プライドと偏見
(2005年・英)
監督:ジョー・ライト
原作:ジェーン・オースティン
脚本:デボラ・モガー
出演:キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディン、ドナルド・サザーランド、ロザムンド・パイク、サイモン・ウッズ

ジェーン・オースティンの古典小説『高慢と偏見』を映画化したものである。
映像が美しく、調度や衣装も丁寧かつきれいにしつらえられており、大変好感が持てる。また、時代状況や風俗がよくわかる。これは、小説を読んだだけでは伝わってこない情報で、その点だけでもこの映画を見た甲斐があったというものだ。また、主演のキーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディンが美しく描かれており、映画的な娯楽性も伴う。なかなか良い映画であった。
ただし、原作のストーリーについては、ちょっと納得がいかない。正直「何ですか、このストーリーは!」と言いたくなるようなチープな話である。ハーレクイン・ロマンスのような安直かつ好都合なストーリーで、最初の段階で、ストーリーのすべてが読めてしまうような、ありきたりの話だ。これが本当に古典なのかと思ったほどである。とは言うものの、こちらがハーレクイン・ステレオタイプの原典なのかも知れないし、小説にはストーリー以外の要素もある。それはわかるが、少しばかり首をひねるような内容であるのは確かだ。
ま、しかし、安直さに目をつぶって、質の高いハーレクイン映画だと思えば、一つの話としても結構楽しめるのではないかと思う。それに、これを原典で読んでいればストーリーに対する失望感がさぞかし大きかっただろうと思う(読むのに時間がかかることだし)。「できの良い映画」という型式で見れば、たかだか2時間のことだし、見る価値は十分あったと思う。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『原作と映画の間』竹林軒出張所『Emma/エマ(映画)』竹林軒出張所『ジェイン・エア(映画)』