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竹林軒出張所

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『陥没』(ドキュメンタリー)

陥没(2015年・米Lawrence Klein Productions/WGBH)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

ピンポイントに「陥没」を掘り下げる

b0189364_18020257.jpg 世界中で発生する陥没を取り上げたドキュメンタリー。テーマがピンポイントにもほどがあるドキュメンタリーだが、しかし世界中の陥没事故の映像が紹介される他、なぜ陥没が起きるかわかりやすく紹介されていて大変ためになる。『陥没』というタイトルもストレートで良い。
 陥没は、水に溶けやすい石灰岩質の岩盤が長時間に渡って浸食され(そのために地中に空洞ができ)、その上にある地表がある日突然崩壊することで引き起こされる(らしい)。石灰岩質の岩盤は世界中に広がっているため、地下で何が起こっているか知らないまま地上に構造物を建造すると、ある日突然ドン!ということになる。日本でもこの間博多で陥没事故が起こって他人事ではないし、自分の家の周辺でもいつこういったことが起こるかわからないわけで、それを考えるとおちおちドキュメンタリーを見ている場合ではない。しかしよそ事として見ている限りであれば、紹介される映像が非常に衝撃的なこともあり、なかなかにエキサイティングな番組である。もちろん本当であれば他人事ではまったくないのであるが、他人事だと考えながら見るのである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『大地動乱の時代 地震学者は警告する(本)』
竹林軒出張所『MEGAQUAKE II(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ガスランド(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『土の文明史(本)』

by chikurinken | 2017-03-30 07:01 | ドキュメンタリー

『ソビエト連邦のコマーシャル王』(ドキュメンタリー)

ソビエト連邦のコマーシャル王
(2014年・エストニア/フィンランドTraumfabrik)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

広告に政治体制の矛盾が見え隠れする

b0189364_23571884.jpg 旧ソ連に存在していた唯一のCM製作会社、ERF(エストニア広告フィルム)。ソ連のテレビで放送されるCMを一手に引き受け、繁栄を謳歌していた。しかしソ連崩壊とともに事業から撤退。そもそもこの会社、エストニアに存在していたため、バルト三国が旧ソ連と縁を切った時点で、事業が継続できなくなった。ただし彼らが作ったCMフィルムは、アーカイブに収められ今も見ることができる。このドキュメンタリーは、こういったコマーシャル・フィルムを紹介しながら、それを通じ広告からソ連の社会を照射していこうという試みである。
 そもそも、計画経済だったソ連、広告が必要あるのかという疑問が真っ先に生じる。実を言うと広告はまったく必要ないどころか、ソ連は常時商品不足、物資不足が続いていたため、テレビでCMを打ったところで、消費者に商品が手に入るとは限らない。ではなぜCMが存在するかというと、たとえばある国営企業がある商品を作ってはみたが、在庫の山を抱えていて商品を捌けないケース(CMの力でなんとかしてくれということらしい)とか、国営企業が予算を消化できないため予算を消化するためにCMを発注するケース(日本の役所仕事を彷彿させる)とかで、こういう話を聞くと、CMにもソ連型計画経済の矛盾みたいなものが露わになっているのがわかる。
 ただCM自体は、ERFが当時のアメリカやヨーロッパの広告手法を研究していたため、それなりの作品(?)に仕上がっていて、国際映画祭で受賞したCMフィルムもあるほどだ。もちろん今見ると気恥ずかしい演出が多い(これは同時代の日本の広告を見ても感じることだ)のは事実だが、それでも、こういったCMからは共産圏であることがにわかに信じられない。共産圏の臭いがあまりしないのは、広告自体が資本主義的であるせいかわからないが、興味深い映像であることは確かである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『こうしてソ連邦は崩壊した(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『フルシチョフ アメリカを行く(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ベラルーシ自由劇場の闘い(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2017-03-28 06:56 | ドキュメンタリー

『タッチ・ザ・ミュージック』(ドキュメンタリー)

タッチ・ザ・ミュージック 盲目のフルート奏者が“見る”世界
(2016年・スウェーデンDEEP SEA PRODUCTIONS/SVERIGES TELEVISION)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

目以外の器官で視覚を実現する

b0189364_07465118.jpg スウェーデン在住の中国人ウー・ジンは、視力はないが、かつてパラリンピックに出場したこともあるという異色のフルート奏者である。フルートは演奏できるが、目が見えない、つまり指揮者の動きが見えないため、オーケストラでの合奏ができず、オーケストラで演奏することが彼女の悲願である。
 そんな彼女の夢を叶えようと、ジャーナリスト、指揮者、技術者などが協力して一大プロジェクトを敢行。それがロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団とウー・ジンとの共演である。そのために、視覚映像、つまり指揮棒の動きを触覚に変換し、これでウーの視力の代わりを果たさせようとする。当初はあまり実用にならなかったが、さまざまな試みを経て実用レベルに到達。そうしていよいよ本番の日を迎える……という、そういうドキュメンタリーである。
 触覚を利用することで、視覚に限りなく近いイメージを脳の中に作り出せるという話は、脳の可塑性の実例として『脳は奇跡を起こす』でも紹介されていたが、それを地で行くような話で、多くの視覚障害者にとって朗報となるような話である。まだ始まったばかりの研究であるが、この先どのように展開するか目が離せない。
 それにしてもこの主人公のウー・ジンという人、経歴が異色すぎて、その経歴だけで1つの話になってしまいそうである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『脳は奇跡を起こす(本)』

by chikurinken | 2017-03-26 23:46 | ドキュメンタリー

『殷周伝説 太公望伝奇 (1)〜(22)』(本)

b0189364_21041610.jpg殷周伝説 太公望伝奇 (1)(22)
横山光輝著
希望コミックス

伝説的な軍師、太公望の一代記

 横山光輝の遺作。古代中国の王朝、殷が、紂(ちゅう)王の暴政により、周の武王によって倒される過程を描く。原作は、明代に書かれた『封神演義』と『史記』。『封神演義』自体、妖怪とか仙人とか出てくる話である(らしい)ため、このマンガも歴史物語風でありながら、随所にオカルト的な要素が出てくる。『史記』や『三国志』のような話を期待していると少し当てが外れるかも知れない。
 ストーリーは、元々が伝説的な話であるため少々荒唐無稽だったり、後半は戦闘シーンばかりが延々と続き、さながら水島新司の甲子園マンガみたいで少し辟易するが、太公望呂尚が登場するあたりはなかなか見応えがあった。なんせ、長年仙人修行を続けて娑婆に戻ったばかりの呂尚が、嫁さんから仕事をしろなどと迫られて商売を始めたりする(しかも商売はあまりうまく行かない)。もちろんその後、呂尚は周の国で作戦参謀として頭角を現すんだが、その辺の落差は、よくあるエピソードとはいえ、なかなか面白い。
b0189364_21045301.jpg また登場人物がやけに多くなるのも、他の中国文学ものの横山マンガと共通で、まるで『水滸伝』である。おかげで主要登場人物以外ほとんど頭に入ってこなかった。登場人物の描き分けは割合されていたとは思うが、いかんせん、味方も敵も次から次へと登場してくるんで、こちらの頭がついていかない。
 作品のレベルとしては、たとえば途中かなり絵が荒れていたりして(これでも単行本化前にかなり加筆訂正が行われたらしい)、『三国志』『史記』には遠く及ばない。だがこのマンガの完結後、横山氏が事故死したため、結局これが遺作になった。編集者によると、横山氏はこの後『孫子』のマンガ化に意欲を示していたということで、そういう点でも非常に残念である。横山版の『孫子』にも興味があるところだが、ないものはしようがない。少なくとも殷と周の関係や、太公望呂尚などについてかなり知ることができた点、このマンガも十分評価に値する。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『史記 (横山光輝版)(本)』
竹林軒出張所『三国志 (1)〜(30)(本)』
竹林軒出張所『項羽と劉邦 (1)〜(3)(本)』
竹林軒出張所『水滸伝 (1)〜(6)(本)』
竹林軒出張所『平家物語 (上)(中)(下)(本)』
竹林軒出張所『元禄御畳奉行の日記 (上)(下) (横山光輝版)(本)』

by chikurinken | 2017-03-24 07:02 |

『本当はちがうんだ日記』(本)

b0189364_07380204.jpg本当はちがうんだ日記
穂村弘著
集英社

飲み屋での会話…みたいな

 歌人、穂村弘のエッセイ集。といっても僕はこの人のことをまったく知らなかった。今もあまり知らない。
 このエッセイ集は、2003年から2005年にあちこちの雑誌に書いたエッセイをまとめたもので、半分くらいは『小説すばる』に連載したもの。他は『本の雑誌』や『讀賣新聞』など。媒体によって内容も違っており、『小説すばる』に連載したもの(本書の第I部)は、自分がいかにダメな人間か書いたものが多く、癒やし系あるいは脱力系のエッセイということになるか。たとえば、40歳にして独身とか、友だちがいないとか、あだ名で呼ばれたことがないとか書かれているが、ちゃんと勤めて稼いでいるようだし、趣味も多いし、しかも歌人としても有名らしいし、どこがダメ人間だというツッコミはともかく、こういった些細なことへのこだわりというかコンプレックスがこの第I部の味である。
 『本の雑誌』の連載をはじめとする第II部はそういうダメさ加減は身を潜め、特有のこだわりが顔をもたげ、こちらも味わいになっている。ただ、この著者の歌や人物に特別な関心を寄せているのでなければ、あまりどうと言うことのないエッセイで、軽く読めるんで今回読んでみたんだが、正直あまり感じるところがなかったというのが本音の部分である。よほど特異な見方でも披露されないと、こうした飲み屋での会話みたいな内容ではあまり満足できないし、ことさらに時間をかけて読む必要があったのか疑問を感じている。
★★★

参考:
竹林軒出張所『ちいさな言葉(本)』
竹林軒出張所『生まれてバンザイ(本)』
竹林軒出張所『たんぽぽの日々(本)』
竹林軒出張所『日本語ぽこりぽこり(本)』
竹林軒出張所『小説より奇なり(本)』
竹林軒出張所『さわの文具店(本)』
竹林軒出張所『かつをぶしの時代なのだ(本)』
竹林軒出張所『山手線内回りのゲリラ(本)』

by chikurinken | 2017-03-22 07:07 |

『クー・クラックス・クラン 白人至上主義結社KKKの正体』(本)

b0189364_17133161.jpgクー・クラックス・クラン
白人至上主義結社KKKの正体

浜本隆三著
平凡社新書

KKKの出自と現代

 アメリカの秘密結社、クー・クラックス・クランについて書かれた「日本ではじめての新書」。
 クー・クラックス・クラン(KKK)は、アメリカの古いドラマでときどき目にする白装束の一団で、ドラマでは黒人や黒人に理解がある白人を拉致して暴行を加える(場合によっては殺人)集団として描かれ、アメリカ史の暗部を示す素材として取り上げられる。視聴者の方も、概ね恐怖の対象としてKKKを捉える。だがその実態は意外に知られていない。そこでそれを掘り下げて、彼らの真の姿に迫ろうという試み、それがこの本である。
 KKKの活動時期は大きく、南北戦争直後(1860年代)、移民が増加した20世紀初頭(1920年代)、公民権運動が盛んだった時期(1960年代)の3期に分けられる。それぞれの時代に共通しているのが、それまで利益を受けていた多数派だった人々が既得権益が失われることをもっとも恐れた時期だということで、そのはけ口として、KKKのような活動が盛んになったというのが著者の分析である。一方でKKKは、集団として福祉活動を行っていたこともある(第二期)というんだから意外。また1920年代の第二期には、会員数が数百万単位まで増えていたらしいが、その裏にはネズミ講まがいの会員獲得作戦があったという(その後会員数は激減)。こういうことを考えるとKKKは単なるテロリスト集団とも言えない側面もあるが、それはどこの暴力集団でも共通かも知れない。
 今の時代も「それまで利益を受けていた多数派だった人々が既得権益が失われ」つつある時代で、そのためか排外主義や保守主義が世界中に蔓延してきている。そういう意味ではKKKが台頭してきた時代と共通性がある(日本でも差別的な言動が多くなっている)。KKKとアメリカの歴史を振り返ることで、この時代の社会の動きを予想しそれに対処できるようにしたいというのが本書の目的らしいが、そのあたりはうまく達成できていると思う。しかしやはりKKKは遠い世界の話であり、読んでいてあまり熱くなれずむしろ醒めてしまう自分がいる。どことなく学術論文的な記述のようにも感じるが、それも物足りなさに拍車をかけているのか。読みやすくはあるが、さして満足感を感じない本というのが僕の印象であった(あくまでも個人的な感想です)。
★★★

参考:
竹林軒出張所『人種隔離バスへの抵抗(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『グローリー 明日への行進(映画)』
竹林軒出張所『キング牧師とワシントン大行進(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2017-03-20 17:14 |

『FAKE』(映画)

b0189364_2151755.jpgFAKE(2016年・「Fake」製作委員会)
監督:森達也
撮影:森達也、山崎裕
編集:鈴尾啓太
出演:佐村河内守、森達也

バッシングされる側の論理

 ゴーストライター問題で大バッシングを受けた「作曲家」、佐村河内守のその後(バッシング後)を追うドキュメンタリー。
 かつては「現代のベートーヴェン」などと持ち上げられるだけ持ち上げられた佐村河内、その後、当の「ゴーストライター」であった新垣隆が『週刊文春』のインタビューに答え、そのときの『週刊文春』の記事が佐村河内が詐欺師であるかのように告発するものであったため、とたんに佐村河内は世間からペテン師みたいに言われ始めた。マスコミの豹変ぶりは毎度のことながら呆れるばかり。
 佐村河内があの記事のように、本当は耳が聞こえ、音楽作品もほとんどが新垣隆作であるのかは正確にはわからないが、確かなことは佐村河内が世間に徹底的に叩かれたということである。日本の場合、マスコミもネット社会も、弱っている者を見るとここぞとばかり徹底的にいじめ抜く点で共通しているが、真相がどうであるかに関係なく、叩かれた者は「悪者」のレッテルを張られてしまう。そうするとその人のことや事件のことを知らない人間までが「悪者」という目でその人を見ることになって、「悪者」になったものは居場所がまったくなくなる。空恐ろしいもんである。
 そういう「悪者」に対して真実はどうなのか問いかけるのが、この映画の監督、森達也のいつものアプローチで、マスコミで徹底的に叩かれていた佐村河内を取り上げたというのも森達也らしい選択と言える。この人の基本姿勢はどちらの側にも与しない、自分に見えたままを映像化するというもので、そういう点ではドキュメンタリー作品として信頼できるのではないかと思う。少なくともこの作品を見ると、見たなりにいろいろと感じることはある。たとえば、佐村河内側の主張がほとんどマスコミに取り上げられないこと、反論の機会がほとんど与えられないこと、大衆にとって何が真実かはあまり関係ないこと(要するに情緒的な部分で気に入るかどうかが問題)、その結果バッシングの対象となる人間の生活が著しく制限されることなど、映像を見ながら膚で感じることができる。脅迫まがいの嫌がらせをする人間も例によって現れる。こういう点はバッシング問題の共通項であり、真実を知ろうとせず情緒に流されるのが危険である、ということが暗に示されていく。これはこの映画のテーマでもある。
 ちなみに監督の森は、文春の記事を書いた記者と新垣隆にもインタビューを申し入れたらしいが、断られたらしい。彼らのスタンスをこのように描くことで彼らを悪者にしようとしているという見方もありうるだろうが、僕はこの映画を見ているときに彼ら側の言い分も聞きたいと感じていた。結果的に今回のこの騒動で一番得をしたのは彼らであるようにも思えるし、そもそもが最初から一方的に(佐村河内の悪を)断罪するというアプローチを取ってきたわけで、そうすると彼らも(この映画で提示されている彼らに対する)反論に対して自分の口でいろいろと語る、少なくとも正当性を主張するだけの責任はあるんじゃないかと思う。もちろんこの映画を通じてでなくてもかまわないが。だが攻撃の種をまいてそれでおさらばでは、バッシングされた側から見れば納得いかないんじゃないか……などとつらつら考えたのであった。
 いずれにしても、報道のあり方についていろいろ考えさせられるドキュメンタリーであることは間違いない。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『A(映画)』
竹林軒出張所『A2(映画)』
竹林軒出張所『「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔(本)』
竹林軒出張所『アは「愛国」のア(本)』
竹林軒出張所『死刑(本)』
by chikurinken | 2017-03-18 07:04 | 映画

『クロムウェル 英国王への挑戦』(映画)

クロムウェル 英国王への挑戦(2003年・英)
監督:マイク・バーカー
脚本:ジェレミー・メイヒュー
出演:ティム・ロス、ダグレイ・スコット、オリヴィア・ウィリアムズ、ルパート・エヴェレット、ジェームズ・ボラム

歴史の流れがあまり見えてこない歴史映画

b0189364_20245591.jpg 1649年の英国ピューリタン革命を指導し、国王を処刑してその後護国卿の地位に就いたオリバー・クロムウェルとその同志であるトーマス・フェアファクスの関係を中心に、ピューリタン革命を描く歴史映画。
 この映画のハイライトになっているのが国王の処刑とクロムウェル暗殺未遂あたりだが、全体的に焦点がぼやけ気味で、何となく歴史を辿りましたというような大河ドラマ的な作品になっている。なぜクロムウェルが台頭したかとか、議会派と王党派間の戦闘の推移とかも入っていればもう少し面白味も増したのかも知れないが、フェアファクスの家族の葛藤が映画の焦点になっていることもあって、そういう歴史的な流れはあまり見えてこなかった。邦題は「クロムウェル」だが「フェアファクス」とする方が内容的には正しいような気もする(オリジナルタイトルは『To Kill a King』)。当時の風俗が描かれていた部分が魅力と言えば言えるが、映画としては平凡な印象である。
 クロムウェル関連の映画には他にも『クロムウェル』というタイトルの映画があって、本当はこちらの方を見たかったのだが、これはまた別の機会にということになる。
★★★

参考:
竹林軒出張所『わが命つきるとも(映画)』
竹林軒出張所『ブーリン家の姉妹(映画)』
竹林軒出張所『冬のライオン(映画)』
竹林軒出張所『エリザベス(映画)』
by chikurinken | 2017-03-16 07:19 | 映画

『プロミスト・ランド』(映画)

プロミスト・ランド(2012年・米)
監督:ガス・ヴァン・サント
原案:デイヴ・エガーズ
脚本:ジョン・クラシンスキー、マット・デイモン
出演:マット・デイモン、ジョン・クラシンスキー、フランシス・マクドーマンド、ローズマリー・デウィット、ハル・ホルブルック

『ガスランド』を劇化したような映画

b0189364_20581734.jpg シェール・ガス開発会社で、地権者から掘削権を得る仕事をしている遣り手のビジネスマンが、やがて自分の仕事に疑問を感じるというストーリーの映画。
 以前放送されたドキュメンタリー、『ガスランド』を地で行くようなストーリーで、『ガスランド』で紹介されたような事例(水道水に火が付く、水を飲んだ家畜が謎の死を遂げるなど)が、登場人物によって語られる。内容は、シェール・ガスに対して非常にネガティブなもので、環境保護運動の一環として作られた映画かと錯覚するほど。そうは言うもののハリウッド映画であるため、映画として完成度が高いのは言うまでもなく、ドラマとしてもよくできている。ただし字幕のせいかも知れないが、終わりの方の種明かしがなんだかよくわからず、最後は非常にモヤモヤした。そこまでストーリー展開がうまく進行していたため、かえすがえすも残念である。
 主演のマット・デイモンと助演のジョン・クラシンスキーが製作、脚本を行った映画であるため、基本的には彼らが主導で作った映画と見なすことができる。彼らの演技はもちろん一級だが、それだけにとどまらず、こういった類の映画を製作できるという点を考えあわせると、彼ら演技者とハリウッドの懐の深さは計り知れないと言わざるを得ない。大したもんである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ガスランド(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『岐路に立つタールサンド(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『シェールガス開発がもたらすもの(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『脱原発。天然ガス発電へ(本)』
竹林軒出張所『プライベート・ライアン(映画)』
by chikurinken | 2017-03-14 06:57 | 映画

『ロンゲスト・ヤード』(映画)

ロンゲスト・ヤード(1975年・米)
監督:ロバート・アルドリッチ
原案:アルバート・S・ラディ
脚本:トレイシー・キーナン・ウィン
出演:バート・レイノルズ、エディ・アルバート、マイケル・コンラッド、ジム・ハンプトン、エド・ローター

後半は試合を楽しんでください

b0189364_854763.jpg アメリカンフットボールの元花形プロ選手が、とある罪状で刑務所に入れられ、そこで囚人チームを編成して看守チームと闘うことになるという、かなり荒唐無稽なストーリーの映画。
 2時間の映画で後半はほとんどフットボールの試合になる。友情とか正義とか、いろいろな要素は盛り込んでいるが所詮は作り話という、どこかハリウッド的な映画である。アメリカンフットボールが好きならば試合のシーンは結構楽しめるが、時代が70年代ということで現在のフットボールに慣れた目からはコスチュームに多少違和感がある。それでも試合のシーンは、いろいろな(ギリギリの)プレーを非常にうまく再現しているためリアリティがある。どこかの大学のチームが協力して撮影しているのだろうなどと考えるが、それでも質が高いので驚く。スポーツ好きにはそれなりに楽しめる映画にはなっているが、ストーリーのリアリティは皆無で、しかもストーリーが予定調和的なのはいかにもハリウッド映画といった感じである。
★★★

参考:
竹林軒出張所『天国から来たチャンピオン(映画)』
by chikurinken | 2017-03-12 08:06 | 映画