切手(NHK美の壺)
NHK「美の壺」制作班編
NHK出版
NHKで放送されている『美の壺』を出版化したムック本。切手収集の入門編として最適かと思い読んでみた。ただし僕が切手収集するわけではない。単なる興味。
で、全編読んでみたところ、入門編として非常に良くできているという印象で、切手の面白さがよくわかった。要は、切手の魅力は図案の美しさということのようだ。美術作品をそのまま切手にしたものであっても、構図や構成を適宜変えたりしているので、作り手の美意識が出るということらしい。なるほど。
また、凹版画(銅版画など)で刷られた切手があるという話も興味深かった。チェコスロバキア製の切手が銅版画であるという話は以前聞いたことがあったが、日本にも銅版画製の切手があるというのは今回初めて知った。しかもそのうちのいくつかは手元にある。ということで早速ルーペで確認してみた。確かに銅版画である。手触りからも銅版画であることがわかる(インクが山になっているので表面に触れてみるとわかる)。
さらに、版画家のアルフォンス・ミュシャ(切手作家でもあったらしい)が残した切手もあるなど、版画ファンからしてみるとたまらない話も紹介されていた(しかも今でも数百円で入手できるらしい。ミュシャの版画が数百円!)。というわけで、切手のさまざまな魅力が十分に伝わってきた本であった。
第1次国宝シリーズより「法隆寺」(凹版印刷)↑
★★★☆