
以前、樹里からんというジャズ歌手のことを少しだけ書いた(
「ジャズヴォーカルもヴィジュアル系」)が、このたび彼女の新しいアルバムをゲットできたので、すこし報告したいと思う。「新しい」といっても昨年の秋に出たもので、なかなかレンタル店に登場しなかったため今の今まで待たされることになった。気に入ってるんだったら買えばいいじゃないかという声が聞こえてきそうだが、1枚良かっただけだから、やはり買うには少し躊躇する。もう少し様子を見させてという感じである。
で、この新しいアルバム、
『She -loves jazz-』
だが、樹里からんのアプローチの方法というか、どういう方向に進もうとしているかが、何となくわかるような気がする……というようなCDであった。基本的にこのアルバムも1作目の
『Lover's Jazz』
と同様で、スローバラードばかりを集め、それをしっとりとした歌唱で歌っている。だから前作が気に入った人は、たぶん2作目も気にいるんではないかと思う。かくいう僕も気に入った。何と言っても選曲が良い。「My heart will go on」に「She」に「Always Love You」だ。もっとも僕は1曲もタイトルは知らなかったんだが(ポップスには疎いもので)。映画『タイタニック』、『ノッティングヒルの恋人』、『ボディガード』のテーマだそうで、聴いてみて、あ、あれかってなもんだ。『Lover's Jazz』も選曲が抜群だったので、たぶこの歌手のセンスの良さから来ているんだろう。ベタに過ぎるという言う人もいるかも知れないが、いろいろな見方があるのはいたしかたないところ。
樹里からんについて少し補足しておくと、『Lover's Jazz』が、
「iTMS(iTune Music Store)を介してワールドワイドな評価を受け、特にヨーロッパでは、イタリア/オランダ/ベルギーでDL(ダウンロード)チャートBEST5入り、その評判が飛び火した台湾等アジアでも高い人気を博」(樹里からんOfficial Siteより、かっこ内は当方の補足)したということである。以前YouTubeでもこのアルバムの中国語版のプロモーション映像が出ていたんで、台湾では人気があるんだろうとなんとなく感じた。日本ではほとんど話題になることもなかったし、プロモーション映像が出たかどうかすら知らない。
ともかく、このアルバムは、ゆったりと安心して聴くことができるカバー集である。うるさくないのでバックミュージックにも最適である。そういうわけで、新しいアルバムが楽しみな、数少ない歌手の1人である。次のアルバムは是非とも買いたい……と思う……。