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竹林軒出張所

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『ドキュメント 高校中退』(本)

ドキュメント 高校中退 -- いま、貧困がうまれる場所
青砥恭著
ちくま新書

b0189364_20502333.jpg 高校の学費が払えない子ども達や、親の貧困が原因で高校を中退していく子ども達が増えているという話は、ドキュメンタリーやニュースで聞いたことがあったが、現状がこんなにひどいとは思わなかった。
 (誰でも入れるといわれる)「底辺校」と呼ばれる高校には、貧困家庭の子女や問題を抱える家庭の子女が多く入学してくる。なぜならかれらの学力が(貧困が原因で)劣っており、「底辺校」がその受け皿になっているためである。だが、かれらの多くには向上心もなく、ただなんとなく入学しており、しかも親の方でも学校をやめてほしいと思っているため、必然的に中退者があふれることになる。入学者の半分以上が卒業せずに中退していくような底辺校もあるらしい。
 しかも、意欲の問題だけではなく、親にひどい育てられ方をして、帰る場所さえないという子どもも多いという。だが親の方にしても、高校を出ておらず、きちんとした仕事に就くことができないで、ストレスをため込んだりしている。何より子どもの育て方を知らないまま親になったというケースもある。十代で(子どものままで)子どもを産み早々に離婚するなど、潜在的に貧困をかかえているわけだ。子どもも同じように育ち、結果的に貧困が次の世代に継承されることになる。2、30年前に、アメリカで貧困のためにティーンエージャーの親が生産されそれが次世代に継承されているというレポートをテレビで見たとき、なんちゅうひどい国だと思っていたが、今の日本はあの時代のアメリカと同じ状況である。ひどい国になったものだ。
 ともかく本書で紹介されている子ども達の現実があまりにひどく、思わず目を背けたくなるようなありさまが次々に示されてくる。読み進むうちに気が重くなり、同時にあまりにひどい現実にうちひしがれそうになる。
 著者の取材や統計も丁寧ですばらしく、表やグラフを使って現状をわかりやすく示している。この現状を広く訴えたいという心意気が伝わってくるような渾身の作である。また、具体的な問題点や現実的な対策などもはっきりと示されており、非常に建設的でもある。
 現在の民主党政権が訴えている「子ども手当て」と「高校学費無料化」などの政策が実行され、すこしでも現状が解決されんことを願う。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『高校中退(本)』
竹林軒出張所『子どもの未来を救え(ドキュメンタリー)』
# by chikurinken | 2009-11-02 20:54 |

三遊亭円楽の肖像

b0189364_9213210.jpg 25年ほど前にスケッチした三遊亭円楽の肖像。高座に出ているのを見ながらいたずら書きしたもの(裏には小文枝師匠の絵がある)だが、良くできていたので今でも手元に置いている。
 落語を聴き始めた初期の頃(35年ほど前)、円楽の「死神」を聴いて大変感銘を受けた記憶がある。その後この「死神」が(円楽の師匠の)三遊亭円生ゆずりであることがわかったので、もっぱらそれ以降は円生のものしか聴いていないが、ともかく僕の落語の入口になった人である。その後何度か高座をテレビで見ているが、最初のような感動はなくなってきた。こちらの目が肥えてきたこともあるのかも知れないが、やはり、(落語については)この25年前くらいが絶頂ではなかったかと思う。どうも笑点の人になってしまったふしがある。笑点の大喜利はつまらないので一切見ないが、ともかく僕の落語の入口になった人なんである、円楽という人は。

 この肖像も、銅版画を始めた頃に版画にしてみようと思っていたがそのままになっている。三遊亭円楽の訃報を聞いてこのことを思い出し、引っ張り出してきた次第。

 三遊亭円楽師匠のご冥福をお祈りいたします。合掌。
# by chikurinken | 2009-10-31 09:25 | 美術

『僕は人生を巻き戻す』を巻き戻す……アンビリバボー

b0189364_20323647.jpg 昨日、フジテレビの『奇跡体験! アンビリバボー』という番組で、強迫性障害のエド・ザインを扱った番組をやっていた。エド・ザインというのは、先日ここで紹介した『僕は人生を巻き戻す』という本の主人公だ。この本はノンフィクションなんで、むろん実在の人物である。
 この1冊で詳細に扱っていた事例が30分枠でまとめられていたので、予想に違わず通り一遍の話になっており、核心部分には触れられていなかった。もの足りないなんてものじゃないが、初めて見る方には、その事実だけで衝撃的だったかも知れない。そういう意味では、価値があると言えなくもない。『僕は人生を巻き戻す』の本も、わずか1、2秒ではあったが一応紹介されていたことだし(興味のある方は是非読んでください。昨日の番組より面白いと思います)。ただ、エド・ザインやマイケル・ジュナイクなど、さまざまな人々を映像で見られたのは良かった。この番組を見たのもそれが目的だったんだがね。

 僕は小説をあまり読まないんで、カフカの小説なんかも興味はあるんだが読もうという気がしない、なかなか。で、「小説を忠実に映画化した」などというキャッチフレーズが付いた映画があれば、つい食指が動いてしまう。『カフカの「城」』というDVDを見たのもそういういきさつだったんだが、これを見ただけで僕なんかはカフカの『城』を読んだような気になっているんだ。あるドイツ文学者にこの映画の話をしたら、映画を見るくらいだったら原作を読むと言っていた。僕とは発想がまるで逆である。もっともノンフィクションであれば、僕も同じように考えるかも知れない。だから、昨日の『アンビリバボー』を見てそれで感心し納得している人がいても、基本的には僕と変わらないわけだ。だから、たまたま『僕は人生を巻き戻す』を読んでいたからと言って、上から目線でしゃべってはならないのだ、本当はね。
 でも、あえて言います。あれは、ポイントだけを取り上げたもので、その間のつながりが描かれていない。そこが一番重要だと思うんだがそこがなかったのだ。つまり、あくまでダイジェストに過ぎないということ。だから、原作を読んだら良いと思いますよ。あ、カフカも原作で読んだ方が良いですか……うーん、考えておきます。
# by chikurinken | 2009-10-30 20:34 | 放送

ダム建設中止問題の実在に関する考察

b0189364_10233882.jpg カヌー業(椎名誠が命名したと思う)をやっている野田知佑の『日本の川を旅する』という著書を読んだのは、25年くらい前、まだ学生のときだった。淡々とした記述の中に、日本の環境が行政の手によってひどく破壊されていくさまが描かれ、それについて(声高ではないが)一撃を喰わせるのが痛快ではあったが、同時にあまりのひどい現実に打ちのめされそうになった。そういう意味でもまさに名著である。
 この本では、必要なダムなどすでになくなっているにもかかわらず、国政により、無駄な労力と金がつぎ込まれて無駄なダムがあいかわらず作られ続けていることがことが示されている。推進している当事者も地元の人間もダムが不要なことを知っていながら誰も止めようとせず、いたずらに環境だけが破壊されていく現実が、読者に突きつけられる。世界中の川をカヌーで旅してきた著者にとっては、日本の川は、景観的に美しく、他の国の川と違ったユニークさがあって面白いらしい。それにもかかわらず、ほとんどの川が不要なダムでズタズタにされてきたことを、著者は淡々と語る。語り口もすばらしいが、その現実をまったく知らなかった当時の僕は、目からウロコが落ちるような感覚で、大変な衝撃を受けた。
 その後、僕自身もあちこちでダムを目にするたびに、野田氏の言っていたことは本当だなとあらためて感じていた。そして、それが普通の感覚だと思っていたので、日本人の(ほぼ全体に渡る)総意として「新規ダム建設中止」という概念があると思っていた。だから、田中康夫が脱ダム宣言を政策として推進したときも、今回のハツ場ダム建設中止についても、ダムで利益を得る人を除けば、諸手を挙げて歓迎されるものだとばかり思っていた(現実はそうなのかも知れないが)。
 ところが、テレビでは、建設中止の反対派側に立った言動がやけに目立つ。放送業界はこれが反体制の報道だとでも思っているのだろうか。各県知事を含め反対派は、要するに利益を失うことに意義を唱えているわけで、結局は補償を求めているに過ぎない。最終的には国が補償して終わるんだろうが、テレビの報道でそういう議論に持って行こうとしないのがどうにも腑に落ちない。
 ダムが不要なのは明らかだ。そもそもハツ場ダムなんて建造目的自体がころころ変わっている。ってことは、そもそもが必要のないものなのだ。雇用創出とか建築利権とかそういった都合で始めたに過ぎない。しかも多大な税金を投じているわけだ。今の状況では、どう考えてもやめるのが当然である。地元住民だって、本音では喜んでいる人が多いんじゃないか(テレビには一切出てこないが……危ないからね)。
 今やっている(大臣と知事との)折衝なんてのは形式的なもので、補償金をどれだけ増やすか減らすかの駆け引きに過ぎないんだから、ダム建設を中止すると困るなどという地元住民のインタビューなんか放送してもしようがない。本当のところ、ダム建設を中止したところでいっこうに困らないはずだ。あてにしてた仕事がなくなるのが困るとか、今まで住民をミスリードしてきたことがばれるのが困るとかいうことなんだ、本音は。だから、最終的にはかれらの顔を立てて、ある程度補償すれば済むことである。報道でその辺のことをすっぱ抜いてやれよと思う。こんな建前の儀式の後追いするより、核心を突くような報道したらどうだいと言ってやりたいものだ。政治が変わりつつあるんだから、放送業界もいいかげん変わるべきではないか。

参考:
竹林軒出張所『ダムはいらない! 新・日本の川を旅する(本)』
竹林軒出張所『世界の川を旅する(本)』
竹林軒出張所『風に吹かれてカヌー旅(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『非常識な建築業界 「どや建築」という病(本)』
# by chikurinken | 2009-10-29 10:27 | 社会

『戦場から女優へ』(本)

b0189364_1858221.jpg戦場から女優へ
サヘル・ローズ著
文藝春秋

 以前、お笑い番組の『あらびき団』に滝川クリサヘルという女性が出て、滝川クリステルの物まねをしながら自らの悲惨な生い立ちを語るという芸(!)をやっていた。
 イランで生まれ、幼い頃イラクの空爆で家族全員を亡くして、その後縁があって育ての母と来日したという話を、例の斜め45度のカメラ目線で語りながら「このあと日本で壮絶ないじめを経験しますが、続きはまた来週のこの時間で」などと言いながら終わったのだった。内容がリアルで、とても笑えない話だ。その続きが気になるんでその後も『あらびき団』を見ていたが、滝川クリサヘルは二度と出てくることはなかった。出るのは、妙ちくりんな芸人ばかり。
 その後、滝川クリサヘルが、テレビでサヘル・ローズという名前で出ているのを何度か見かけたが「その後のいじめ」について多くが語られることはなかった。
 で、今回のこの本である。「その後のいじめ」のことも極貧生活のことも、それからもちろん生い立ちについてもすべてあますところなく書かれている。
 これだけの経験をして生きてきた人が今の日本にどれだけいるかというくらい、さまざまな不幸な経験をしている。日本も戦後すぐの時期は、こういう人々が多かったのかも知れない。こうして考えてみると、戦争がどれほど市民レベルで不幸をもたらすかがわかろうというもの。
 彼女の場合、肉親の喪失、(父親代わりの男による)虐待、学校でのいじめ、貧困(ホームレスまで経験している)など、今の日本で経験できる不幸をことごとく経験しているかのようである。
 今は、女優の仕事もこなしながら、育ての母(この人もすごい人なんだが)と一緒に、前向きに目標に向かって生きているようだ。彼女の前向きで謙虚な考え方、ものの見方は、生きる上での教訓にもなり、人生の指針として読むこともできる。これだけの不幸を積んできたんだから、今後は幸せを掴んでほしいと切に願う。まあ、まったくの他人ではあるが。
★★★☆

参考:
NHK『旅のチカラ「失われた故郷の記憶を求めて〜サヘル・ローズ イラン〜」』
竹林軒出張所『アフガニスタンの少女、日本に生きる(本)』
# by chikurinken | 2009-10-27 18:59 |

『強いられる死 自殺者三万人超の実相』(本)

b0189364_1013699.jpg強いられる死 自殺者三万人超の実相
斎藤貴男著
角川学芸出版

 年間の自殺者数が3万人を超えて久しい。政府自民党の構造改革路線により、弱者に対し過酷な生活が強いられるようになってから、自ら死を選ぶ人が増えたのだ。
 本書では、パワハラや過重労働、多重債務、いじめなどで自死した人々の足跡を追い、彼らが自死を選ぶまでの過程を追っている。であるから、内容は非常に重い(自分の周囲に不安材料がある人が読んだら、立ち直れないかも知れない。書く方も重かったという記述が最後にあった)。
 こういった事象(事件、事故)が、間違った社会システムによって誘発されていることを解き明かし、追い込まれてる人々が救済されるようなシステムを早急に作り出すべきだと解く。至極ごもっともだが、読んでいるうちに、救いのない(ように見える)現実に押しつぶされそうな気がして、絶望的な気分になった。これが日本の現実なのか!
 (自己チュー人間のせいで)追い込まれる人間が少なくとも自分の周辺で出てこないよう(万一そういうことがあれば早期に発見できるよう)自己防衛するしかないなと思った。

★★★
# by chikurinken | 2009-10-26 10:16 |

『カナダ いじめ撲滅プロジェクトの1年』(ドキュメンタリー)

カナダ いじめ撲滅プロジェクトの1年
(2002年・カナダ The National Film Board of Canada)
NHK-BS1

b0189364_20192390.jpg カナダのミドルトンにあるアナポリスイースト小学校におけるいじめ撲滅の取り組みを1年に渡って追ったドキュメンタリー。
 アナポリスイースト小学校は、教職員生徒を合わせると800人を超すマンモス校で、顕在化したいじめに対抗するため、教師、地域をあげて、これに対処するプログラムを取り入れた。怒りをコントロールする方法を子どもに教えたり、荒れる子どもを一時的に隔離して話をしたりするなどの取り組みにより、いじめを年々減らすことができた。とは言え、やはり子供間の暴力は依然として存在する上(減少を続けていたが撮影の年に増加に転じた)、地域とも摩擦が生じたりするなど、問題が100%解決したわけではない。それでも、学校と地域が本気で取り組むことによって、こうした問題のコントロールにある程度成功している。
 いじめに対する処方箋がここにある……とは言えないが、いじめに対する一つの取り組みがここに示されている。ここから何を学習するかは、見る側の意識次第ということになるだろう。
 このドキュメンタリーでは、学校の日常がカメラで淡々と追いかけられるためこういう問題を身近なものとして感じることができるが、ドキュメンタリーとしては少しインパクトに欠けるきらいもある。
★★★

参考:
竹林軒出張所『いじめを語ろう 〜カナダ ある学校の試み〜(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『いじめの果てに(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『追いつめられて 〜アメリカ いじめの実態〜(ドキュメンタリー)』
# by chikurinken | 2009-10-25 20:22 | ドキュメンタリー

胴上げは……ヨイ

b0189364_18275678.jpg 引き際っていうのは大事だね……胴上げを見ながら思ったよ。両チームの選手達が最後に胴上げしてくれるなんて、これ以上ない終わり方ではないか。
 岩隈は、第2戦の汚名をそそぐことはできなかったが、まだまだ現役生活は続くので、この口惜しさを糧にすれば、いずれこれをはらす日がくるだろう。
 このシリーズについて言えば、初戦の9回裏の攻撃がすべてだった。あんな大逆転劇は、どのチームでも1年に1回あるかないかで、それがいきなりってんだから、あちらにツキがあったんだろう。実力があったことは言うまでもないが、なにしろ、楽天球団はゴタゴタが多すぎた。土壇場でこんなにゴタゴタしてるようでは、ちょっとね……。というわけで、野村監督の引退とともに、僕のプロ野球観戦は無期限休止ということになりました。今後、なんか面白いネタが出てきたら、また見始めるかも知れない。Jリーグのヴェルディみたいに、傲慢な企業が経営から手を引くとかになれば面白くなるかな〜などとも思う。
 まあ、野球ばかり見てると時間ばかりやけに無駄遣いするんで、長い目で見れば助かるんだが。
(写真はnikkansports.comより勝手に拝借)

# by chikurinken | 2009-10-24 18:31 | 社会

ホームページ更新しました

 ホームページを模様替えして、更新しました。おかげで今日は濃密な一日を送ることができました。
 お時間がある方はお立ち寄りくださいませ。

 竹林軒ネット
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# by chikurinken | 2009-10-23 20:08 | 日常雑記

『太宰治物語』(ドラマ)

b0189364_19565632.jpg太宰治物語(2005年・ドリマックス・テレビジョン、TBS)
監督:平野俊一
脚本:田中晶子
出演:豊川悦司、寺島しのぶ、菅野美穂、池内博之、伊藤歩、橋爪功

 『冬の花火』と同じTBSが、『冬の花火』から25年後に同じ題材で作ったドラマなんで、当然両者を比較することになるが、正直言って比較の対象にならない。同じ題材であってもこうもつまらないと、やはり要は見せ方ということになるんだろう。
 太宰の扱い方ひとつ取っても、単に「女たらし」、「女の敵」というレベルの解釈ではまったくもって新鮮味もなければリアリティもない。『冬の花火』では、太宰は「誰かに頼らなければ生きていけない弱い人間」という解釈で、新鮮味もリアリティもある上、ドラマの展開とも整合性がとれていた。そういう点でも優れたドラマだったと言える。
 また、セットなども嘘臭くて安っぽくまったくリアリティがない。キャスティングも問題外、演技も光るところはまったくない。
 ドラマ単体としても展開がダラダラとしており、最初の10分で飽きが来た。この企画は実質的にはリメイクの類だったんだろうが、こういうリメイクだったらやらない方がいいんじゃないかと思う。残念ながら昨今のドラマのリメイクはこんなレベルなんだが。
★★☆

参考:
竹林軒出張所『富嶽百景・走れメロス 他八篇(本)』
竹林軒出張所『冬の花火 わたしの太宰治 (1)〜(13)(ドラマ)』
竹林軒出張所『青空文庫の「ヴィヨンの妻」を読む』
竹林軒出張所『女性操縦法 “グッドバイ”より(映画)』
竹林軒出張所『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ(映画)』
竹林軒出張所『漱石悶々(ドラマ)』
# by chikurinken | 2009-10-22 19:58 | ドラマ

オバカ記念日

b0189364_17355532.jpg ちょっとガックリ来ることがあって、ふぬけ状態になっている。
 要は、シェアウェアのソフトを買ったんだが、いろいろ手違いがあって、結局30ドル損をしたということ。
 いろいろな手違いの過程でこちらが必要以上にパニックに陥ってせっかちになったため、余計な支払いをしてしまったのだ。100%自分のせいで、もはや取り返しがつかないので、あきらめるしかない。ま、一時的に傷つけられたプライドは元に戻ったことだし、これで納得すべきなんだが、なかなか切り替えができない。
 もうっ、オレのバカバカッ!
 本当は俵万智のことなんか書こうと思っていたんだが元気がないのでまた今度。
 そうそう、ちなみに昨日書いた「原発があぶないのというドキュがあり……」云々の短歌 (?) の本歌は、俵万智の
  愛人でいいのと歌う歌手がいて言ってくれるじゃないのと思う
  (『サラダ記念日』より)
です。
 俵万智……良いね。歌に奥深さがあって、若い女性の内面がパァーッと広がって見えてくる。
 まだ僕が学生のとき、当時話題になっていた『サラダ記念日』を初めて本屋で手にして衝撃を受け、すぐにレジに持って行ったことがあります。結局2冊買って、ある人の誕生日に1冊プレゼントしました。そのとき、裏表紙に
  この本が良いねと君が言ったから九月○日は『サラダ記念日』記念日
と書いて渡しました。その人はケラケラと笑ってくれました……今となっては良い想い出です。
 あ、ちなみにこの短歌 (?) の本歌は、俵万智の
  「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
  (『サラダ記念日』より)
 です。
 考えてみると、やってることが今と変わらないではないか……。成長のあとが見られませんな。いつまでも成長できないと、また30ドル損することになるぞ……と自分を叱咤して、と。
 などといろいろ書いているうちに、結局、俵万智のことも書いちゃった。書いているうちに元気が出たせいか。よし、切り替え、切り替え。

  クレームを入れて結局損をして 10月21日はオバカ記念日……お粗末。

参考:
竹林軒出張所『短歌をよむ(本)』
竹林軒出張所『たんぽぽの日々(本)』
竹林軒出張所『生まれてバンザイ(本)』
竹林軒出張所『ちいさな言葉(本)』

# by chikurinken | 2009-10-21 17:51 | 日常雑記

『原発解体』(ドキュメンタリー)

原発解体 〜世界の現場は警告する〜
(09年・NHK)
NHK総合 NHKスペシャル
b0189364_23111740.jpg
  原発があぶないのというドキュがあり やってくれるじゃないのと思う

 自民の壁が崩壊したためか、はたまた放送内容に横やりをいれるダメダメ閣僚がいないためかは知らないが、まさかまさかのNHK。これだけ原発の問題性をはっきりと示した放送は今までなかったんじゃないだろうか。たしかにBSのドキュメンタリーで海外の番組を流すことはあったが、自社製作で、しかも原発解体の現場を押さえるとは、やってくれるじゃないのという感じである。

 現在世界中で、老朽化して使えなくなった原発が増え続けており、しかも今後も確実に増え続ける。ところが、放射能のために解体すらままならず、その上処分方法がいまだに見つかっていないと来ている。解体で出てくる廃棄物だけではなく、強い放射性を持つ使用済み核燃料もそれ以上に増えているのに、処分のめども立っていない。

 こういう現状でありながら、原発がCO2を減らす(あげくに環境に良い)などと平然と言ってのける人々がいる。そのせいもあり、原発建設が世界中で加速するという恐ろしい状況になっている。こういう現状に歯止めをかけるには、市民の側が「そんな詭弁にまどわされませんよ」というメッセージを発することが重要である。
 そういうわけだから、公共放送(しかも地上波)でこういう番組をやるというのは大変画期的なことなのである。しかも、問題をうやむやにするんではなく、はっきりと「危険な状況なんだ」というメッセージを発するってんだから、今までのことを考えるとまったくもってアンビリーバボーである。NHKひさびさのクリーンヒット!
★★★★

参考:『原発解体』に対する日本原子力技術協会による反論(2009年10月16日)
# by chikurinken | 2009-10-20 23:14 | ドキュメンタリー

『僕は人生を巻き戻す』(本)

b0189364_18403175.jpg僕は人生を巻き戻す
テリー・マーフィー著
仁木めぐみ訳
文藝春秋

 母の死をきっかけに深刻な強迫性障害に苦しむことになったエド・ザインが、社会復帰を遂げるまでを描いた半生記。
 エドは、強迫性障害により、時間を巻き戻すための儀式を1日に何時間もやらなければ生きていけなくなる。あげくに地下室に引きこもり、ほとんど人と接触しない生活になる。そこに現れたのが敏腕精神科医のマイケル・ジュナイク。マイケルがエドを強迫性障害の地獄から引き出したその過程を描く迫真のドラマ……ということになれば安っぽいハリウッド映画みたいだが、これはノンフィクションである。ことはそう簡単に行かない。そのあたりの過程は複雑で、人間の精神の奥深さを実感してしまう。とはいうものの、わりにドラマチックな場面が多く、本当にそのまま映画にできるような面白さもある。善良なアメリカ人も多数出てきてエドを助けるんだが、これがフィクションだとヲイヲイと言いたくなるほどである。それくらいドラマとして良くできている。
 著者は、強迫性障害の子を持つTVプロデューサーで、その関係でマイケルやエドを知ったようだ。かれらの内面を描きながら、その劇的な推移を丹念に描き出している。先ほども言ったように多少ドラマチックに過ぎるような傾向があるが、そのためもあり楽しく読むことができる。
 「時間を巻き戻す」ための儀式で苦しんでいた著者が、社会生活できるようになって、停滞していた自分の「人生を巻き戻す」。このすべてを見事に表現しきったタイトルもすばらしい。読み終わってから、ああ良いタイトル……としみじみ感じた。翻訳文も読みやすい文章で、立て板に水のように読み進めることができる。

★★★☆
# by chikurinken | 2009-10-19 18:44 |

CDを買うのにさんざん躊躇していたがいよいよ買っちゃったという話

b0189364_21402820.jpg CDを4枚買うと30%引きなどというセールがあって、今回4枚も買ってしまったんだがね。むろん、衝動買いなどではなく、ずっと前から「欲しいもの」リストに入っていたものをこの機会に買ったということだ。だからそれ自体はまあ良いんだが、でも4枚ということになると「どうしても欲しいもの」ばかりを集められないわけで、中には「欲しいものかどうかの境界」リストに入っているようなものも入れなければならなくなる。
 で、今回がそういう状況で、その境界に入っていたCDが『人間みな兄弟』
なわけさ。『人間みな兄弟』については、2006年2月にブログで書いたことがあり、ということはかれこれ3年半「欲しいもの」リストに入っていたことになる。厳密に言えば、「欲しいものかどうかの境界」リストなんだがね。前にも書いたように、「人間みな兄弟」のオリジナルバージョンは確かにとても良い。買っても損はないくらいなんだが、オリジナルバージョンはすでにうちにあるんだね、これが。だから今回は、別バージョンが必要かどうかという判断になる。これはneowing Amazon で試聴ができるんでこれまで何度か聴いているんだが、確かに面白いことは面白い。しかし、買うほどの価値があるんだろうか……というのはいつも頭の中にある。だから3年半に渡って躊躇していたわけだ。
 だが、今回この境界CDを買っちゃったんだ。「買っちゃった」というからには、満足度が低いということなんだが、やはり、買うだけの価値があったんだろうかと買った今でも思っているのだ。面白いには面白いんだ、何遍も言うけど。でも何回も聴かないよな。なんせ約20曲、アレンジが違うだけで同じメロディが続くんだから。5曲くらい聴いたらもういいやって気分になる。「"人間みな兄弟"の主題による変奏曲」だと思えば聴けなくもないが、まあでも聴かないだろう。この手のCDは、何人かで共同購入してまわし聴きするのに限るんだ。そういう意味でもレンタルにぴったしなんだが、どこの店にも置いていない。3年半近く手を付けなかったのは、レンタル店に入荷するのを期待していたということもあるのだ。ま、ともかく買っちゃったんだから、元を取るため、変奏曲だと思って何回も聴くことにする……やっぱり聴かないかな……
# by chikurinken | 2009-10-17 21:43 | 音楽

テレビの音声をiTunesに登録して聴く方法(備忘録・のようなもの)

 先日見た『冬の花火』、主題曲がなかなか味があって良い。
 序奏に続いて、オーケストラをバックに笛の音(たぶんオカリナだと思う)がテーマを奏でる。その後、佐々木壮明という方の津軽三味線が入ってきて、オカリナと共演した後、ストリングスに移行する。続いて、オカリナのテーマ演奏とストリングス、最後に津軽三味線が入って余韻を残して終了。ドラマ同様、味わい深い。
 だが、このテーマ曲がCD化されているという情報はなく、であるならば、昔のようにエアチェックするしかない。つまりテレビから録音して聴くしかないのである。既成のものが手に入らなければ自分でなんとかする。これジョーシキ。
 というわけで、今回、テレビ放送されたものから音だけ抜き出して、iTunesに入れるという作業を行った。これまで何度かやっていたが、毎回手順をすっかり忘れている自分がいるわけで、いつもいつも手探りになってしまう。そういうこともあって、今回備忘録としてこの場で記録しておこうと思う。誰かの参考になるかも知れないし。

テレビの音声をiTunesに登録して聴く方法(MacOS X 10.6環境)

必要なハードウェア
 DVD-RWに録画できるビデオデッキ。
 スーパードライブが付いているmac
 または
 DVD-RWを読み込めるDVDドライブ(macに接続)。

必要なソフトウェア
 Handbrake
 MPEG Streamclip
 (すべてフリーソフト)

ステップ1
 ビデオデッキで録画します。デッキのハードディスクにいったん録画して、取り出す箇所の前後にチャプターを設定しておくと作業が楽になります(ハードディスク搭載のビデオデッキの場合)。これをDVD-RWにコピーします。DVD-Rでもかまいませんが、ここでは経済性を重視してDVD-RWを使います。

ステップ2
 録画したDVD-RWを、スーパードライブ(またはmacに接続したDVDドライブ)に入れます。

ステップ3
 Handbrakeを起動します。起動時にファイル選択画面が出るので、今入れたDVDを選択します。上にある「Source:」という項目で、「Title」や「Chapter」などを選択します。ステップ1でチャプターを設定していれば「Chapter」で必要な箇所だけ選択できます。「Output Setings」の「Format」で「MP4 file」を選択します。また必要であれば、中央部の「Audio & Subtitles」タブでコーデックなどを選択します。その他、出力ファイルのファイル名、ロケーションなども確認しておきます(ここではデフォルトの「DVD_VIDEO_RECORDER.m4v」というファイル名を使用)。設定ができたら、一番上の「Start」ボタンをクリックします。
 これで、所定の箇所がMP4形式のビデオファイルで書き出されます(変換時、一番下にプログレスバーが表示される)。終了したらダイアログが表示されます。
 Handbrakeの使い方がわからない方は、Handbrakeのドキュメントファイルなどを参照してください。

ステップ4
 DVD_VIDEO_RECORDER.m4vという名前(名前はステップ3で指定したものに準じる)のファイルが所定のロケーションに作成されます。
 次にMPEG Streamclipを起動し、表示される中央のウィンドウに、このファイル(DVD_VIDEO_RECORDER.m4v)をドラッグアンドドロップします。この操作により、ウィンドウにビデオ画面が現れ、試聴可能な状態になります。
 ここで「File」メニューから「Export Audio」を選択します。このとき、フォーマットやサンプリングレートを選択するよう求めるダイアログが表示されます。「Format」リストから「MP4 AAC」を選択します。後はお好みに合わせて選択してください。「OK」ボタンをクリックし、ファイル名(ここでは「test」とする)を指定すると、AACへの変換が始まります。

ステップ5
 変換が終わると、指定したロケーションにtest.m4aが作成されます。あとは(適当な場所に配置してから)iTunesにドラッグするだけです。
b0189364_1172490.jpg

できあがりの図。TVドラマ部門がなかなか充実してきました。
(クリックで拡大します)

# by chikurinken | 2009-10-16 11:09 | パソコン