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竹林軒出張所

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『山手線内回りのゲリラ』(本)

山手線内回りのゲリラ―先崎学の浮いたり沈んだり
先崎学著
日本将棋連盟

b0189364_1503393.jpg 将棋棋士の先崎学八段によるエッセイ集。
 先崎学と言えば、

・大山康晴十五世名人の葬儀を欠席し、羽生に「香典出しておいて。お前と同額」と頼んだところ、羽生が数十万包んだ件について「あいつおかしいですよ」と師匠(米長)に泣きついたところ「大山先生の葬儀に出られないほどの用とは何なのか」と叱責され「こんなつまらない若手がいる」と著書でネタにされた。
・先崎はその仕返しに、米長のタイトル戦の解説をしているときに、師匠の指した手に対して「ブタのような手」と言い放った。(Wikipedia「先崎学」の項より)

と書かれるほど(ネタ元は先崎の著書からではないかと思う)お茶目なオッサンである。このエッセイ集も、奔放なお茶目ぶりを発揮している。電車の中でこの本を読んだりしたら、大笑いして恥ずかしい思いをするに違いない。
 羽生名人を「羽生」と呼び捨てにし、佐藤康光九段を「デレ光」だの「モテ光」だのと揶揄できるのは、おそらくこの人くらいしかいないだろう。ちょっと見、「ルネッサーンス」などと叫びそうな風貌だが、エッセイでも芸達者(筆達者?)ぶりを発揮している。
 勝ち負けで一喜一憂し、テレビで流れている他の棋士の手をボロクソにけなす人間的な棋士たちが多数登場する。先日紹介した『シリコンバレーから将棋を観る 羽生善治と現代』に出てくる、美化された棋士像とはえらい違いだ。
 ちなみにタイトルの「山手線内回りのゲリラ」は、収録されているエッセイのうちの1本のタイトルである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『棋士・先崎学の青春ギャンブル回想録(本)』
竹林軒出張所『うつ病九段(本)』

by chikurinken | 2009-06-29 15:04 |
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