
iPodにはリチウム電池が内蔵されているが、懐中電灯のように簡単に電池を交換するというわけにはいかない。だが、マニアックな人達は、自らの手でiPodを開腹し、どこかで調達してきたリチウム電池と交換するというようなことをやっている。なぜこのようなことをするかといえば、いくら充電池とは言え、何回も充電/放電を繰り返していると残り容量が目減りするからである。つまり持ちが悪くなる。それに元々入っている電池の容量が小さいということもある。新品の状態でも仕様より短い時間しか持たない。したがってもうちょっと性能の良い電池に交換して、電池の持ちをよくしようという、ま、そういう魂胆なのである。
で、このたび知人に、iPod(第二世代HDタイプ)の電池がなくなったので何とかしてほしいと言われ、一肌脱ぐことになった。
元々このiPodは僕の所有物だったのをこの方にお譲りした(売りつけた)という経緯がある。そういったいきさつがあるんだから、何とかしろと言われれば、人として何とかするしかあるまい。
この方には、以前から電池の持ちが異様に短くなったと言われていたが、最近になって頼みのACアダプタが大破したことから、AC電源につなぎっぱなしで再生するという裏技(?)すら難しくなったという。そんなわけで、僕の方もとうとう重い腰をあげることになったのだ。だが、いざ探してみると、この第二世代用のバッテリーはすでにほとんど売られていないということに気が付いた。
第三世代以降は、ネット上でもちらほら見かけることがあったが、第一世代、第二世代を売っている店はまったく見あたらない。しようがないので、その方には「ムリです」と返事をしてやり過ごしていたのだった。
ところが最近になって、iPodのバッテリー交換について書かれたWIRED VISIONの記事(
『iPod』のバッテリー交換、簡単な作業で再生時間が倍に)を見つけたのだ。2004年の記事なので過去に目にしていたかも知れないが、すっかり忘れていた。それでこのページからリンクをたどると、第二世代用バッテリーを売っている小売店がいまだにアメリカに健在であることがわかった(
Other World Computing)。
調子に乗って今度は第二世代用ACアダプターも調べたところ(これも少し前はまったく見あたらなかった)、なんとあのAmazonで、中古として売られていることがわかった。中古と名うってはいるが実は新品であるらしい。しかも送料込みで1300円!(
Apple iPod 電源アダプタ M8636G/C)
そういうわけで、このACアダプタとバッテリを買うことにした。交換作業は僕がやるということで。バッテリはアメリカから輸入ということで送料が心配だったが、価格15ドル、送料5ドルの計20ドルということだ。3000円ちょっとでiPodがリフレッシュする……。なんだかワクワクするではないか……しないか。とはいうものの、アメリカから輸入ということも、それから自分で交換ということも少しばかり不安がある。iPodにはネジなどがなく、つまり無理矢理こじ開けなければ内部にアクセスできない。この無理矢理こじ開けるという作業が結構大変なのである。過去、Mac-miniとMacBookでこの作業をやり、無事に開腹できたは良いけれど、どちらもボコボコ(つまりキズだらけ)になったということがあったのだった。
不安をかかえながらも第二章へ続く。
参考:
竹林軒出張所『旧式iPodのバッテリー交換をやってみようと思うの記 その2』