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竹林軒出張所

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ヌード・クロッキー

b0189364_12181341.jpg 先日、ヌード・クロッキー会に参加してきた。クロッキーというのは速写という意味だそうで、短時間で対象を描画することである。「クロッキー」ということばを使ってネットで画像検索すると、いろいろな作品が表示される。やはりよくできたものは人に見せたいということか。
 かつてやたら人物デッサンをやりたくなった時期があって、あちこちでデッサン会みたいなものがないか探していたのだが、なかなか見つからなかった(東京や大阪だといくらでもあるんだろうが)。で、なかばあきらめていたんだが、いつも出入りしている美術館で、半年に1回ずつヌード・デッサン会(厳密にはクロッキーの会だが)が行われていることが分かって、前回から参加しているというわけだ。個人的にはヌードでなくても良いんだがね……いや、ホント。
 前回、たかだかヌードとたかをくくっていたこともあって、あえなく撃沈。あまりの口惜しさに、その後しばらくヌードばかり練習していた。今回は、その轍を踏むことのないよう、何度も練習を積んでからクロッキー会に臨んだのだった。
 今回は、10分のポーズを6回、その後40分のポーズ、20分のポーズを2回というメニューだった(間に適宜休憩が入る)。前回は10分と40分だけだったが、10分のクロッキーと言えばしょせん練習のための描画という感じで、なんだかもの足りない。というわけで、今回20分のポーズを入れてくれるよう僕からお願いしたんである。
 さて、いざモデルさんが入場してくると、室内に緊張が走る。やがて時間になり、ガウンのような簡素な服をはらりと脱ぐ。室内の緊張感がピークに達する瞬間である。いきなり公の場で女性が裸になる瞬間は通常であれば目にすることはなく、考えてみれば相当異様な光景である。初めてのときはさすがにビックリというか少し引いてしまったが、今回は余裕しゃくしゃくである。
 さて、いざ裸体が現れると、非常に恰幅の良いモデルさんであることがわかった。ルノワールがこの場にいればさぞかし喜んだだろう。今回が初めてであれば少しガッカリしていたかも知れないが、まあこういうのもアリかなと割り切ることができた。以前、銅版画の師匠に、ダンバラ・モデルのデッサン会の経験を聞いていたが、僕もついに同じレベルに達することができたわけだ(違うか)。
 ところがこのモデルさん、ポーズが非常に自然で、なかなか描きやすい。さすがプロ!という感じである。でもプロであるならば、もう少しスマートになるという選択肢もあるんじゃないか……などと考えながら、クロッキーに臨んだ。極力、このモデルさんの体からあふれ出るエネルギーを描きとろう(つまりはリアルに描こう)ということで、6+1+2枚のクロッキー(およびデッサン)ができあがった。あらかじめヌードの練習をしていたせいか、今回は前回のように惨敗ということはなく、そこそこのできかなと思えるようなものができた。そういうわけで、気分良く、美術館を後にすることができたのだった。
 そうそう、描画中、モデルさんがこちらを向く姿勢のときに、描き手を意識するかのような雰囲気が発生し、結果的に画家とモデルの葛藤といった状況が生み出された。まあ、僕の気持ちの上でそう感じただけだから、モデルさんはなんにも感じていない可能性が高い。だが、なかなかスリリングで面白い状況であった。そういう意味でも良いモデルさんだったんではないかと思う。またいつかこのモデルさんに対峙したいものだが、次回はもう少し細くなっていただけると大変ありがたい。あまりに太い方だと、人を描いているというより物体を描いているという感じになってしまうもので(その方が本来的には正しいのかも知れないが、僕は人を描きたいのだ)。ひとつよろしくお願いしたい。

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恰幅の良いモデルさん……20分、鉛筆


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変な位置からのクロッキー……10分、黒チョーク
by chikurinken | 2009-07-16 12:12 | 美術
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