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竹林軒出張所

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山崎ハコ『十八番』(CD)

b0189364_8223760.jpg山崎ハコ『十八番』
1. アカシアの雨がやむとき
2. 今夜は踊ろう
3. みんな夢の中
4. 上を向いて歩こう
5. 再会
6. 東京ブギウギ
7. 圭子の夢は夜ひらく
8. さらば恋人
9. 本牧メルヘン
10. 時の過ぎゆくままに

 昨日からの流れで、山崎ハコのカバーCD『十八番』について何か書こうと思ったが、よくよく考えると、ほとんど昨日言い尽くしていて、あまり追加することがないということにあらためて気が付いた。そういうわけで、今日書くのは昨日の補足ということになる。
 このアルバムの中で特に良かったのは、昨日も書いたように「1. アカシアの雨がやむとき」、「3. みんな夢の中」、「5. 再会」の3曲である。
 「9. 本牧メルヘン」も山崎ハコにピッタリの歌(「ヨコハマ」なんかと同じ系統)でよくハマっている。元歌をまったく知らないので、僕としては、山崎ハコのオリジナルみたいな感じで聴いている。
 「7. 圭子の夢は夜ひらく」も「女の情念」歌で、まさに十八番(おはこ)である。
 曲調から意外な感じがしたのは、「8. さらば恋人」と「10. 時の過ぎゆくままに」で、聴く前はハコの世界とかけ離れているかと思っていたが、どちらも良い味が出ている。「さらば恋人」は曲の魅力を最大限に引き出していると感じるほどである。
 「2. 今夜は踊ろう」は、映画『愛の新世界』の挿入曲としても使われている。僕は荒木一郎はまったく好きではないが、ハコが歌うこの曲はポップな感じがあって悪くない。この映画を見た時点では山崎ハコのことをあまり知らなかったんだが、この曲については非常に印象が強かった(映画の印象も強烈でした)。
 このように、全体的に水準が非常に高く、そんじょそこいらのカバー・アルバムとは次元が違うと感じる。山崎ハコの実力が十分に発揮されており、彼女の魅力を十分に堪能できる快作で、どの曲もオリジナル水準である。

参考:
竹林軒出張所『新版「ざんげの値打ちもない」』
# by chikurinken | 2009-09-27 23:20 | 音楽

新版「ざんげの値打ちもない」

b0189364_20462625.jpgざんげの値打ちもない

歌:山崎ハコ
作詞:阿久悠
作曲:村井邦彦

あれは二月の寒い夜
やっと十四になった頃
窓にちらちら雪が降り
部屋はひえびえ暗かった
愛と云うのじゃないけれど
私は抱かれてみたかった

あれは五月の雨の夜
今日で十五という時に
安い指輪を贈られて
花を一輪かざられて
愛と云うのじゃないけれど
私は捧げてみたかった

あれは八月暑い夜
すねて十九を越えた頃
細いナイフを光らせて
にくい男を待っていた
愛と云うのじゃないけれど
私は捨てられつらかった

あれは何月、風の夜
とうに二十も過ぎた頃
鉄の格子の空を見て
月の姿がさみしくて
愛と云うのじゃないけれど
私は誰かがほしかった


そうしてこうして暗い夜
年も忘れた今日のこと
街にゆらゆら灯りつき
みんな祈りをする時に
ざんげの値打ちもないけれど
私は話してみたかった

 「ざんげの値打ちもない」と言えば、70年代の北原ミレイのヒット曲であるが、北原ミレイ版では4番までしかない。というか他の歌手のカバーでも5番まで歌われることはめったにない(僕は知らない)。上に示した4番(「あれは何月……」の青の部分)がその「幻」の部分に当たるんだが、内容が暗いせいか、通常はカットされて歌われる。作詞の阿久悠の意向があったのかどうかは知らないが、阿久悠亡き今、阿久悠のトリビュートCD(『歌鬼 阿久悠TRIBUTE』)に、この「幻の4番」版が収録されている。歌っているのはなんと山崎ハコ! 山崎ハコの「ざんげの値打ちもない」というのも何だかあまりにハマりすぎていて、聴く前からどういう感じか想像できるほどで、実際に聴いてみると、やはりというか、想像通り、ズバリとハマっていた。
 山崎ハコは、他人の歌のカバーが非常にうまい人で、かつて『十八番』(「おはこ」と読む)というCDで披露した「アカシアの雨がやむとき」、「みんな夢の中」、「再会」などはオリジナルをしのぐのではないかというほどのデキであった(「アカシアの雨がやむとき」もハマりすぎですね)。それに比べると、この「ざんげ」はやや落ちるかなという印象もある。聴く前から期待が大きかったせいもあるだろうが。
 北原ミレイと山崎ハコと言えば、山崎ハコが「白い花」を北原ミレイに提供しているという縁もあり、やはり両者が表現する世界には共通項があるのだろう。二人とも女の情念を歌った「どんよりした」歌が多いように思う。
 『十八番』について言えば、第37回日本レコード大賞のアルバム企画賞を受賞しているほどで、世間的にも高く評価されたようだ。『十八番』については、また別の項で書こうと思っているくらい気に入っているアルバムで、明日元気があれば、これについてもう少しなんか書くかも知れない。乞うご期待! ……いや、あまり期待しないでくださいませ。

参考:
竹林軒出張所『山崎ハコ「十八番」(CD)』
# by chikurinken | 2009-09-26 20:49 | 音楽

『ニセモノ師たち』(本)

b0189364_19293054.jpgニニセモノ師たち
中島誠之助著
講談社

 『なんでも鑑定団』の名物鑑定士、中島誠之助による骨董業界の内幕もの。ニセモノにまつわる数々の逸話が登場する。
 自身がだまされた話、だます側の片棒をかつぐことになった話などいろいろ。骨董の目利きでさえ、わざとニセモノをこしらえたり、あるいはニセモノと知っていながら、本物に混ぜて売ったりするらしい。ただし著者は、人をだますよりはだまされる方がよいという考えの持ち主で、ニセモノについても基本的に厳しい態度を取っている。しかし一方で、ニセモノが出てくるから骨董品の価値が上がるという考えを持っており、ニセモノがあるから面白い、インチキをする人間がいるから世の中が面白くなるという信条を持っている。
 全体的にまったく知らなかった世界の話ばかりで非常に興味深かった。また、著者の修業時代の話なども随時挟まれており、長老から聴く奥深い話のようで、大変面白かった。「良い仕事」でした。

★★★☆
# by chikurinken | 2009-09-25 19:32 |

「思い通り」についての考察

 嫌なことがたてつづけに出てきて、「思い通りに行く」ということについて考えを巡らせた。


b0189364_181904.jpg 思い通りに行けば機嫌は良いが
 思い通りに行かなければ不愉快だ

 思い通りになる人が良い人で
 思い通りにならない人は虫が好かない

 思い通りになることはすなわち自分の得である
 思い通りにならないことは自分にとって損なことだ
 しかしその損や得は実はささいなものにすぎない
 ささいな損得のために大きな損を招くこともある

 思い通りにしようとすると壁にぶつかる
 思い通りにしようとすると人とぶつかる

 ならばいっそ思い通りをとっぱらってはどうか
 それができなければせめて思い通りの許容範囲を大きく広げてはどうだろう


 こうして僕はふて寝することにした。

(写真は本文と関係ありません)
# by chikurinken | 2009-09-24 18:20 | 日常雑記

コーヒーフレッシュは多くを語る

b0189364_9381822.jpg ちょっと見栄えの良いカフェなどが近所にできると、気になって、何かの拍子に入ったりしてしまうことがある。
 こちらとしては、カフェという看板をかけているからには、お店側が提唱する「わたしたちの望むコーヒー」をぜひ、1人の客に過ぎない僕にドーンと出してほしい、「これでどうだ」というくらいのコーヒーを出してもらって「おみそれしました」というくらいの気持ちにさせてほしい……とこう願っているんだが、そもそも「カフェ」などという店にそんなものを望むことが間違いなのか、大体の場合、ガッカリさせられることが多い。いつも出入りしている喫茶店では「これでどうだ」というようなコーヒーが出されるんだが、これに慣れているせいか、どの店でもそういうものを期待してしまう。だが、そんな店は、今どき絶滅危惧種に入るような貴重な存在である。見栄えばかりで中身のない店や、看板だけでまがいものばかりの商品がはびこっているのが現実である。
 何に腹が立つかというと、あのコーヒーフレッシュとかいうものが平然とコーヒーに添えられて出てくることだ。「これを……この食品とは思えない油を……このミルクに似せたまがいものを……コーヒーに入れて飲めとあなたは主張するのですね……」と心の中で呟いてしまう。「こんなもんでエエやろ」という意識がストレートにこちらに伝わってくる。そんな店で出されるものが良いものであるわけがないのであって、コーヒーだって豆のダシジルみたいなものに決まっている。そうすると店の調度の下品さや店員の品性のなさまで目についてきて、こんなとこ入らなきゃ良かったということになる。後悔だらけで、その日1日、暗い気持ちで過ごさなければならなくなる。
 昨日つきあいで行ったこじゃれたレストランもそうで、食べ物もありきたりで大してうまくもなく、たぶん冷凍食品を使ってんじゃないかというような代物だ。で、その後に出てきた食後のコーヒーに、例によってコーヒーフレッシュと砂糖スティックがついていて、あーやっぱりと思った次第。見栄えはちょっとおしゃれで、街の中にこんな空間があったのかと思わせるようなトコロだったが、中身がこれじゃーね。もう二度と行くことはあるまい。不味いコーヒーが後を引いたので、その後、行きつけの喫茶店でコーヒーを飲んで口直ししたとさ。おしまい。
# by chikurinken | 2009-09-22 09:42 | 日常雑記

『潮風の町』(本)

b0189364_18445951.jpg潮風の町
松下竜一著
講談社文庫

 松下竜一の「素朴な生活」を綴ったエッセイ集。いや、掌編私小説集。僕はエッセイのつもりで読んでいたが、著者は小説のつもりで書いているようだ。だが、ジャンル分けなどはどうでも良い。「ザ・私小説」とでも名付けたくなるような名品揃いの短編集である。
 豆腐屋を辞めて(自称)小説家になった自分の周辺を書き綴った18編で、素朴で貧しく、(著者を含めて)生きることに不器用な人々が多数出てくる。それぞれの短編ごとに扱っている内容が違うが、どれをとっても昭和の貧しさが迫ってくる。僕の記憶の中でも、昭和という時代(特に30〜40年代)は貧しく厳しい時代だった。そして、この本に登場するような、社会に押しつぶされそうであえいでいるような人々がまわりにたくさんいたように思う。「携帯もパソコンもTVもなかったのに、どうしてあんなに楽しかったのだろう。」などというような脳天気なものではなかったと思う(「レトロにもほどがある -- ALWAYS 三丁目の夕日(映画)」を参照)。
 そんな厳しい時代であるにもかかわらず、著者の目線には、子どもに対する愛情や妻を思う心情、周りに対する優しい眼差しがある。そして、それがこちらに伝わってくる。本書で突きつけられる内容は決して甘い現実ではないが、著者の優しい視線に救われる思いがする。
 扱われている内容はどれもさりげない日常ではあるが、劇的な要素も多く、読み物としての面白さも備えている。18編すべてがよくできているわけではないが、総じて水準は非常に高い。まさに「珠玉」という言葉がよく似合う短編集である。文庫版の永島慎二の挿絵も味があってすばらしい。
 ちなみに、最初に収録されている「潮風の町」と最後の「絵本」は中学の教科書に採用されたらしい。「潮風の町」も「絵本」も、どうしようもなく哀しい物語である。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『暗闇の思想を(本)』
竹林軒出張所『明神の小さな海岸にて(本)』
竹林軒出張所『ルイズ 父にもらいし名は(本)』
竹林軒出張所『あぶらげと恋文(本)』
竹林軒出張所『五分の虫、一寸の魂(本)』
竹林軒出張所『小さなさかな屋奮戦記(本)』
竹林軒出張所『仕掛けてびっくり 反核パビリオン繁盛記(本)』
竹林軒出張所『ケンとカンともうひとり(本)』
# by chikurinken | 2009-09-21 18:46 |

天然の美

b0189364_106390.jpg 先日、『天然の美』というCDを図書館で借りた。塩田美奈子というオペラ歌手が出したCDだが、「天然の美」といえば、デモンストレーターというか……ま、いわゆるチンドン屋さんだが、よく演奏するあの定番曲で、何となく古いイメージがある。クラシカルという意味で古いのではなく、もっと下賤というか通俗的というか、そういった古さで、はっきり言ってしまえば「古臭い」感じである。このCDには「大正ロマンの歌」というサブタイトルが付いていて、要は、大正時代のはやり唄を集めたCDである。
 「大正ロマンの歌」らしく「恋はやさし野辺の花よ」や「ホフマンの舟歌」などの浅草オペラで有名な曲も取り上げられている。第一線のオペラ歌手が浅草オペラの歌を取り上げるというのもはなはだ興味深い。他にも「バイノバイノバイ」や「道頓堀行進曲」のような古臭い歌もある。当初、いくらオペラ歌手といっても、こういうものに手を出すのはいかがなものかと思っていたのだが、聴いてみるとそれなりに味わいがあって良い。エノケンのような下品な歌い方ではなく、どちらかというと、「お母さんといっしょ」の「歌のおねえさん」のような、明るくさわやかな(なおかつ少し大げさな)歌唱である。「ゴンドラの唄」、「宵待草」、「カチューシャの唄」などは、他の日本人声楽家にもたびたび取り上げる歌で、こちらもそつなくこなしている。
b0189364_1073694.jpg この塩田美奈子は、美空ひばりの歌を集めたアルバムも出しており(『川の流れのように〜美空ひばりをうたう』)、「お祭りマンボ」や「愛燦燦」などがきれいな歌唱で聴ける。美空ひばりは、僕にとって、何度トライしてもなかなか良さがわからないタイプだった。だが、この美空ひばり歌集で歌われる、美空ひばりと似ても似つかないさわやかな歌声は結構好きである。同じ歌でも、こうまで違うのかと思うほどで、まったく別の歌のようにも感じられる。ただし、美空ひばりに特別な愛着を持っている人であれば逆の反応を示すかも知れない。
 この歌手、つまり塩田美奈子は、日本語で歌うということを重視しているようで、有名なオペラの歌曲を日本語で歌ったアルバムも出している(『オペラ・アリア集(日本語訳)』)。また、クラシックの名曲に日本語の詞を付けたアルバムもある(『愛を歌う』)。試みが成功しているかどうかはそれぞれで評価が異なるだろうが、なかなか意欲的で好感が持てる。だからと言って、このお方、今どきのビジュアル系クラシックとか奇をてらった企画とかの部類に入るような歌い手ではなく、経歴はなかなかのもので、まったく侮ることはできない。「羊の皮を被った狼」である(ちょっと違うか)。以前紹介した鈴木慶江にしてもそうだが、しっかりした実力を持ちながら、新しい音楽ジャンルに果敢にチャレンジするその精神は「佳きかな」である。
# by chikurinken | 2009-09-20 10:11 | 音楽

三善英史の少年記

b0189364_11323948.jpg少年記

歌:三善英史
作詞:吉田旺
作曲:中村泰士

下駄の鼻緒が切れた時
白いハンカチ 八重歯で裂いて
黙ってすげてくれた人
ああ くれた人
おねえさん おねえさん 初恋屋敷町
そのあと僕は 大人になりました
三月一日 花曇りでした

風邪で早引きした日暮れ
庭の紫陽花 切り花にして
格子にさして行った人
ああ行った人
おねえさん おねえさん 雨傘水たまり
あのあと何故か 逢えなくなりました
六月九日 梅雨さなかでした

上り列車を待つ僕に
春にお嫁に行くわといって
日記をそっとくれた人
ああくれた人
おねえさん おねえさん 初恋白い息
あれから僕は 無口になりました
明けて一月 細雪でした
(聴き取りで入力したので一部間違っているかも知れません)

 僕と同世代の人なら知っていると思うが、70年代に三善英史という歌手がいた(ちなみに今でも芸能活動されています)。数曲そこそこのヒットを飛ばして、歌謡曲の最前線から退いていった。紅白や大河ドラマにも出たくらいなので、まさに最前線にいたんだろうが、ちょっと異色のオネエ系で、大河ドラマにも女装して出ていたような記憶がある。デビュー曲の「雨」がスマッシュヒットして、「ンあめにぃ〜ぬぅれぃなが〜ら〜」という歌は、子ども時代のわれわれもよくモノマネしていたほどなんで、やはり売れたんだろう(この歌は今でもときどきテレビで流れている)。そんなわけで、僕の中では、「一世を風靡」とまでは行かないまでも、売れた歌手という印象が強かったんで、CDなんかも普通に復刻されたりしているんだろうと思っていたんだ。ところが過去の歌を集めた(いわゆるベスト盤)CDは、ここ最近まで数枚しか出ていない。こちらとしては「え〜そんな扱いなの?」という感覚である(僕の知る限り2枚、1枚は西川峰子とのカップリング……どういう組み合わせなんだ)。
 そのうちの1枚、〈COLEZO!〉というシリーズの三善英史ベスト盤は、2005年に出されたもので、三善英史のシングル曲がかなり網羅されており最初(で最後?)の決定版という感じだったが、この中には「少年記」が入っていなかった。僕の中では「三善英史のヒット曲→1.雨、2.少年記、3.円山・花町・母の町……」という図式があったので、なんで「少年記」がないんだろと思っていたのだ。だが調べてみると、「少年記」は過去デジタル化された形跡すらない(つまりCDに収録されたことすらない)。今聴こうと思ったら、古いアナログ・レコードを買うしかないのかという状況で、中古市場も調べていたところだ。ちなみに中古市場には『少年記』のシングル盤がたくさん出回っている。出回っている量が多いところを見るとやはりヒットしたということなんだろうか。
b0189364_11253833.jpg で、先日ついに、「少年記」が収録されたCD(『ゴールデン☆ベスト 三善英史 雨~円山・花町・母の町』)が出された。これでいつでも「少年記」を聴くことができるという状況になった。ただ、このCDで聴きたいのはこの1曲だけなので、買うのはちょっと……ということで、今レンタルの店を探しているところである。
 このCDには、他にも「美少年〜森蘭丸」というなんだか意味深の歌があって、ちょっと気になっている。いかにもオネエ系の歌のような気もするが、まったく聴いたこともないし存在すら知らなかったので何とも言えない。だが多少興味はある(←怖いモノ見たさ)。
 「少年記」は、叙情的な歌詞が印象的で、「下駄の鼻緒をすげかえる」という情景が映画の1シーンのようでもある。最初に聴いた頃(つまり子ども時代)はよく意味がわからなかったが、何かの子ども向けマンガでこういうシーンが出てきて、ああこういうことねと理解できた記憶がある。そのマンガもこの歌詞からドラマを引用していたのかも知れないが、もっと前の映画(またはドラマ)でも同じようなシーンを見た記憶があるような気もするんだな。そうすると、この歌の方が題材をよそから持ってきているというか、パクリというか、そういう要素があるわけだ。だがこの辺の記憶はものすごく曖昧で、本当のところどれが事実かわからない。何が何だかわからない世界である。もっとも、子ども時代というのは、子ども自身にとってある意味「何が何だかわからない世界」なんで、そのあたりは酌量していただきたいところである。

 YouTubeでも聴けるようになっています。
  YouTube『三善英史 少年記』
# by chikurinken | 2009-09-18 11:29 | 音楽

101回記念

b0189364_19541234.jpg えー、皆様。今回で101回目になります。
 過去に1カ月記念とか100回記念とかで何か書こうと思っていたんですが、毎回忘れてしまって、結局何にも書かず……というわけで、今回「101回記念」ということにあいなりました。いつも読んでくださっている方、どうもありがとうございます。ときには不快にさせるような記事もありましょうが、ま、ひとつ大目に見てやっていただきたいと思います。
 こんなに続き、なおかつこんなに頻繁に更新するとは、私自身思いもよらなかったことです。これもひとえに……私がヒマだったせいです。最近少し忙しくなって……とは言っても仕事が忙しいわけではありませんよ……更新が若干滞りがち、しかもネタ切れ傾向もありますが、今しばらくの間、おつきあいくださいませ。あ……やめる気は今のところありませんよ。アクセス数がたとえ0になろうと、おそらくもうしばらくは続けると思います。自分で書いたとは言え、後で自分で読むと結構楽しめるものです……。また、楽しめるようなものを書いていけたらいいな、このように考えているわけです。
 次は9年連続101回を目指してがんばりたい、と思っておるところでございます。
 今後の抱負を述べさせていただくことで、101回記念スピーチとさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。(万雷の拍手)

(写真は本文とは関係ありません)

# by chikurinken | 2009-09-17 19:56 | 日常雑記

続・ユキヒョウを入るる記、または人柱の記

 Snow Leopard(スノレパ:Macの新しいOS)をMacBookにも入れてみた。やはりすでにこれを入れているMacの速さが向上していて、それがあまりに印象的であったため、MacBookにも早く入れてみたいという欲望にあらがえなくなった。
 懸念材料は、仕事で使っているソフトが動かなくなることだったが、こちらはある程度前の「弁当箱」Macで試していたので、あまり不安はなかった。ただ、BiND for Weblife 2(ホームページ作成ソフト)だけは確認していなかったので、この部分だけ若干不安があった。とは言ってもあと10日ほどで新しいバージョンが出るということなので、もし不具合があれば一時的に(10日間だけ)外付けハードディスク(Leopard版)から起動すれば問題あるまい。
 というわけで、直前に外付けハードディスクにデータをすべて待避してから、スノレパをインストールしてみた。
 結論から言うと、BiND for Weblife 2は現時点で問題は見つかっていない。ホームページの更新作業もできた。
 他も特に問題のあるソフトは今のところないようだ。動作速度は、あまり実感できない。起動速度は気持ち速くなったかという程度。終了速度は若干速くなった気がする。それより空きディスク容量が15GB増えたことが収穫。通常であれば5GB程度らしいので、キャッシュなんかが大量に消されたんだろう。それでも大変助かる。
 他にもアップル純正ソフトの使い勝手が向上している点が良い。たとえば「プレビュー」、「イメージキャプチャ」、「QuickTimeプレイヤー」とか、地味だがよく使う(しかもいろいろな用途に使える)便利なソフトなので、問題点が修正されているのは歓迎するところである。
 今までインストールしていたWindowShade、Fruitmenuという機能拡張ファイルは、この機会にやめることにした。どちらもUnsanityというところが出しているシェアウェアで、前回のLeopardのときもそうだったが、対応が非常に遅い。待っててもしようがないのでもう要りませんということで削除! 古いAdobe CSも起動できた。一応は使えるようだ。あらかじめある程度調べていたせいか、今回のアップグレードはあまり混乱がない。全体的に、今回のアップグレードは○ってことで、★★★☆くらい……ですかね。
b0189364_1194294.jpg

(マニアック)ソフト動作検証結果:

BiND for Weblife 2  動作しました。
ID for Weblife  動作しました。
MacMAME 0.103u2  動作しました。
iSquint 1.5  動作しました。
GraphicConverter 5.9.3  動作しました。
ATOK 2009 Ver.22.0.1  動作しました。
Th-MakerX 2.2  動作しました。

将棋Z 4.2  動きがぎこちなくなったが、動作します。
Adobe CS  動作しそうです。
宛名職人V14  動作しそうです(もともといろいろ不具合がありましたが)。
FileMaker Pro 8.5 Advanced  動作しますが、印刷できません……ウーン、致命的!

WindowShade  削除しました。
Fruitmenu  削除しました。

 その他の互換性については「Snow Leopard Compatibility」のページを参照してください。

参考:
『ユキヒョウを入るる記』
『アナログ回帰……だが道半ば……』
# by chikurinken | 2009-09-16 11:18 | パソコン

ここ一番のCD

b0189364_14211160.jpg ソニー・ロリンズの『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』というCDがある。このCDは、ジャズの名盤を紹介した本では必ず紹介されるようなジャズの定番中の定番なのであるが、グルーヴ感っていうんでしょうかね、どんどん前に進むような迫力がすばらしい。余談だが、この「グルーヴ感」という言葉、何となく気恥ずかしい気持ちがする。とくにウに濁点を付けて表記するとその感が強くなる。「ズージャはダンモ(「ジャズはモダン」の意)」と言うような言い方に通じるような気恥ずかしさである。「疾走感」とでも言えば良いだろうか……。とにかく後ろから押されるような推進力が心地良い。特に最初の「Old Devil Moon」から「Softly as in a Morning Sunrise」につながるあたりは最高である。
 ヴィレッジ・ヴァンガードというのは、ニューヨークにあるライブ・ハウスで、このCDはそこでの実況録音である。CDの写真は、ヴィレッジ・ヴァンガードのオーナーの肖像だそうである。喫茶ギャラリー・グロスのオーナーから聞いた話だが、裏は取れていない。
 疾走感があるせいか、仕事が大分進んでもう少しで終わりという状況、つまりラスト・スパートになったときにこれを聞くと、仕事がはかどってフィニッシュまでつなげることができるというわけだ。大変ありがたいCDである。
 ソニー・ロリンズは、聴き始めてからかれこれ20年になるが、こういう良いものもある一方で、あまり感じるところがないようなアルバムももちろんある。ジャズの他のアルバムでもそうだが、良いものは、こういう疾走感があったり迫力があったりして、何の先入観もなく聴いているにもかかわらず、お……と思う瞬間がある。一般的に評価の高いアルバムには得てしてこういうものが多い。
 仕事のラスト・スパートでは、この『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』に続いて、『ソニー・ロリンズ vol.2』『ソニー・ロリンズ vol.1』と聴いていく。アナタエンソウスル、ワタシシゴトハカドルである(なんのこっちゃ)。何度も言うが、大変ありがたいアーティストである。
# by chikurinken | 2009-09-14 19:47 | 音楽

本日はお休み

 一昨日から大忙しで、やっと一段落付きましたが、とにかく今日は疲労困憊。
 というわけで、本日はお休みいたします。
 皆様、お休みなさい。
b0189364_2051426.jpg

# by chikurinken | 2009-09-13 20:51 | 日常雑記

今日の歳時記 「薄い髪」編

 先日髪を切ってもらっているときにふと気が付いたのだが、今年1年で薄毛が大分進行している。
b0189364_972312.jpg 以前、散髪屋さんに訊いたときに「髪1本1本が細くなっているけどそんなに少ないわけではない」と言われたことがあり、ある程度安心していたのだが、今の状況はそんなレベルではないような気がする。
 なかなか自分を客観的に見るのは難しいんだが、最近ふと気が付いた。これは、サッカー解説者、風間八宏氏の状態ではないか。氏のサッカー解説は日本ではピカ一で、見ていて非常に面白く同時に学習することも多いが、それはともかく、テレビで氏を目にするたびに前頭葉の部分が薄くなっているように感じる。あの感じが今の自分に近いようだ。自分のことはよく見えないが、他人のことはよく見えるものだ。ちょっとこれは考えなきゃいかんな……と思う今日この頃である。

 髪が少なくなると、かなり絶望的な気分になる。

   髪薄し わが世の春も終わりたり

 世知辛い世の中も余計に身にしみるというものだ。

   髪薄く 浮き世の寒さがしみわたる

   秋深く 髪なく歯もなく金もなく

   頭寒く懐寒し 今朝の雪

 お粗末でございました。
# by chikurinken | 2009-09-11 09:09 | 歳時記

アナログ回帰……だが道半ば……

 仕事上パソコンをよく使うということもあってデジタルにどっぷり浸かる生活が長く、さすがにこれでは問題と悟って、アナログに回帰することにしたのが数年前である。
 つまり、仕事以外ではあまりパソコンを使わないようにして、いろいろなことを手作業でやろうということである。それで楽器を習ったり、版画を始めたりした。こういったアナログなことをやっていると、デジタルというのはしょせんは仮想の世界で、すべては誰かが用意した土台の上での事象だというのがよくわかる。だから、デジタルなことばかりやっていると、頭が凝り固まってくるというのもそのときの実感であった。
 そういうわけで、しばらくデジタルとは一定の距離を置いていたのだが、最近またパソコンの使用頻度が著しく高くなっている。自分のホームページを手直ししたこともそのきっかけであるが、デジタルとは言え、ホームページを作るとなるとやはりクリエイティブな面も備わっており、自分の中のクリエイティブな部分が刺激されてしまう。そうすると、やはりのめり込んでいく。
 デジタルにのめり込む生活が続くと、何も用事がないのに1日パソコンに向かっていたりすることがある。パソコンを使うこと自体に執着している状態である。たとえば楽しいことがあったらその場所にまた出かけたくなるとか、すてきな人に会ったらまた会いたくなるとか、そういうのと同じレベルである。ちょっとした依存状態だと思う。だからと言って特にやることがあるわけではないので、ゲームに手を出したりする。新しいソフトの修得なんかもしっかりやってはいるが、とにかく、執着が原因で無為に時間を過ごすことが増えることになる。これは最悪に近い事態で、こういう状況は極力避ける必要がある。ここいらで一つアナログに回帰しようと決意している。

 さてここで、その後のSnow Leopard(以下「スノレパ」)である(「ユキヒョウを入るる記」参照)。
 こういうことにかかわっているからいつまでもアナログ回帰できないのだが、まあその後の補足ということで一つお許し願いたい。
b0189364_9401796.jpg スノレパを入れて数日経つが、もっとも印象的なのは速度である。起動にかかる時間も終了にかかる時間も、実感レベルで半分から3分の2程度になっている。また、動作が軽快な感じも実感できる。今スノレパが入っているMac-miniという弁当箱のようなパソコンは、普段使っているMacBook(Leopard入り)より処理速度がかなり遅いはずなのだが、現在Mac-miniの方が軽快で、使い勝手がよい。以前はイライラしていた作業が、ストレスなくこなせるようになっている。この速度を経験してみると、MacBookでの作業でかえってモチャつく感じを受ける。そうしてみると、MacBookの方にも早くスノレパを入れてしまいたいという欲望がふつふつとわき上がってくる。
 だが、やはりというか案の定、仕事で使っているソフトで正常に動作しないものが出てきた。FileMakerというデータベース・ソフトなんだが、現在、納品書の作成とデータ蓄積の目的で使っている。現在の最新バージョンが10.0で、これだと何の問題もないらしい。僕のは8.5という古いバージョンで、印刷ができないという問題があるらしい(確認済み)。8.5の修正版は出ないらしくアップグレードしろというのがメーカーの言い分のようだ。高価なんで今さらアップグレードする気はまったくないが、納品書で印刷機能が使えないというのは致命的である。
 で、このような状況を回避するために、昨日丸1日、あれやこれや試していたのである。Bento(幕の内弁当をイメージしているらしい。世界のコンピュータ産業は弁当指向なのか……)という個人向けデータベース・ソフトやApple Worksにデータを移すことも考え、いろいろ調べたり試したりしていた。結局対応できたのだが、専門的になるのでここでは細かく書かない(要は上位バージョンでランタイムを作成するということ)。そんなわけで、昨日はどっぷりデジタル・ライフを堪能することになったのだった。だが、こうやって問題点を1つずつ消していくというのもなかなか面白い作業ではある。ただし解決できればだがね。
 いずれにしても、近いうちにMacBookにスノレパを入れようと思っている。
 こんなことやってるからなかなかアナログ回帰できないのか……。
# by chikurinken | 2009-09-10 09:45 | パソコン

『ニホンミツバチが日本の農業を救う』(本)

b0189364_9465132.jpgニホンミツバチが日本の農業を救う
久志冨士男著
高文研

 この本も、タイトルは少しピント外れのような気がするが、タイトルに惹かれて読んだわけではないから特に気にならなかった。
 先日読んだ『ハチはなぜ大量死したのか』『銀座ミツバチ物語』でミツバチに関心を持ち、ミツバチの本を探していてたまたまこの本に行き当たった。先の本も、ミツバチの生態などについて細かく書かれていたが、どちらかというと聞いたまたは集めた情報に基づいていたような気がする。本書の内容は、著者のおそるべき観察眼に基づいており、その内容の深さに舌を巻く。ミツバチの気持ちまで推し量っており、著者はミツバチと会話できるとまで言い放っている。だからと言ってアヤシイ人という感じはなく、ただただミツバチに対する愛情が伝わってくるのである。いわば、ミツバチ・マニアによる「ミツバチ大全」とも言うべき本だ。
 著者は長崎県在住の元高校教師の作家だが、ミツバチに大変な愛着を抱き、やがて自らミツバチを飼うことになる(そのあたりのいきさつも書かれている)。先ほども言ったが、著者はミツバチを非常によく観察しており、ミツバチの生態に対する深遠な考察がすばらしく、大変な説得力を持つ。何度も言うが「マニアが、自分の好きなことについて語った内容」というのは、読んでいて(聞いていて)非常に楽しく面白いものである。本書もそういう要素を持つ。
 ミツバチの生態について書かれているのは前半3分の1くらいで、その後はオオスズメバチとの関わり、人間との関わり(養蜂に関する問題)などに話が移る。自然の中の存在としてのミツバチに焦点を当てながら、人間、ミツバチが相互に依存しながら、自然の中で共生する環境が重要であることを強調する。
 最後の3分の1は、ニホンミツバチ復活プロジェクトについてである。人間による自然環境の破壊によって、ニホンミツバチが絶滅してしまった長崎県の五島地方にニホンミツバチを復活させるという活動について述べている。ニホンミツバチを復活させるには、環境の復興が条件であり、同時に環境の復興にもミツバチが大きな役割を果たすことを主張する。このあたり、内容自体は面白いが、記述が前後にぶれ非常に読みづらく、何度も前のページに戻る必要があった。
 しかし全体としては、簡潔な文章が連なり、非常に読みやすい。内容の奥深さも考えると、ミツバチ関連書籍の決定版と言うことができるんじゃないだろうか。

★★★★
# by chikurinken | 2009-09-09 09:50 |