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竹林軒出張所

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雁皮刷りをやってみた(銅版画)

 今日は、銅版画の話です。興味のない方は飛ばしてくださいませ。

 銅版画の刷りの技法に雁皮刷りという方法がある。雁皮というのは雁皮紙という和紙のことで、通常であれば版画用の厚手の紙に印刷するところを、雁皮紙に印刷する(さらにそれを厚手の紙に貼り付ける)というのが雁皮刷りである。刷り上がった状態で、通常の版画用の紙の上に雁皮紙が載っており、そこに絵が印刷されることになる。
 雁皮紙に刷られた銅版画は結構出まわっているので、今までも何度か目にしたことがあるが、あまり感慨もなく、むしろなぜこういう面倒なことをやるんだろうというようなことを考えていた。そのため、今まで雁皮刷りをやろうという気も起こらず、周りでやっている人がいたら面白半分に見ていた程度である。職人さんの技みたいで、見ている分にはなかなか面白いのだ。
 ま、しかし、銅版画を始めてからそこそこ経つので、一度くらいは経験しておこうかなと思いたった。そんなわけで、少し前にやってみたところ、思いの外刷り上がりに味わいがあって、今少し魅力を感じているところである。僕自身、普通の刷りと雁皮刷りを比べてみて、初めてその味わいがわかったわけだ。人の作品だと比べてみるということができないので、なかなかわかりにくいものである。おかげで、雁皮刷りをやる意味というのも少しわかったような気がする。というわけで、先週、今週と雁皮刷りばかりやっていたのだった。
 では、サンプルをお見せいたしましょう。それぞれ違うインクで刷っているのでそのあたりは差し引いて見ていただくということで……。
 スキャンした画像なので違いはわかりにくいかも知れないが、実物を見ても「何となく違う」というレベルなのである。でも、その「何となく」に意味があって、少しぼやけた感じが味わい深い……ような気がする。

 雁皮刷りの技法については、以下のホームページで詳細に書かれています。興味のある方はどうぞ。
 刷ってみよう! B.雁皮刷り(版画HANGA百科事典)

左:一般的な刷り(ナチュラルホワイトのハーネミューレ紙、黒インク)
右:雁皮刷り(ホワイトのハーネミューレ紙に雁皮刷り、セピアインク)
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by chikurinken | 2010-07-05 11:28 | 美術
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