銃・病原菌・鉄 第1話 文明の始まり
(2004年・米 National Geograhic)
原作:ジャレド・ダイアモンド
出演:ジャレド・ダイアモンド
ジャレド・ダイアモンドのピュリッツァー賞受賞作『銃・病原菌・鉄』を、ナショナル・ジオグラフィックが映像化したもので、全3巻の第1巻。『銃・病原菌・鉄』はいずれ読もうと思っていた本で、こんなDVDが出ていたのを知ってびっくり。しかもナショナル・ジオグラフィックから!
内容は『銃・病原菌・鉄』に沿っていると思われるが、まだ読んでいないので本当のところはわからない。(少なくともDVDは)文明の格差がどこから生じてきたかを考察するというテーマのようで、この第1話では、約1万年前に遡って、文明の始まりについて考察している。
文明の始まりのきっかけは農耕が可能になったことであり、これにより蓄財が可能になって、食料確保に従事する以外の人間(つまり専門職)を養う余裕が出てきた(これによって技術の発達が可能になった)ことで文明の発達が促進されたという。その際、農耕の対象となる農産品(多くは穀物)によって、次のステージに進むかどうかが決まった。大量に生産が可能なもの(麦や米など)とそれ以外のもの(ヤムイモなど)によって、専門職を養える能力に差異が生じ、それが鉄などのテクノロジーを生み出す原動力に差が出たというのが著者(製作者?)の主張で、ここまでが第1話の範囲である。
個人的には考察が少しいい加減な気もする(文明の多様性には気候変動が大きな影響を与えていると思っているんだ、個人的には)が、まあ第1話ということで、これから面白い展開になるような気がする。著者のダイアモンドが重きを置いているのも「文明の衝突」の部分で、それが原題の「銃・病原菌・鉄」に結びついているというし。内容は少しもの足りなかったが、さすがにナショナル・ジオグラフィックの作で、どの部分をとっても映像がすばらしかった。
★★★参考:
竹林軒出張所『銃・病原菌・鉄 第2話、第3話(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『銃・病原菌・鉄 (上)(本)』竹林軒出張所『銃・病原菌・鉄 (下)(本)』