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竹林軒出張所

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先月のCD

 先月買ったCDはコレ。
 岡林信康『金色のライオン』

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 ここ1年くらい、岡林信康のアルバムが大量に復刻された。限定版も多く、「今のうちに買っとかないともう手に入らないかも知れない」ということで少しずつ買い足していった。これもその中の1枚。
 その中には、何年も前から僕自身中古市場で探していたCD(数万円の値段が付いていた)もあり、素直に復刻を喜んだ次第。だが、何にしろ「品切れ」→「絶版」になるサイクルがあまりにも早すぎる。音楽がすべて消耗品であるかのような扱いである。
 岡林信康も山崎ハコも同時代で聴いていたわけではなく(名前は知ってたが)、ここ10年くらいの間に聴くようになったものだ。ある種「古典」みたいな感覚で聴き始めたんであって、実際質が高いものも少なくない。音楽産業がこのような「古典」的作品をじっくりと長い目で売り続けることは、売る側の責務だと思うが……。かれらに音楽産業を支える者としての矜持はないのだろうか。
 で、今回の『金色のライオン』だが、身辺エッセイのような「26ばんめの秋」、岡林節炸裂の「ホビット」が特に良かった。松本隆がプロデュースしたものだそうで、岡林が力を抜いて自分の世界を自在に展開していく感じが伝わってくる。なかなかの快作。

 「ホビット」については、以下のページで詳細に解説しています。興味のある方はどうぞ。
 「自分自身をもパロるファンキー岡林」
# by chikurinken | 2009-06-13 09:52 | 音楽

野田明宏先生のファンの皆様へ

野田明宏先生のブログにリンクを張らせていただきました竹林軒でございます。はじめまして。
野田先生には格別のご紹介をしていただき、感謝感激でございます。
野田先生とは、某ギャラリー喫茶で知り合い、懇意にさせていただいています。普段は「のださん」と呼ばせていただいている関係です。
のださんの著書は、最近のものを除きほとんど買って読んでおり(最近の数冊はのださんよりいただきました)、特に『アルツハイマーのお袋との800日』はいたく感動し、自身のかつてのブログでも紹介させていただいています。
ここに再掲させていただきます。皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。


2005年2月4日投稿

b0189364_1053418.jpg中年オトコの介護奮闘記 アルツハイマーのお袋との800日
野田明宏著
時事通信社

ウェブで連載されている日記をもとにして刊行された本。
もともと日記であるだけに、内容は赤裸々で重いが、同時に(当事者には申し訳ないが)かなり笑える。まさに泣き笑いの日々だ。
母がアルツハイマー病を病み、人格を変化させていく。「オレ」は、それに狼狽し、とまどい、つらく当たってしまう自分に自己嫌悪しながらも、以前にもまして母に対する愛情を募らせていく。
かつては「凛とし」気丈だった母(そのため著者とも何度も衝突があったらしい)が、著者の娘であるかのような姿に変貌していく。その関係性が変貌していく過程が、ときにユーモラスに描かれていく。また、著者自身が自分の人生を犠牲にされているのではないかと思い悩む姿も率直で心に響く。そこには「アンビバレントな」日常がある。
今後、アルツハイマー病の患者は確実に増加していく。老いた肉親を持つ人々は、この本で、来るべき修羅場を疑似体験することもできる。そういう意味で、若者、老人を問わず、すべての人にとって必読の書と言える。
ちなみに、気丈な母の姿は、前著『男が、病院で介護するということ』に登場する。あらためてアルツハイマー病の怖さを見せつけられる。
# by chikurinken | 2009-06-12 18:39 | 日常雑記

今月のCD

 景気が悪いんで今はCDも月に1枚買うか買わないかだが、今月買ったCDはコレ。
 山崎ハコ『茜』

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 ジャケットがなかなかよろしい。今回初CD化だそうで、山崎ハコ、24歳のときの作。24歳でこれだからスゴイ。
 昨日YouTubeでハコの若い頃(といっても30歳近くだが)の映像を見たが、初々しく少女みたいで可愛いという印象。こんな「女の子」が「望郷」(YouTube映像)(18歳時)とか「白い花」(YouTube映像)(19歳時)とか「呪い」(21歳時)とか作ったのかと思うとビックリ仰天だ。
 こんな感じ↓
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# by chikurinken | 2009-06-11 08:46 | 音楽

「会えない時でも」ではないですが

山崎ハコの「気分を変えて」。


香坂みゆきバージョンの「気分をかえて」。香坂みゆきがこの歌を歌ってたという事実は初めて知った。

# by chikurinken | 2009-06-09 19:56 | 音楽

唐突ですが

山崎ハコの「会えない時でも」が好きです。気分が沈んだ時に聴くと「じんわり」感じます。

会えない時でも
(アルバム『歌いたいの』に収録)

歌:山崎ハコ
作詞・作曲:山崎ハコ

君に会えた時でも 会えなかった時でも
やっぱり好きなんだなぁって ほんわか感じたい

b0189364_18352849.jpgいろんなことを話したいよ
弱さがあふれてきそうだけど
会いに行きたい
何も言わなくてもいいんだ
ただ手をつないで心で話すのさ
ことばよりも 伝わるから

いろんなことをわかりたいよ
君になることはできないけど
感じていたい
人の痛みを想像して
気持ちを思う大きさが欲しくて
さりげなくね がんばるから

優しく強く豊かになり
けして孤独を感じさせないよう
さりげなくね がんばるから

君に会えた時でも 会えなかった時でも
やっぱり好きなんだなぁって ほんわか感じたい

君に会えた時でも 会えなかった時でも
やっぱり好きなんだなぁって じんわり感じたい
じんわり感じたい

(聴き取りで入力したので一部間違っているかも知れません)
# by chikurinken | 2009-06-09 18:35 | 音楽

読後感

 『喋々喃々』についていろいろ書いたが、何度も言うけど決して批判ではない。
 そもそも恋愛小説自体がああいうものなのではないかと思いはじめている。つまりご都合主義的な部分が入るのは致し方ないのではということ。
 この本を読み終わってから半日ほど経つが、なかなか読後感が良い。栞という主人公に愛着が湧いている。懐かしさも少しある。ということで、あれはあれで立派なのだと思うことにした。読後感よければすべてよしだ。
 ちょっと前に読んだ『昭和史 1926-1945』の場合は、取り返しのつかないことになったという絶望感みたいなものが次の日も続いた。この本は、太平洋戦争に突入し敗戦に至るまでの話だが、実際に立ち会った同時代の人も同じような感情を抱いたのではないかと思う。僕がこの本を読んだ時点では過去の話なので、まあどうってことはないのだが、それだけの感情を呼び覚ますというのもなかなか大した本である。
 古いイタリア映画の『自転車泥棒』を初めて見たとき、その後しばらくの間「自転車どうしよう」とふと考えてしまうことがあって、あらためてすごい映画だなと関心したものである。後に何らかの情動を残す作品は、ジャンルを問わずすばらしい。第一級である。小説を読んだり映画を見たりするのは、こういうものを求めているからかも知れない。ま、あまり小説は読まないけどさ。
# by chikurinken | 2009-06-08 17:49 |

『喋々喃々』(本)

b0189364_1152431.jpg喋々喃々
小川糸著
ポプラ社

 恋愛小説です。
 主人公は栞(しおり)という30前後(だと思う、要確認)の女性で、しかも相当な美人のようです。小さな中古着物屋さんを経営しています。その店にたまたまやって来た木ノ下春一郎という既婚の男と恋仲になって、楽しくやって、別れを決意するという話。メインのストーリーはこれだけですが、これが383ページに渡って展開されます。
 とにかく、ストーリーとあまり関係ない場面で、どこそこの店でどういう料理が出ておいしかったとか、どういう料理を作ったとか、あるいはどこに行ったとか、どんな服が素敵だとか、そういった、雑誌「Hanako」に出てくるような情報が、頻繁に出てくるわけです。しかも微に入り細をうがち紹介される。まさに「紹介」です。そういえば主人公の妹は「花子」という名前です。巻末を見ると、「asta*」という雑誌の連載小説だったということで、はあなるほどねという感じはあります。
 相手の男も、優しくて気が利いて、なんだかとても魅力的なんだそうですが、性格がよく伝わってこず、作り物みたいです。こんな人間いるんかいなと思ってしまうほどです。主人公の方も、優しくて美しくておだやかで有能で、着物の着こなしがうまくてと、これまた言うことなし。いや、いいんですけどね。でも、著者にも愛読者にも「本当にこういう小説で満足なのですか」と問いたい気がします。
 最初に恋心を相手に明かす場面や、最初に2人で泊まる場面、別れの場面は、情景が細かく描かれていて、なかなかスリリングなのですが、その他は、日記みたいにだらだらと展開されます。ブログみたいです。端的に言って、これはフィクションの日記だと思います。
 全体に、若い女性が理想とするものを盛り込みましたという感じがひしひしと伝わってきます。ハーレクインかコバルトかっちゅう感じですかね。
 小説については好みの問題が大きいので、あまり批判しようとは思いません。で、今まで書いてきたことも決して批判や悪口ではないつもりなのですが、ただ「みなさん、本当にこういうので良いのですか」という気分は今でも続いています。

★★★
# by chikurinken | 2009-06-08 11:54 |

『ツチヤ教授の哲学講義』(本)

b0189364_1232314.jpgツチヤ教授の哲学講義
土屋賢二著
岩波書店

 いつも面白い変わったエッセイを書く哲学者、土屋賢二氏による、お茶の水女子大教養部での講義録で、いつもの軽妙なエッセイとは違う(そういうエッセンスはあるけれども)哲学講義である。
 哲学についてわかりやすく説明することは哲学の基本だと(ツチヤセンセ同様)僕も思っているので、その点で非常に共感でき、また中身も難しい内容を非常にわかりやすく説明していて好感が持てる。談話(講義を含め)をそのまま本にすることは、著者や出版社の怠慢だと思っていた(ただしインタビュー本は別)が、この本は語ることの利点を最大限に利用していると言える。先日紹介した『昭和史』も同様。
 ただし、(著者の専門であると思われる)ウィトゲンシュタイン周辺のくだりは共感できない。僕個人として、すべての哲学的問題を言語に還元するということが適切だとはどうしても思えず、その点では共感できなかった。だが、これは説明されている内容に対しての感想であり、「説明内容を読者に届ける媒体」としての本の価値が低下するわけではなく、したがってこれによって本書の価値が損なわれるものではまったくない。それに、僕自身ウィトゲンシュタイン自体よく知らなかったんで、その辺の入口を設けてもらったという点でも評価に値する。大学教養部の授業としては理にかなっている。
 哲学に関心がある人には、恰好の入門書だと思う。

★★★☆
# by chikurinken | 2009-06-07 12:04 |

審判が支配するサッカー

審判がサッカーの試合を支配する方法

●ゴールが決まってもオフサイドにしてしまう。
●ファウルの基準にダブルスタンダードを採用する(同じプレーでも、一方のチームの選手をファウルにして、もう一方のチームの選手をファウルにしない)。
● 一方のチームに対し、カード(イエロー、レッド)を出しまくる。
●一方のチームの危険なプレーを見ないことにする(プロレスのレフェリーを思いだそう)。

b0189364_9581628.jpg 本日未明のワールドカップ最終予選、ウズベキスタン対日本の試合、見ていてイヤーな気分になった。
 本当のところはわからないよ、そりゃこっちはテレビで見てんだから。でも、少なくともフィールドの選手と監督は、相当実感していたようだ。日本チームがボールを取りに行ったらファウルにされるし、ウズベキスタンチームがラフプレーをしてもなかったことになる(ような気がした)。あれじゃあ、サッカーの試合が成り立たない。ロスタイムも10分くらいとられるかと思ったよ(実際には4分)。
 審判にどういう事情があったか知らないが、通常の「アウェーの洗礼」などというレベルではなかった。
 僕はNHKで見ていたからよくわからないが、TV朝日のサッカー解説者(というか応援団長)の松木安太郎は、放送中「エーッ」とか「なんですかこの審判は!」とか連呼していたのではないかと容易に想像が付く。日本代表が勝ってワールドカップ出場を決めたが、後味が非常に悪かった。
 サッカーはレフェリー次第ということをあらためて実感した試合であった。
(写真は元新日本プロレスのレフェリー、ミスター高橋)
# by chikurinken | 2009-06-07 09:53 | 日常雑記

蔵書票

b0189364_1623117.jpg 本を買わなくなって久しい。
 以前は、本が崇高であるみたいな信仰があって、手に取ってみてちょっと面白そうだったら買うという馬鹿げたことを繰り返していた。つまり衝動買いである。おかげで、家につまらない本が大量に集まってきた。このとき気付きましたね。ほとんどの本はつまらないということに。控え目に見積もっても本屋にある本の90%はゴミである。残りの本のうち5%は特定の人にとって役に立つ本、さらに残りの5%が多くの人にとって役に立つもしくは面白い本である。
 そういう私が久しぶりに本を買った。『蔵書票の美』(樋田直人著、小学館文庫)という本で、これは、「特定の人にとって役に立つ5%の本」に入る。実は以前借りてとばし読みしており、その上で買ったのだから、これを買って損をすることはないのだ、自分としては。
 そもそも蔵書票とは何か。ほとんどの人にとって、おそらく一生、目にも耳にもすることはないものであろう。蔵書票というのは、自分の蔵書であることを示すために本の見返し(表紙裏)に貼る紙で、自分の蔵書であることを示す文言が入ったものである。蔵書印と同様のものと考えると良い。昔、本が貴重であった頃にヨーロッパで広まり、やがて、文字だけでなく絵も入れられるようになった。木版画や銅版画、印刷術などを利用して多数製作されており、デューラーほどの有名人も作っているんで、存在自体はメジャーだったんだろう。今でも熱心な蒐集家がいて、「紙の宝石」などと呼ぶ人もいるらしい。
 というようなことが、『蔵書票の美』に書かれている。だから興味のない人にはまったく役に立たない情報なのである。ではあるが、蔵書票について広範に渡り記述されているので、参考書としては非常に有用である。
 「なぜに参考書?」と思われた方もあるかも知れないが、先日私も蔵書票を作ってみたというわけです、銅版画で(図参照)。一部伏せさせていただいていますが、その部分の直前にある「ExLibris」という言葉がラテン語で「〜の蔵書」を意味する言葉だそうで、「ExLibris 名前」のように入れるのが一般的な決まりのようだ。いずれにしてもチョ〜マニアの世界であることには変わりない。
 こうしてアップロードしたものを見ると、銅版画もなかなか味わい深いなと、文字通り自画自賛している私であった。できあがったものは文庫本に貼ってみたが、文庫本みたいに表紙がぺらぺらだとなんともこころもとない。やはり蔵書票は豪華本に限る。
# by chikurinken | 2009-06-05 16:28 | 美術

『昭和史 1926-1945』(本)

b0189364_15274625.jpg昭和史 1926-1945
半藤一利著
平凡社

 1926年から1945年の敗戦までを通史的に(文字通り)語った本。
 歴史というとどうしても大局的(マクロ的)な見方になりがちである。本当は人間対人間の局所的(ミクロ的)な営みの集まりの筈なのに……。
 マクロ的な見方をするから、アジアから米英を駆逐するなどという壮大な発想が生まれてくる。本当のところは、自分が生きるか死ぬかというレベルでしかないのに。
 何百年も前の出来事であれば、マクロ的な見方をしてもかまわないだろうが、直近の歴史ということになると、自分を含めて、家族や友人などの命がかかわるのであるから、ミクロ的な発想でものごとにあたらなければならない。歴史解釈もしかりである。近代史は、極力ミクロ的な見方で語っていただきたい。
 著者はまさにミクロ的な見方で近代史を語っており、本書を通して時代の空気を感じることができる。時代の高揚感や閉塞感さえ伝わってくるようだ。愚かしい人々がいかに市民をミスリードしていったか、市民の側もそれに乗っかって大騒ぎしたかがよくわかる。要するに、作者の言う「アホーな戦争をした」ということだ。
 本書も講義録が元になっているので、非常に読みやすく、エンタテイメントとしても面白い。好著である。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『昭和史 戦後篇(本)』
竹林軒出張所『幕末史(本)』
竹林軒出張所『コミック昭和史 第1巻、第3巻、第4巻(本)』
竹林軒出張所『コミック昭和史 第2巻(本)』
竹林軒出張所『コミック昭和史 第5巻、第6巻、第7巻、第8巻(本)』
# by chikurinken | 2009-06-04 08:13

『やんごとなき読者』(本)

b0189364_16211823.jpgやんごとなき読者
アラン ベネット著、市川恵里訳
白水社

小説はほとんど読まない(年に数冊程度)。何かめんどくさくてね。毎日新聞の書評でこの本が紹介されていて、てっきりノンフィクションかと思って図書館で借りたのだが、実は小説だったというわけ。
「エリザベス女王が読書に目覚めたらどうなるか」というイフもので、まわりの人間のドタバタをコミカルに描いている。中編でなかなか読みやすい。翻訳も良い(正直あまり印象がない、したがって良い翻訳)。
映像が目に浮かぶようでどこか映画的だと思ったら、作者は脚本家出身なんだそうだ。なるほどね。
そのうち映画化されるかも。

★★★
# by chikurinken | 2009-06-03 12:11 |

ぜんぶフィデルのせい

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こんな絵を描いてみました。
鉛筆で描いたものをPCに取り込んで、ペイントソフトで着色いたしました。色鉛筆タッチがミソです。
だからどうしたと言われればそれまでですが……。
# by chikurinken | 2009-06-02 19:29 | 美術

『モンパルナスの灯』(映画)

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モンパルナスの灯(1958年・仏)
監督:ジャック・ベッケル
原作:ミシェル・ジョルジュ・ミシェル
脚本:ジャック・ベッケル
出演:ジェラール・フィリップ、アヌーク・エーメ、リノ・ヴァンチュラ、リリー・パルマー

20年くらい前に一度見たんで、今回で2回目。最近、フランスの画家モディリアニの嫁さんのジャンヌ・エビュテルヌについて調べていた関係で、この映画を見ることになった。そうそう、ちなみにこの映画、モディリアニの伝記映画。
モディリアニは、20世紀初頭の画家で、36歳で早世する。若妻のジャンヌも、モディリアニの死の直後に飛び降り自殺する。このことも相まってモディリアニが伝説化され、絵の評価が高まったのではないかという説もある。
ともかくも、そういう劇的なドラマであるため、映像作家の食指が動くのもいたしかたないところ。ただしこの映画では、ジャンヌの死は描かれていない。
映画は、メロドラマ風ではなく、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』みたいな、一種の不幸・不遇ものと考えられる。50年代のハリウッド伝記映画風の単純化が全編通して見られるのが、浅い印象につながっているのかなと思う。ただ、ドラマとして見ればそこそこ面白く、キャストも豪華であるため、見てガッカリするようなことはないと思う。
今回見たのは、アヌーク・エーメ演じるジャンヌが目的だったのだが、(写真で見る)ジャンヌに似ているなという印象で、非常に美しい。アヌーク・エーメといったら『8 1/2』の「暗い妻」の印象が強かったので、初々しい若妻役が意外だった(前見たときもジャンヌを演じていたのがアヌーク・エーメだとは気付かなかった)。ただちょっと年が行きすぎているような……。娘(18〜21歳の役)というより熟女に近いよ。

★★★
# by chikurinken | 2009-06-02 10:11 | 映画

『幕末史』(本)

b0189364_17535988.jpg幕末史
半藤一利著
新潮社

今話題になっている本で、少し前にヒットした『昭和史』の続編にあたる。
『昭和史』が、どこぞでやった講演をまとめた一種の講義録であったのに続き、こちらの『幕末史』も同様である。したがって非常に読みやすい。
一般的な日本の近代史が薩長史観に支配されているため、官軍(薩長)側の一方的な歴史観から離れて、幕府側からの歴史観で幕末をひもとこうという試みだそうだ。「別の見方からものを見る」などと言われると、ぼくのひねくれ者の血が騒いでしまい、相当期待したんだが、通常の歴史観からそんなに大きく外れているわけではなかった。
内容はといえば、幕末史を通史で物語るというようなもので、学校の先生の話を聞いているような感じだ。読みやすくしかも面白くまとめられているんで、どんどん読み進めることができる。ある種、教科書的な本と言える。
変わった歴史観を期待する向きには不向きだが、普通に幕末史を勉強したい、楽しみたいという目的で読めば、随分楽しめるんではないかと思う。

そうそう、今『昭和史』読んでます。こちらは知らない事実が多く、現代史がいかに軽視されているか(また自分がいかに不勉強か)を実感中。
★★★

参考:
竹林軒出張所『昭和史 1926-1945(本)』
竹林軒出張所『昭和史 戦後篇(本)』
# by chikurinken | 2009-06-01 10:14 |