネはモスクワへ消えた(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『ネット自動広告取引の闇(ドキュメンタリー)』