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竹林軒出張所

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『赤と黒』(映画)

b0189364_981395.jpg赤と黒(1954年・仏)
監督:クロード・オータン・ララ
原作:スタンダール
脚本:ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト
出演:ジェラール・フィリップ、ダニエル・ダリュー、アントネッラ・ルアルディ

 スタンダールの『赤と黒』の映画版。ジェラール・フィリップが、上昇志向を持つ下層階級の美青年、ジュリアン・ソレルを演じる。ジェラール・フィリップは、最高のジュリアン・ソレルの評価を受けていたと言う。
 ジェラール・フィリップ以外もキャストはすばらしく、ダニエル・ダリュー、アントネッラ・ルアルディの美貌の女優陣が相手を務める。原作で想定された世界もかくありなんという感じである。衣装や風俗も美しく、文芸ものの翻案としてはこれ以上ないほどの贅沢と言える。
 ただ、僕はどうもこのストーリーになじめなかった。ところどころ納得がいかない、というか僕の中でつじつまが合わない場面があったが、どうも原作を適当にはしょっているようで、確かに3時間半の大作だけに省略はやむを得ないとしても、結局そういう部分は違和感として最後まで残ることになる。要するに原作を読んだ人向けの映画ということなんだろう。僕は原作を読んでいないので、原作もそういうものかと思って見ていたが、今ストーリーだけを読んでみたところ、梗概レベルでありながらそういう部分もしっかり説明されていた。こういうところは映画の中でもしっかり説明が欲しかったと思う。それに映画では、心情の表現なども独自の解釈を加えているようで、そのあたりも僕は見ていて納得がいかなかった。これだけ良い素材を集めたんだから、原作に忠実に作ってほしかったと思う。
★★★

参考:
竹林軒出張所『原作と映画の間』
竹林軒出張所『居酒屋(映画)』
竹林軒出張所『ゴリオ爺さん(映画)』
竹林軒出張所『ボヴァリー夫人(映画)』
竹林軒出張所『レ・ミゼラブル (1)〜(4)(ドラマ)』

by chikurinken | 2010-10-24 09:09 | 映画
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