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竹林軒出張所

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関ヶ原参戦の記(前編)

関ヶ原参戦の記(前編)_b0189364_9234550.jpg 僕は、関ヶ原の戦いに参加したことがある。他にも桶狭間、三方ヶ原、小牧・長久手に参加し、長篠は少し曖昧だがたぶん出たんじゃないかと思う。さらに時代を下って、幕末の戊申戦争や西南戦争、神風連の乱にも参加している。
 何をほざいているのだと思われるかも知れないが、つまりテレビ映画のロケの話で、エキストラとして出ていたというわけ。
 かつて京都に住んでいたとき、金欠のためバイトに明け暮れていたのだが、秋から冬にかけて東映京都で大々的にエキストラを募集していたことがあって、これに応募した。撮影が終わるまで拘束されるが(逆に早く終わったらその時点で解放→報酬減)大半が待ち時間で、しかもいざ仕事といっても走り回ってるだけなので、大変楽で割の良い仕事である。特に始めたばかりの頃は、目新しいことばかりで結構楽しい。当時、民間キー放送局が年末年始に長時間ドラマを始めた頃で、ほとんどのキー局がこういった類のドラマを放送していたんじゃないかと思う。そのうちの多くが東映京都で製作されていた。そのとき製作されていた二大大作が『田原坂』(日本テレビ系)と『徳川家康』(TBS系)で、この撮影が当時の東映京都でメインになっていたため、僕も関ヶ原や桶狭間に従軍(参加)することになったわけである。
 画面に映るようなエキストラはプロがやるので、われわれバイトは足軽として後ろの方をワーワー言いながら走り回っている。足軽だから、脚絆や股引、簡単な鎧を着けて笠をかぶるという出で立ちで、髷なんかは当然付けない。撮影中に笠が取れたら現代風の髪型が登場してぶちこわしになるので、それだけは気をつけなければならない。桶狭間では大雨が降っていた(人工的に降らせていた)ので疲労が蓄積して大変だったものだ(遠い目……)。
 参加したドラマをもう一度見てみたいとは思っていたんだが、どのレンタル店にもDVDが置かれていないようで半分あきらめていたところ、先日、近所のTSUTAYAで『田原坂』を発見した。というわけで『田原坂』のDVDを借りて見てみた。もちろん、ドラマ部分は飛ばしながら、合戦シーンのみに集中するのである。だから6時間くらいのドラマだが、40分くらいで見終わった。撮影中、本格的な鎧甲を着けて参戦(参加)したシーンが1つだけあって、神風連の乱なんだが、そこにしっかり僕が映っていた(ような気がする)。家人に教えても、はぁ?ってなもんで、まったく感動はないようだ。そういえば、実際の放送時にもビデオに撮って友人に見せたんだが、似たような反応だった。「これ俺!」などといっても、大笑いされて「絶対本人じゃなきゃわからない」と言われた。
 とは言っても久々にこの合戦シーンを見ると、いろいろな記憶が甦ってくる。なんだか懐かしくなった。
(つづく)

by chikurinken | 2009-07-13 09:28 | 映像
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