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竹林軒出張所

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『モンパルナスの灯』(映画)

モンパルナスの灯(1958年・仏)
監督:ジャック・ベッケル
原作:ミシェル・ジョルジュ・ミシェル
脚本:ジャック・ベッケル
出演:ジェラール・フィリップ、アヌーク・エーメ、リノ・ヴァンチュラ、リリー・パルマー

『モンパルナスの灯』(映画)_b0189364_11161264.jpg20年くらい前に一度見たんで、今回で2回目。最近、フランスの画家モディリアニの嫁さんのジャンヌ・エビュテルヌについて調べていた関係で、この映画を見ることになった。そうそう、ちなみにこの映画、モディリアニの伝記映画。
モディリアニは、20世紀初頭の画家で、36歳で早世する。若妻のジャンヌも、モディリアニの死の直後に飛び降り自殺する。このことも相まってモディリアニが伝説化され、絵の評価が高まったのではないかという説もある。
ともかくも、そういう劇的なドラマであるため、映像作家の食指が動くのもいたしかたないところ。ただしこの映画では、ジャンヌの死は描かれていない。
映画は、メロドラマ風ではなく、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』みたいな、一種の不幸・不遇ものと考えられる。50年代のハリウッド伝記映画風の単純化が全編通して見られるのが、浅い印象につながっているのかなと思う。ただ、ドラマとして見ればそこそこ面白く、キャストも豪華であるため、見てガッカリするようなことはないと思う。
今回見たのは、アヌーク・エーメ演じるジャンヌが目的だったのだが、(写真で見る)ジャンヌに似ているなという印象で、非常に美しい。アヌーク・エーメといったら『8 1/2』の「暗い妻」の印象が強かったので、初々しい若妻役が意外だった(前見たときもジャンヌを演じていたのがアヌーク・エーメだとは気付かなかった)。ただちょっと年が行きすぎているような……。娘(18〜21歳の役)というより熟女に近いよ。
★★★

参考:
竹林軒出張所『男と女(映画)』
竹林軒出張所『真珠の耳飾りの少女(映画)』
竹林軒出張所『エゴン・シーレ 愛欲と陶酔の日々(映画)』
竹林軒出張所『レンブラント 描かれた人生(映画)』
竹林軒出張所『レンブラントの夜警(映画)』
竹林軒出張所『宮廷画家ゴヤは見た(映画)』
竹林軒出張所『カラヴァッジョ 天才画家の光と影(映画)』
竹林軒出張所『カラヴァッジオ(映画)』
竹林軒出張所『夏時間の庭(映画)』

by chikurinken | 2009-06-02 10:11 | 映画
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