
ジャック・ドゥミが監督した『モン・パリ』という映画を見たが、つまらなかったので、ここで触れない。面白い映画についてのみここで書いて皆様にお勧めするという主旨なんで、感じるところがあまりないものについては、極力触れないことにする。
最近、ジャック・ドゥミの映画を集中的に見たが、これはCSのシネフィルというチャンネルで特集をやっていたためで、めぼしいところはこれで大体見たことになる。後は最後の大物(つまりジャック・ドゥミの中で一番の傑作)、『シェルブールの雨傘』くらいであるが、これは時間が取れたらじっくり見ようと思っている。
ジャック・ドゥミについては、音楽家のミシェル・ルグランとのコンビが目玉ということになるんだろうが、実際に見た感じでは、ルグランの音楽も含めて、あまりびっくりするような要素はなかったように思う。特に70年代くらいからは、プログラム・ピクチャーみたいな何だかお手軽な映画も作っており、先述した『モン・パリ』もテレビ・ドラマみたいで、そういった類の映画だった。もっともこれは『シェルブールの雨傘』以外の話で、『シェルブールの雨傘』は名作の呼び声が高い上、非常に良かったと言う声も周辺から届いている。というわけであるから、いずれ見る……たぶん。ドゥミはおそらくそれで打ち止めということになるだろう。だがこういうふうに回顧展みたいな感じでまとめて見せてもらえるのもありがたい。ちょっと前まとめて見た岡本喜八作品も、日本映画専門チャンネルというCSチャンネルでまとめてやっていた企画である。僕自身もおそろしくヒマだったんでこういう回顧展につきあうことができたというわけだ。DVDレコーダーには、他にもフリッツ・ラングや成瀬己喜男なんかの映画もまとめて入っている(これもCSでまとめて放送されたもの)んで、これもそのうち見ることになるんだろう……ただ、僕の中には、あんまり気乗りしない部分もあるんだな、これが(そのまま消してしまうかも知れない……。これもものすごく贅沢な話だ)。
参考:
竹林軒出張所『シェルブールの雨傘(映画)』竹林軒出張所『天使の入江(映画)』竹林軒出張所『ロシュフォールの恋人たち(映画)』竹林軒出張所『ローラ(映画)』竹林軒出張所『ロバと王女(映画)』竹林軒出張所『ロワール渓谷の木靴職人(映画)』