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竹林軒出張所

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『ココ・アヴァン・シャネル』(映画)

ココ・アヴァン・シャネル(2009年・仏)
監督:アンヌ・フォンテーヌ
原作:エドモンド・シャルル=ルー
脚本:アンヌ・フォンテーヌ、カミーユ・フォンテーヌ
出演:オドレイ・トトゥ、ブノワ・ポールヴールド、アレッサンドロ・ニヴォラ

b0189364_11344381.jpg なぜだか知らないが、昨年あたりからココ・シャネルがやたらに目につく。僕はファッションに疎くしかもまったく興味ないため、ココ・シャネルがどういう人間なんだか知らなかったが、去年読んだ『ブランドの条件』という本でシャネルについて触れられていたのがきっかけで少し興味を持った。孤児院出身でありながら、しかも孤児院生活で目にした質素で動きやすい服装をファッションとして確立し、それをモードのスタンダードにしたという話は、非常に興味深かった。今年になって『ココ・シャネル』とこの『ココ・アヴァン・シャネル』の2本の映画が、同じ時期にDVDとして公開された(劇場公開も同じ頃なのかしらん?)。しかも現在、『シャネル&ストラヴィンスキー』などという映画も公開されているという。ココ・シャネル生誕何十周年とかのアニバーサリーだったのかなどと考えていたが、別にそうでもないみたいだ(ココ・シャネル:1883年8月19日誕生、1971年1月10日没だそうで)。
 この映画なんだが、ココ・シャネルを『アメリ』のオドレイ・トトゥが演じており、シャネルのいわば青春時代を描いた映画だが、映像や音楽など、この映画のあらゆる要素が僕にとって大変心地良かった。本来であればサクセス・ストーリーのようなカテゴリーに含まれるんだろうが、そういう部分よりも、恋愛のとまどいや歓び、嫉妬や不安、悲しみなどといった要素が実にうまく表現されている。オドレイ・トトゥを撮影した映像も、詩的で凛とした気品がある。決して美しく描かれているわけではないんだが、生身の人間としての魅力がしみ出ている。この監督が抱くシャネル観もそういったものなんだろう、たぶん。ともかく僕にとって非常に気持ち良い映画で、好き嫌いでいえば大変好きな映画である。
 芸術作品を批評するとき「好き嫌いだけでものを言うな」と、脚本家の故・田村孟にかつて言われたことがある。田村孟は僕にとって大変気分の悪い存在であったが、この言葉についてはまったく異存はない。そう言う意味でも、この映画については、僕にはまったく批評する資格がないんではないかとも思う。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『シャネル&ストラヴィンスキー(映画)』
竹林軒出張所『ココ・シャネル(映画)』
竹林軒出張所『アメリ(映画)』

by chikurinken | 2010-02-17 11:35 | 映画
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