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竹林軒出張所

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『スーサイド・ショップ』(映画)

スーサイド・ショップ(2012年・仏ベルギー加)
監督:パトリス・ルコント
原作:ジャン・トゥーレ
脚本:パトリス・ルコント
出演:(アニメーション)ベルナール・アラヌ、イザベル・スパッド

b0189364_23434399.jpgルコントらしさはまったくない

 スーサイド・ショップ、つまり自殺用品専門店を舞台にしたストーリーの映画。グロテスクな絵のアニメーションで、監督はあのパトリス・ルコント。
 全体的に(特に前半)雰囲気も画面も非常に暗く、途中で見るのがイヤになる。内容が内容(自殺を推奨するようなもの)なんで致し方ないとも言えるが、こういう雰囲気はあまり好きではない。救いがない話ではないんだが、特に目を引くようなものもなければルコントらしさもまったくない。強いて言うなら(主人公の)ショップの主人の名前が「ミシマ」で、客にやたら切腹を勧めていたことが面白いと言えるが、何しろ何もかも暗くて辟易する。こういうおどろおどろしい映画が好きな人であればもっと楽しめるかも知れない。
 一部で「ブラックユーモア」という言われ方もしているようだが「ユーモア」の要素はほとんどない……と思う。
★★☆

参考:
竹林軒出張所『仕立て屋の恋とフェリックスとローラ(映画)』
竹林軒出張所『フェリックスとローラ』(映画)』
竹林軒出張所『髪結いの亭主(映画)』
竹林軒出張所『親密すぎるうちあけ話(映画)』
竹林軒出張所『橋の上の娘(映画)』
竹林軒出張所『ぼくの大切なともだち(映画)』
竹林軒出張所『イヴォンヌの香り(映画)』
by chikurinken | 2016-10-31 06:42 | 映画

『ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』(映画)

ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い(2009年・伊西)
監督:カルロス・サウラ
脚本:カルロス・サウラ、ラファエロ・ウボルディ、アレッサンドロ・ヴァリーニ
出演:ロレンツォ・バルドゥッチ、リノ・グアンチャーレ、エミリア・ヴェルジネッリ、トビアス・モレッティ、エンニオ・ファンタスティキーニ

b0189364_7335546.jpg半生を紹介するだけで
大した波風も立たない


 モーツァルトのオペラ、『フィガロの結婚』と『ドン・ジョヴァンニ』の台本を書いたロレンツォ・ダ・ポンテの半生を描く映画。
 不徳の罪(映画では説明不足でなんだかよくわからなかったが)でヴェネツィアを追われたダ・ポンテが、ウィーンに赴き、そこでサリエリやモーツァルトと出会うというようなストーリー。ヴェネツィア以外のシーンでは、大した事件も起こらず、波風もさして立たずで、著しく面白味に欠ける。非常に説明的なストーリーで退屈した。そう言えば邦題まで説明的だ。
 ダ・ポンテの生涯を紹介するドキュメンタリーみたいなレベルの話で、ダ・ポンテやモーツァルト、あるいは当時の風俗に興味があれば多少は楽しめるかも知れないが、たとえそういうものに興味があってもたかだか知れているという程度の映画である。そもそもダ・ポンテに映画として取り上げるだけの魅力や業績があるのかも疑問で、カルロス・サウラがどういう動機でこの映画を作ろうとしたのか、またどういう映画にしたかったのかも理解に苦しむところ。あるいはダ・ポンテに対してのっぴきならない関心があったのかも知れないが。
★★★

参考:
竹林軒出張所『モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテの生涯(本)』
竹林軒出張所『モーツァルト 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」(DVD)』
by chikurinken | 2016-10-29 07:37 | 映画

『女子ーズ』(映画)

女子ーズ(2014年・「女子ーズ」製作委員会)
監督:福田雄一
脚本:福田雄一
出演:桐谷美玲、藤井美菜、高畑充希、有村架純、山本美月、佐藤二朗、大東駿介、岡田義徳、安田顕

b0189364_07310689.jpgコントと劇映画の間

 とあるOLがある日突然、宇宙怪人と闘う戦隊のメンバーに選ばれるという荒唐無稽なストーリーの映画。「荒唐無稽」ではあるが、そもそもリアリティを追求しているフシがないので「荒唐無稽」という言葉は的外れかも知れない。
 ストーリーから推測できるように、全般的にコントみたいな作りで、あちこちに笑える箇所が散りばめられているが、一方で主人公の成長物語にするなど映画らしさもそれなりにある。ある意味虚実が入り交じったストーリーで、劇場で見てもテレビで見てもそれなりに楽しめるようになっている。
 監督、脚本は『アオイホノオ』の福田雄一で、あのドラマ同様、あちこちに鋭いセンスを感じさせる。とは言えやはりコントだよなぁと思う。NHKの『LIFE!〜人生に捧げるコント』あたりに出てきても違和感がないエピソードばかりである。福田雄一の映画だけに、安田顕や佐藤二朗、ムロツヨシなど、福田作品の常連組も出ている(もっともムロツヨシはどこに出ているかわからなかった)。『アオイホノオ』のトンコさん(山本美月)も主役級の出演。
 ともかくバカバカしい話なので、テレビで放送されるコント番組の延長くらいに考えて見るのが良い。佐藤二朗が怪演。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『アオイホノオ (1)〜(6)(ドラマ)』
竹林軒出張所『アオイホノオ (7)〜(11)(ドラマ)』
by chikurinken | 2016-10-28 07:34 | 映画

『書を捨てよ町へ出よう』(映画)

b0189364_224792.jpg書を捨てよ町へ出よう(1971年・ATG)
監督:寺山修司
原作:寺山修司
脚本:寺山修司
美術:林静一、榎本了壱
出演:佐々木英明、斎藤正治、小林由起子、平泉征、森めぐみ、丸山明宏、新高恵子、浅川マキ

退屈で見続けるのが苦痛

 寺山修司が初めて監督した長編劇映画(ということになっている作品)。原作は同名タイトルの評論集。
 内容は寺山修司らしく、アングラ演劇色が非常に強い。メインのストーリーらしきものがあって、そこにいろいろなイメージ・ショットを織り込んでいくという手法で、面白い部分もある。また主人公がカメラ(つまり観客)に向かって挑発的なことを言ったりするのもユニークである。ただ2時間以上これを見せられると、飽きてきてかなり疲れるのも確かである。僕など最初の5分で眠ってしまった(その後見直したが)。映画が閉じた空間で一方的に垂れ流される媒体である(あった)ことを考えると、これは苦痛以外の何ものでもない。今みたいにビデオで早送りしたり巻き戻したりできれば一つの芸術媒体としてありかも知れないが、それでも見終えるには苦痛を伴う。寺山修司の映画は、これまで何本か見ているが概ねこんな感じで、この時代、こういった類の(観客を無視したような)映画が他にも結構あったが、今の時代に受け入れられるかは疑問である。寺山修司や60〜70年代のアングラ演劇に関心のある向きには良いかも知れない。
 出演者は、主役が佐々木英明という寺山修司に風貌の似た若者で、おそらく素人ではないかと思うが、その他にも素人、あるいは天井桟敷の劇団員みたいな人々が大挙出演している。プロらしい演技をするのは(非常に若い)平泉征くらいである。異色のキャストは丸山明宏と浅川マキ、それからクニ河内(気が付かなかったが)。最後に出演者、関係者のアップが流れるのも独特で、すべてがアングラ演劇風。言ってみれば映像詩であり、一般的な映画とは違った見方が必要かなと思う。
第14回サンレモ映画祭グランプリ受賞
★★☆

参考:
竹林軒出張所『初恋・地獄篇(映画)』
竹林軒出張所『寺山修司からの手紙(本)』
by chikurinken | 2016-10-27 06:46 | 映画

『快刀乱麻』を聴く

b0189364_928133.jpg 竹林軒出張所『内田喜郎と快刀乱麻』のところでも書いたように、かつて『新十郎捕物帖・快刀乱麻』というドラマがあった。1973年から74年に全26話が放送されたもので、前にも書いたようにスタッフもキャストもユニーク、演出も非常にユニークなドラマだったが、残念ながら最終回以外映像が残っていない。最終回は以前その一部が『テレビ探偵団』というバラエティ番組で放送されたが、めったにお目にかかれない。もしかしたら視聴者が個人的に録画したものが残っていて、それが出てくる可能性もないことはない(『同棲時代』のように)が、あまり期待できそうにない。しかし音声ならば一部残っていた。ASKDFHJOEIHという人がYouTubeに現時点で2話分アップロードしてくれていて、それを聴くことができる。2話分といってもどちらも一部であるが、そんな贅沢は言っていられない。何しろまったく残っていないんだから。
 そのうち第21話「鳥と鳥とをとりちがえ」(YouTube:快刀乱麻 第21話「鳥と鳥とをとりちがえ」)は36分間分収録されていて、これがあのドラマの味をよく伝えてくれる。花紀京の泉山虎之介と植木等の花逎家因果、河原崎長一郎の古田巡査が非常に良い味を醸し出している。若林豪の結城新十郎は原作と大分イメージが違うが、池部良の勝海舟はドンピシャリ。愛人のお馬さん役をやっていたりするのも良いし、虎之介との掛け合いも抜群に面白い。難を言えば、冒頭部分がないため、ドラマで起こった事件の概要がわかりにくいという問題はあるが、やはり致し方ない。聞けるだけありがたいってもんだ。
 もう一方の第23話「唐獅子牡丹に血汐がボタン」(YouTube:快刀乱麻 第23話「唐獅子牡丹に血汐がボタン 」新十郎の謎解き)の方は最後の5分だけで、ストーリーはなんだかよくわからないが、ドラマの雰囲気はよく伝わってくる。泉山虎之介と花逎家因果の掛け合い、虎之介と勝海舟の掛け合いが楽しく、このドラマの魅力の一端がわかる。
 なお、唯一残っている最終回については、『テレビ探偵団』で紹介された部分のみ、YouTubeで見ることができる(YouTube:快刀乱麻最終回)。これは放送当時見た記憶があるが、歌を担当してた内田喜郎の奥さんのリクエスト投稿に基づいて紹介されたものである。適当に編集しているので全体像は見えてこないが、結城新十郞が原作のイメージとまったく違う任侠の人になっているのが少々気恥ずかしい。だが映像はこれだけしかないんだからやむを得ない。ただ最終回は他の回と雰囲気が違っていたような印象があるので、これがドラマ『快刀乱麻』だと言うと少し違うような気がする。何しろ残っていないんだからしようがないが。
 この70年代前半というのは、ともかくカラービデオテープの使い回しが多かったせいで、当時作られたドラマはその多くが失われている(竹林軒出張所『同棲時代(ドラマ)』を参照)。だから結局は、映像や音源が残っているかどうかは視聴者頼りということになる。今回『快刀乱麻』の音源だけでも聴けたのは大変ラッキーだったと言えるわけで、今後もこのような資料が出てくることを期待しつつも、一方であまり期待できないなーとも思う。とりあえずこのドラマの音声を投稿してくれたASKDFHJOEIH氏には感謝である。

参考:
竹林軒出張所『内田喜郎と快刀乱麻』
竹林軒出張所『明治開化 安吾捕物帖(本)』
竹林軒出張所『同棲時代(ドラマ)』
Wikipedia:「新十郎捕物帖・快刀乱麻」
竹林軒出張所『さらば国分寺書店のオババ (1)〜(10)(ラジオドラマ)』

by chikurinken | 2016-10-25 07:39 | ドラマ

『夏目漱石の妻』(2)〜(4)(ドラマ)

夏目漱石の妻 (2)〜(4)(2016年・NHK)
演出:柴田岳志、榎戸崇泰
原作:夏目鏡子
脚本:池端俊策、岩本真耶
出演:尾野真千子、長谷川博己、黒島結菜、満島真之介、竹中直人、舘ひろし

漱石のエピソードをマメに拾っていた

b0189364_7415142.jpg 夏目鏡子の『漱石の思い出』が原作の意欲的なドラマ。
 シリーズは第4回で終結ということで、最終的に75分×4の計300分のドラマになった。映画2本分に相当するが、それぞれの回ごとに、テーマがうまく設定されていて、漱石の作品史も俯瞰できるような作りになっている。第1回が『坊っちゃん』、第2回が『吾輩は猫である』、第3回が『道草』、第4回が『坑夫』と『文鳥』という具合にそれぞれエピソードが対応していて、漱石の創作過程をのぞき見るような感覚も得られる。そういう点で非常によくできたシナリオと言える。
 また鏡子役の尾野真千子と漱石役の長谷川博己も好演で、特に長谷川博己は漱石の狂気を見事に演じていた。有名な神経症のエピソードもきっちり取り上げられていて、うまく再現できていたと思う。派手さはあまりないが、当節では珍しい、非常によくできたドラマであると言ってよかろう。漱石の全集を読んでみようかと思った。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『夏目漱石の妻 (1)(ドラマ)』
竹林軒出張所『漱石悶々(ドラマ)』
竹林軒出張所『吾輩は猫である(映画)』
竹林軒出張所『こころ(本)』
竹林軒出張所『三四郎(本)』
竹林軒出張所『草枕(本)』
by chikurinken | 2016-10-24 07:42 | ドラマ

『取材ディレクターが語る18のアザーストーリーズ』(本)

テレビ東京「YOUは何しに日本へ?」公式本
取材ディレクターが語る18のアザーストーリーズ

テレビ東京編
辰巳出版

b0189364_825459.jpg僕は何でこの番組を?

 テレビ東京で放送されているバラエティ番組『YOUは何しに日本へ?』についてはかつてこのブログでも書いたが(竹林軒出張所『アドリブの相乗効果 - 「YOUは何しに日本へ?」が面白い』)、すごいのは放送が始まって3年経つにもかかわらず、一向にそのパワーが落ちていないことである。毎回存分に楽しむことができるという、今どき珍しい稀有なバラエティ。もちろん「国際空港で外国人にインタビューして面白そうなら付いていく」という単純な構成なので、いずれはワンパターンになるのは目に見えているが、今でも最初の面白さを維持しながらしかも素晴らしい登場人物を発掘してくるのは、ひとえに来日する外国人旅行者(番組では「YOU」と呼ぶ)のユニークさもさることながら、製作者側の真摯さと番組コンセプトのブレのなさのたまものであろう。
 これまで数々の面白いYOUたち(本来YOUは単複同型だが番組ではこのように表現する)が登場し、そのエピソードも多岐に渡る。自転車旅、徒歩旅、ヒッチハイクから、アイドルになりたい少女(実際になった!)やアイドル・オタク、武術の修行で来日する者、TBSの『SASUKE』に出場する人(この回はTBSのスタッフも登場するなど異色の展開になった)など、まあいろいろである。よくこういう人を見つけ出してきたなというほどの充実ぶりで、今このコンセプトは『世界!ニッポン行きたい人応援団』という番組でも引き継がれていて、こちらの番組にも面白YOUが登場する。こういう番組の一番面白い点は、我々日本人が日頃何気なく見ているものごとが、異なった視点からあぶり出されるという点で、日本人は優しいとか親切だとか言われるが、こういうこともこの『YOUは何しに』を見ていると実感できる。もちろん日本のあまり良くない面もあぶり出される。
 この本は、『YOUは何しに』のスタッフたちが過去の取材経験(全18件)についていろいろと書いたものを集めたもので、おそらく番組を見ていない人にとってはあまり興味を引かれるものではないかも知れない。しかし僕みたいに今までほとんどの回を見てきたという人間にとっては、数々のエピソードの裏話や登場人物たちの性格などが見えてきて、非常に楽しく読むことができる。どのエピソードも概ね記憶に残っているものであったため、過去の記憶が呼び起こされて2倍楽しむことができたのも◎。
 それにしてもこの番組、取材ディレクターが19人もいるとは驚きである。見た顔もあるが、ほとんど見覚えのない顔もある。もっとも、ディレクターが頻繁に顔を出すような番組ではないんであるが。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『アドリブの相乗効果 - 「YOUは何しに日本へ?」が面白い』
by chikurinken | 2016-10-22 08:03 |

『新「ニッポン社会」入門―英国人、日本で再び発見する』(本)

b0189364_8294220.jpg新「ニッポン社会」入門
英国人、日本で再び発見する

コリン・ジョイス著、森田浩之訳
三賢社

どうでもいいことが多い上
とりとめがなく読みづらい


 『「ニッポン社会」入門』の続編。著者は日本在住後、一旦英国に帰国し、再び日本にやって来た。基本的に日本はお気に入りのようであるが、いろいろと不可解なこともあるようで、そういったことを18の章に渡って書き綴っている。
 読んでいて納得することもあるが、こちらが不可解なこともあり、それに英国人らしい皮肉が全編散りばめられていて、なんだか揶揄されているようで嫌な気分になるような箇所もある。またあまりにどうでもいいことが多いのも難点(ゆるキャラについてのコメントなんか実につまらない)で、半分くらい読んだところでやめようかと思っていたくらいだ。それでも読み進めたのは、後半にプレミアリーグとJリーグの比較について語られている項(「二つの国のサッカー、その理想と現実」)と、テレビドラマ『西遊記』が英国で放送されていたことを語った項(「「モンキー」はぼくのヒーロー」)があったからで、この2つの項はそれなりに読み応えがあった。また日本社会が(文字通りの意味で)保守的で非常に変わりにくいことを示した「日本は今日も安倍だった」もなかなか示唆に富んでいた。
 僕も含め、日本人はとかく外国人が日本で何を思うか気にしがちであるため、この類の本が割合人気になるようだが(僕も好きだし)、しかし現在のようにこれだけ数が多くなってくると、ガッカリするものも増えてくる。こういった本には、ある程度の意外さや鋭さは期待したいところで、そういう点でこの本は少々物足りなかった。全体的にとりとめがない記述が多いのも問題で、心に浮かぶよしなしごとを徒然なるままに書き付けているかのような文章は読みづらく、正直ちょっと疲れた。もし続々編が出るようであれば、もう少し面白いネタを見つけ出した上で、推敲を十分に重ねていただきたいと切に願う(たぶんもう読まないだろうが)。
★★★

参考:
竹林軒出張所『「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート(本)』
竹林軒出張所『英国一家、日本を食べる(本)』
竹林軒出張所『中国嫁日記(本)』
by chikurinken | 2016-10-21 08:30 |

『日本懐かし夏休み大全』(本)

日本懐かし夏休み大全
辰巳出版

『懐かし大全』シリーズはもういらない

b0189364_7455590.jpg アマゾンのカスタマーレビューで評価が高かったんで読んでみたが、まったくダメダメな本であった。これまで『懐かし大全』シリーズは何冊か読んでみたが一番ひどいんじゃないかというレベルである。『懐かし大全』シリーズ(実際のところどの本も大したことはないが)は、過去の懐かしグッズを紹介して懐かしんでもらおうという企画で、この本は著者(と言っても著者名が記されていないので誰が書いたのかわからないんだが)が自分の懐かしい夏休み関連グッズを紹介する本である。だが、はっきり言って僕にはまったく懐かしくない。あくまでも「著者が懐かしい」という点がポイントで、著者と同じ時代、場所を共有している人であれば懐かしさを感じるかも知れないが、その範疇に入らない人にとっては、単なる著者の絵日記にしか感じられない。しかもそのグレードもかなり低い。書かれてあるものを読んでいて、だから何なんだよ!と突っ込みたくなる。「あんたの想い出なんぞに用はない」ってなもんである。軽薄な文体に腹立たしさすら感じてしまう。
 もっとも、著者と同じ時代、場所を共有している人は面白さを感じるかも知れない。しかしそれにしても、それ以外の読者に対する配慮があっても良いんじゃないかと思う。懐かし映画なんて1975年から1985年までしか載っていない。「東映まんがまつり」も載ってはいるが、紹介されているのが75年から84年までで(本書によると「東映まんがまつりは69年から89年まで開催され」ている)、75年以降だと僕はそれなりに大人になってるんでまったくかすめてすらいない。紹介するつもりなら69年から載せるべきではないのか。読んでいてバカにされてるような気さえしてくる。要するに著者が懐かしいだけで、僕のような読者は共有できないということである。「懐かし」を名乗るんなら、それなりにもっと広い世代にアピールすべきで、もしそうしないんなら表紙に「何年生まれ向け」とでも書いておくが良い。とにかく(僕にとって)ちっとも懐かしくなく面白くもないものがズラズラッと紹介されているだけの本で、(僕にとって)まったく無価値の本である。もう『懐かし大全』シリーズはいらない。
★★

参考:
竹林軒出張所『日本懐かし文房具大全(本)』
竹林軒出張所『日本懐かしオーディオ大全(本)』
竹林軒出張所『昭和のレトロパッケージ(本)』
竹林軒出張所『昭和ちびっこ広告手帳(本)』
竹林軒出張所『昭和子どもブーム(本)』
竹林軒出張所『ぼくらの60〜70年代宝箱(本)』
by chikurinken | 2016-10-19 07:46 |

『キャロル・キングのすべて』(ドキュメンタリー)

ナチュラル・ウーマン 〜キャロル・キングのすべて〜
(2014年・英1515 Productions)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

キャロル・キングの半生記

b0189364_8351584.jpg 「You've Got a Friend(きみの友だち)」や「Will You Love Me Tomorrow?(ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ)」などで有名なアメリカのシンガー・ソングライター、キャロル・キングを紹介するドキュメンタリー。
 二度の離婚歴やミュージカルでの功績など、キャロル・キングに関するあれやこれやが本人や周辺の人物によって語られる。ただしキャロル・キング自身に関心がなければあまり面白味はない。そういうわけで僕には大した感慨も湧かなかった。これはもう仕方がない。唯一の発見といえば「ロコ・モーション」がキャロル・キングの作曲だとわかったことぐらいか。
★★★

参考:
竹林軒出張所『永遠のABBA アグネッタの告白(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀プレミアム 第1集(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-10-17 08:37 | ドキュメンタリー