花祭(2009年・中部日本放送)
監督:堀場正仁
脚本:市川森一
出演:高畠華澄、橋爪功、大滝秀治、蟹江一平、小川弦
奥三河に伝わる伝統芸能「花祭」をモチーフにしたドラマ。今どきのドラマにしては高水準で、真摯に作られた快作。芸術祭参加作品だそうで、そのへんは納得。
ただ、ストーリー展開にあまり意外性がなく通り一遍の印象は残る。うまく書けてはいるがどうってことはないという、いかにも市川森一らしいドラマであった。
花祭をモチーフにして、過疎の問題や地方文化の衰退、家族の問題などを照らし出すというのは非常に良い試みであるが、花祭にとらわれすぎているようで、なんとなく文化映画みたいになっていたのは少し残念であった。だが、昨今のどうしようもないドラマ界にあって、これだけのドラマを作ろうという意気込みがまだあるのは救いである。でもやっぱりこういうことをやるのは地方の放送局だし、やはり「芸術祭参加」などの意図があってこそなのだ。視聴率もあまり取れそうにないしね。
★★★参考:
「花祭」ホームページ竹林軒出張所『ダイヤモンドのふる街(ドラマ)』竹林軒出張所『日曜劇場 春のささやき(ドラマ)』竹林軒出張所『グッドバイ・ママ (1)〜(11)(ドラマ)』