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竹林軒出張所

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トリプル・スリーではありませんが

b0189364_2316141.jpg このブログの右の欄に、これまでの投稿記事数がタグ別にリストされているんだが、ご存知ですか。こんなところを見る人はあまりいないと思うが、私は最近気が付いたんだ。「映画」、「本」の投稿数が500になっていることに。「ドキュメンタリー」についても400に近づいていた。ということでここのところは「ドキュメンタリー」ばかり投稿していて、前回めでたく400に達したというわけ。昨年有名になった「トリプル・スリー」ではないが、「ダブル・ファイブ、シングル・フォー」ってことになる。全部500で統一できたら良かったんだが、今からドキュメンタリーばかり100件も投稿した日にゃ、誰からも見向きもされないブログになるやも知れず、それにそもそも僕自身ドキュメンタリーの批評を100も続けて書きたくないという事情もある。そういうわけで、「ダブル・ファイブ、シングル・フォー」で一区切り。ドラマもちょうど150になっていて、区切りが良くなっている。
 それにしても、よくこんなに書いたよなーと思う。いくら暇だといっても(ちなみにここのところはまったく暇がないので1日おきに投稿しております)、現時点で1700件超の記事がある。もっともそれでも、かつて見た映画や本にどのような感想を持ったか調べようと思っても、2009年6月(このブログの開始時)より前に見たものについては記録が残っていないんで、もっと早くこういった記録を始めておけばよかったと思うことがかなりある。かろうじて前のブログで書いたものがあって、それも簡単に参照できるようにしたいということから、少しずつこちらのブログに移したりもしているのだ。
 こういった、記録を残しておくという作業は実際のところかなり手間がかかるんで一般的にはあまり続かないんだが、誰かに話のネタとして話しているつもりでこういうところに書き続けていれば、意外に続けられるものだ……というのが今回のこの「ダブル・ファイブ、シングル・フォー」で証明されたことになる……かな。自分としては、残しておいてよかったと思うことの方が多い、特に最近。この年になると、見たり読んだりしたものをすっかり忘れているということが割にあるので。
 ただ、このブログを主宰するエキサイトブログ(exblog)の事業者が何かの事故でデータを消失したり、あるいは業務自体をやめたりということもありうるわけで、そうするとこの膨大なデータがパーになる可能性がある。何とか手元に残しておく方法も検討しなければならないのかなと考えたりしている。他人にとって価値がなくても、こっちにしてみれば6年間の蓄積だかんね。労力もかかっているし、なくなってしまえばそれなりに惜しい。PDFとして保存できる機能があるようなので、こういうのも考えたいと思っている。そういう状況の、とりあえずの一区切りでした。今後ともよろしく。

参考:
竹林軒出張所『千回と正月がいっぺんに来た』
竹林軒出張所『500回記念』
竹林軒出張所『3年目のつぶやき……くらい大目に見てよ』
竹林軒出張所『一周年ごあいさつ』
竹林軒出張所『101回記念』
by chikurinken | 2016-02-28 07:05 | 日常雑記

『100年インタビュー 倉本聰』(ドキュメンタリー)

100年インタビュー 倉本聰(2016年・NHK)
NHK-BSプレミアム

もっと掘り下げて突っ込んで
土足で踏み込むような感じで懐に入って欲しかった


b0189364_2384118.jpg NHKの『100年インタビュー』もこれまでいろいろと放送されてきて、内容については玉石混交だが、今回は脚本家の倉本聰。
 前に放送された山田太一の『100年インタビュー』が戦後テレビ史を語り尽くすようなもので濃密だったこともあり、倉本聰のインタビューについてもかなり期待していたが、残念ながらあまり見所聴きどころがあるものではなかった。聞き手はNHKアナウンサーの高橋美鈴だったが、思うに彼女が少々役不足だった気がする(個人的にはこのアナウンサーは好きなんだが)。もう少し突っ込んでくれという場面が実は結構あったが、全体的に遠慮がちに接していて、場数を踏んだ聞き手であれば、もっと掘り下げて突っ込んで、土足で踏み込むような感じで相手の懐に入り、話を引き出すこともできたんじゃないかと感じたりする。インタビュアーは少しばかり図々しいくらいの方が良い。倉本自身も途中までかなりよそ行きの態度で、そういう点でもインタビューとしては最初から心許なかった。インタビュー番組は、聞き手と話し手の双方が良い条件で揃わなければ成功しないという好例になってしまったのははなはだ残念である。
b0189364_2381029.jpg 唯一面白かった部分が、倉本が北海道に移住したときの話であった。倉本聰の代表作と言えば北海道を舞台にした『北の国から』で、当然この番組でも取り上げられていたが、この作品を書く少し前に倉本自身が東京から北海道、さらには富良野へと移住している。なんでも1974年のNHK大河ドラマ『勝海舟』の脚本担当に抜擢されて、意気揚々と取り組んだは良いが、スタッフとぶつかり(相互の誤解から来たもののようだ)、逃げるようにして北海道に移ったというのが真相らしい。東京の人間がみんな自分を責めているような気がしていたにもかかわらず、北海道の人たちが非常に優しく接してくれたので、結果的に北海道を気に入り、移住することになったんだという。その結果、地に足が付いていない都会のバブリーな生活に対する批判精神みたいなものも頭をもたげ、それが表現されたのが『北の国から』なんだそうな。
 そう言えばNHKは小澤征爾との間にも同じようなもめ事を起こして、小澤を海外逃亡させるきっかけを作っている(小澤はおかげさまでその後大活躍することになる)が、芸術家とたびたび揉めるのは、NHK自体にどこか官僚的な体質があるせいなんだろうか。もっとも小澤の場合は、問題が起きた相手はNHK交響楽団で、NHKと言えるかどうか微妙ではある。小澤征爾についても(うろ覚えだが)『100年インタビュー』でこのもめ事が語られていたので、NHKとしてはこのインタビュー番組に、倉本のケースも含め贖罪の意味を込めているのかも知れないと考えるのはうがち過ぎか。
 他にも富良野塾の話なども語られていたが、あまり興味を引くものではなく、番組としては全体的にはかなり物足りなさが残るものだった。
 またドラマ自体についても『勝海舟』と『北の国から』以外はほとんど取り上げられておらず、映画作品についても一切触れられていない。話を聞く相手が脚本家なんだから自作脚本の話をもっともっと引き出してもらいたいところだ。仕事について聞かずして何のインタビューだと思う。それに、語られた内容もどこかよそ行きのものが多く、それも物足りなさに通じる結果になった。もっと汚い部分、恥ずかしい部分も見せてほしかったと思う。NHKとのもめ事の話はそういう部分が出ていたため面白かったのであって、そういう要素がなければインタビューは取るに足りないものになってしまう。このインタビューはそういう点で失敗例と言ってよい。
★★★

参考:
竹林軒出張所『聞き書き 倉本聰 ドラマ人生(本)』
竹林軒出張所『100年インタビュー 脚本家 山田太一(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『100年インタビュー ロナルド・ドーア(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『駅 STATION(映画)』
竹林軒出張所『昨日、悲別で (1)〜(13)(ドラマ)』
竹林軒出張所『うちのホンカン(ドラマ)』
竹林軒出張所『前略おふくろ様(1)〜(26)(ドラマ)』
竹林軒出張所『前略おふくろ様II(1)〜(24)(ドラマ)』
by chikurinken | 2016-02-26 07:07 | ドキュメンタリー

『銃社会アメリカ ある牧師の挑戦』(ドキュメンタリー)

銃社会アメリカ ある牧師の挑戦(2015年・米Purple Mickey Productions)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

b0189364_23284993.jpgアメリカ人の三大信仰
キリスト教、金、銃


 アメリカの保守層の人々にとっての2大スローガンは「銃所持の権利」と「中絶反対」であるそうだ。保守的であることで知られるキリスト教福音派のロバート牧師もその一人で、「中絶反対」の一大キャンペーンを展開していた。ところがこの運動の際に、中絶手術を行っていた医師が銃で殺されるという事件が起こり、これが彼に考え直させる機会を与えた。彼が「中絶反対」のキャンペーンを行っていたのは、人(胎児)の命を救うためだと思っていたが、そのキャンペーンが結局は人の命を奪うことに繋がったわけだ。こうして保守派の人々が訴える「銃所持の権利」に疑問を抱くことになる。
 「銃所持の権利」を訴える人々は、悪者から自分を守る権利があるとして、銃所持は当然の権利だとする。しかしこれは、悪者であれば射殺しても良いという論理であり、キリスト教的な考え方とまったく矛盾すると彼は考えた。こうして彼は「銃所持の権利」を否定する立場に立つことになる。しかし、彼の論理は保守的な福音派の人々には受け入れられない。「銃所持の権利」を強く主張する人々は非常に多く、それに異議を唱えることは立場的にも非常に厳しいわけである。それでもロバート牧師は、自らの信念を曲げずに活動を続けている……という内容のドキュメンタリーである。
 我々の感覚からいくと、自分にとって不都合な人間(つまり「悪者」)は射殺して良いという考え方に正当性があるとは到底考えられず、「銃所持の権利」を認めるなどという発想もまったく理解できない。実際アメリカでは銃がはびこっているせいで、普通の国には起こり得ないような大量殺人事件が頻繁に起こっているわけで、外部の人間であれば「いい加減気がつけよ」と思う。外の人間にしてみれば、銃への信仰は狂信的だとしか思えない。
 銃規制の問題については、たとえば『ボウリング・フォー・コロンバイン』など、これまでさまざまなドキュメンタリーでも訴えられているし、オバマ大統領も銃規制の重要性について訴えている(反対が強いのでろくな政策がうてていないが)。こういったドキュメンタリーを通じて、アメリカ人にも「銃所持の権利」についてしっかり考えてもらいたいもんだが、利己主義的な銃信者がその信仰を改めることはなさそうだ。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『子どもに広がる銃社会(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『もうひとつのアメリカ史 (8)〜(10)(ドキュメンタリー)』

--------------------------

 以下、以前のブログで紹介した『ボウリング・フォー・コロンバイン』のレビュー記事。

(2004年6月24日の記事より)

ボウリング・フォー・コロンバイン(02年・米加)
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア、チャールトン・ヘストン、マリリン・マンソン

b0189364_23282243.jpg アメリカ、コロラド州コロンバイン高校の銃乱射事件を取り上げ、銃規制について問題提起する映画。
 中でも興味深かったのは、米国での銃による死者数が1万人を超え、隣のカナダで数百人という事実(ちなみにカナダでも銃規制はされていない)だ。その理由は、映画でだんだんと明らかになるのだが、つまるところ、米国ではマスコミや政治家により常に恐怖心があおられていることと、カナダでは福祉が進んでいることの2点に落ち着く。つまり、米国の銃社会は、何者か(おそらくは武器関連企業)によって意図的に作り出されているというのだ。
 マイケル・ムーア監督の切り口も非常に鋭く、皮肉が効いた演出も良い。120分間、まったく飽きることがない。
 ムーアの著書、『アホでマヌケなアメリカ白人』をあわせて読むとさらに愉しめる。
★★★★
by chikurinken | 2016-02-24 07:27 | ドキュメンタリー

『みんなのための資本論』(ドキュメンタリー)

みんなのための資本論(2013年・米72 Productions)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

良質な「アメリカ(日本)社会問題概論」

b0189364_8391911.jpg ロバート・B・ライシュという経済学者によるUCバークレー「白熱教室」。
 ロバート・ライシュはかつてカーター政権に参加した他、クリントン政権でも労働長官を勤めたリベラルな経済学者で、現在カリフォルニア大学バークレー校で教鞭を執っている。この経済学者がUCバークレーで行った講義を柱にして、それを映像やデータで立体的なものにしたのがこのドキュメンタリー。
 この講義では、20世紀〜21世紀のアメリカの状況を示すグラフが再三取り上げる。富の格差や失業者数を示す吊り橋のような形をしたグラフで、富の格差のピークが世界恐慌の前とリーマンショックの前に来ていて、それが失業者数のグラフとも重なる。このグラフの値が高いほど、一部の高所得者だけが利益を被り、中間層や下層階級が痛い目を見るという状況になっている。現在でもこの状況が続いており、なお一層ひどいのは、高所得者層が金の力で政治も牛耳っているということである。そのため、高所得者の利益を中間層の元に取り戻さなければ、米国経済も、ひいては民主主義も破綻するというのが、ライシュ、そしてこのドキュメンタリーの主張である。
 そのためには一人一人が行動することが重要で、あなた方(講義の出席者)にはそれができるとライシュは訴える。これまで社会で不正が栄え続けたことはないということを念頭において、前進してほしいというメッセージで締める。
 現状分析が適確である上、講義が映像、データ、インタビューで肉付けされ、内容が非常にわかりやすくなっている。またリズミカルに展開するためまったく飽きることはない。中には、ある会社経営者(いわゆる富裕層)のインタビューまであり、現状の富裕層に富が集まる構造が問題であることを具体的に指摘するなど、面白い工夫も随所に見られる。アメリカ(日本もそうだが)の富の問題についての入門編として優れたドキュメンタリーで、良質な「アメリカ(日本)社会問題概論」である。「白熱教室」の類はあまり好きになれないが、これは「白熱教室」を演出にうまく取り込むことに成功した。よくできたドキュメンタリーと言える。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『コミック貧困大国アメリカ(本)』
竹林軒出張所『金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱(本)』
『悪夢のサイクル(本)』
竹林軒出張所『スプリット 二極化するアメリカ社会(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『パーク・アベニュー 格差社会アメリカ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ウォール街の“アンタッチャブル”(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『報道の自由と巨大メディア企業(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『もうひとつのアメリカ史 (8)〜(10)(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-02-22 08:39 | ドキュメンタリー

『CYBER SHOCK 狙われる日本の機密情報』(ドキュメンタリー)

CYBER SHOCK 狙われる日本の機密情報(2016年・NHK)
NHK総合 NHKスペシャル

データを盗む悪者を告発する番組
だが盗まれる方にも問題があるのでは?


b0189364_930402.jpg 日本の官庁や企業のコンピュータから、某国(番組では中国とされていた)によりデータが不正に盗み出されていることを報告するドキュメンタリー。被害件数は2万件を超えるという。
 手口は、マルウェアが添付されたメールを関係者に送りつけ、関係者がそのファイルを開くとコンピュータに感染し、そのコンピュータを外部から操作できるようになるというオーソドックスな方法。外部から操作できるようになれば、サーバーにアクセスし重要なデータを盗み出すことも可能というわけ。もっとも機密データがそんなに簡単にアクセスできる場所に置かれているというのも問題があるような気がする。しかもこの手口自体、かつてイランの各処理施設で(おそらくイスラエルとアメリカによって)行われたものと同じで、特に目新しさはない。目新しさがあるとすると、そのメールの内容がいかにもという差出人および内容になっている点で、これは騙されるよなあと思うような部分はある。
 とは言うものの、やはり機密データの扱いについては甘いと感じてしまう。それになんでことごとくWindowsパソコンを使っているのかという疑問も沸く。とりあえずMacやUNIXを使うとか、最初の段階でまずハードルを設けたら良さそうなものだが、そういう部分で経費節約しても後で損害を被れば、むしろマイナスである。そういう意識の低さも見受けられる。昔から産業スパイなんか跋扈していたはずで、それがネット経由になったというだけのことである。今回の事件で少しでも意識が高くなれば、今までの損害を補ってあまりあると言うこともできよう。
 もっとも、データの一時保管場所として一般のホームページのサーバーが使われたりしていて、それを考えると僕も他人事ではすまない。ホームページも長い間更新していないため(ときおり参照してはいるが)、悪用されていないかもっと頻繁にチェックする必要はある。怠惰は危険につながるということを肝に銘じておかなければならない。
 番組自体は、全体におどろおどろしい演出が多く、「日本の貴重な知的財産が盗まれる」という警告を最初から最後まで発していて、この番組は、盗んだ側に責を負わせるような作りになっているが、最低限盗まれないための方策は少なくとも国の行政機関には必要だったんではないだろうか。盗む方が悪いのは当たり前だが、だからと言って個人データが大量に漏洩した年金機構が免責されることなどあり得ない。米国が中国のサイバー攻撃に対して抗議した(米中首脳会談でも取り上げられた)のも記憶に新しい話で、そういう状況がわかっているのに大した対策をとらなかった行政機関については、その責任を逃れることはできないと思うがいかが?
★★★

参考:
竹林軒出張所『21世紀の戦争 サイバー攻撃の恐怖(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『機密情報は誰のものか ウィキリークスを追う(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『顧客情報を盗んだ男(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-02-20 09:30 | ドキュメンタリー

『炎熱のジャングル 〜アマゾン260km〜』(ドキュメンタリー)

炎熱のジャングル 〜アマゾン260km〜(2016年・NHK)
NHK-BS1 GREAT RACE

マンネリ・グレートレース
選手たちの魅力が唯一の救い


b0189364_22241847.jpg またまたグレートレースもの。内容は見なくても大体想像が付くが、今度は灼熱のアマゾンを260km、7日間で走り続けるというものである。
 番組自体も、トップ争いの選手と日本人選手を追うという毎度毎度のマンネリ的アプローチ。ただし今回は、フォーカスする選手が比較的多めで、たとえば女性選手や日本人格闘家なども追いかける。
 この日本人格闘家に至っては、体重80kg以上、持ち運ぶ荷物(おのおの自分の食料は自分で持ち運ぶ)も他の選手の2倍の20kgと、長距離レースにまったく向いていない条件で、その証拠に彼は最初から最後までほとんど最後尾を歩いていた。一方で、現地のサポート・スタッフの間では人気があったらしく、長距離マラソンの面白さが必ずしも1位争いだけでないという部分も紹介していて、このあたりが面白さにつながっていた。
 コースに迷う選手が続出する他、ユニークな選手たちも現れて、そういう人間的な側面が割合楽しめた。これまでのグレートレースものの中ではよくできた部類である。だがやはり食傷気味であることには変わりない。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『大草原を疾走せよ 〜モンゴル900km〜(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『灼熱の大地を疾走せよ!(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『絶景!アルプス大激走(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『雲上の超人たち(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『激走! 富士山一周156キロ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『死闘!コスタリカ横断850キロ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『密着! アタカマ砂漠マラソン(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『激闘!ドロミテ鉄人レース(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『パタゴニア 世界の果ての冒険レース(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『絶景アルプスを飛べ!(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-02-18 07:23 | ドキュメンタリー

『大草原を疾走せよ 〜モンゴル900km〜』(ドキュメンタリー)

大草原を疾走せよ 〜モンゴル900km〜(2016年・NHK)
NHK-BS1 GREAT RACE

b0189364_22593937.jpgこのレビューもマンネリ化

 NHKは『GREAT RACE』シリーズを今年も続けるそうだ。きっと人気があるんだろう。この間の『絶景!アルプス大激走』とこの『モンゴル900km』以外にも『アマゾン260km』、『マダガスカル250km』ってのがある。
 で、今回はモンゴル900kmレース。1日の気温の差が大きい内陸のモンゴルの草原をマウンテンバイクで疾駆するというもの。その点では、一昨年の『灼熱の大地を疾走せよ!』と似たタイプのレースである。レース自体はステージ制になっており、各ステージの所用時間を累計して最終的な順位が決まる。全部で7ステージ(つまり7日)あり、夜は同じ場所で宿泊する。
 内容は例によって、トップを争う選手と日本人選手に注目するというもので、今回はモンゴル人のアマチュア選手(彼らもトップを争う選手ではある)にもフォーカスする。コースは高低差、寒暖差がかなりありきついコースではあるが、普通に走っていれば完走できそうである。過酷さはあるが、無理はなさそう。なんと言っても自転車レースだし。
 実は今回これを書くに当たって、今まで僕が書いたグレート・レースもののレビューも読んでみたが、書くべき内容が『灼熱の大地を疾走せよ!』の場合とほとんど同じで、この番組自体もマンネリだが、こちらのレビューもマンネリという情けない結果になってしまった。マジでこのシリーズは今回で打ち止めにしなければならないと感じているところ。
★★★

参考:
竹林軒出張所『灼熱の大地を疾走せよ!(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『炎熱のジャングル 〜アマゾン260km〜(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『絶景!アルプス大激走(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『雲上の超人たち(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『激走! 富士山一周156キロ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『死闘!コスタリカ横断850キロ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『密着! アタカマ砂漠マラソン(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『激闘!ドロミテ鉄人レース(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『パタゴニア 世界の果ての冒険レース(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『絶景アルプスを飛べ!(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-02-16 07:34 | ドキュメンタリー

『"浦"によせる物語』(ドキュメンタリー)

"浦"によせる物語 〜作家・小野正嗣を育んだ蒲江〜(2016年・NHK)
NHK-Eテレ ETV特集

b0189364_8274847.jpgある作家に見る土着性の源

 2年前の第152回芥川賞を受賞した作家、小野正嗣のバックグラウンドを追うドキュメンタリー。
 小野正嗣という人は僕はまったく知らなかったが、大分県の南部、佐伯市の蒲江という漁師町の出身だという。高校卒業後、東大に進み、今は立教大学准教授で、作家活動もしている。小説で取り上げる題材は故郷をモチーフにしたものが多いようで、中でも故郷の兄に対する思い入れが強かったという。その兄が一昨年死亡して、そのことが兄、ひいては故郷をあらためて見つめ直すきっかけになる。
 その小野正嗣に密着し、勤務先での生活や、蒲江に帰省したときの様子を追いかけ、彼の小説のバックグラウンドを探ろうとするのがこのドキュメンタリー。この作家については、先ほども言ったように、個人的にはまったく知らないので特に思い入れはないが、僕も似たような田舎町で生まれて故郷を離れ、しかもあまり故郷のことを快く思っていないにもかかわらず、彼は故郷(ひいてはそこに住む人々)を愛し、それを小説で取り上げるというようなことをやっている。だからむしろそのことの方に興味を持ったのだ。たしかに彼の出自の「浦」と称される地域は、こじんまりしていて地域的なまとまりもあるようで、彼が親しみを覚えるのもわかる。だが、故郷に親しみを感じられるような環境はやはり幸運だと思う。僕自身は、それについて少しうらやましく感じながらこの番組を見ていたのである。僕にとって故郷は、そこを捨てた人間としての感慨しかない。そのため番組で紹介される彼の小説の断片が、僕の心に響いてくるようなことはあまりなかった。多少の興味は湧いたが。
 今回のETV特集は、いつもの回と違ってあまりジャーナリスティックな面はなく、むしろ『情熱大陸』を思わせるようなおとなしめの特集だった。ETV特集にはこのようにさまざまな側面があって、それがこのドキュメンタリー・シリーズを多様にし面白くしている。またどんな企画でもそれなりのものができあがる。これはやはりNHKドキュメンタリーの底力と言ってよいかも知れない。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ヴィニュロンの妻(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-02-14 08:28 | ドキュメンタリー

『ドラえもん、母になる』(ドラマ)

ドラえもん、母になる 〜大山のぶ代物語〜(2016年・NHK)
NHK BSプレミアム プレミアムドラマ
演出:牟田口わか菜
原作:大山のぶ代、砂川啓介
出演:鈴木砂羽、豊原功補、田中美里、猫背椿、池田鉄洋、鈴木拓、小川直也

「ジャイアンの声優」役は小川直也!

b0189364_20401913.jpg これも最近NHKが得意としているドキュメンタリー・ドラマで、大山のぶ代の半生記である。
 声優の大山のぶ代が「ドラえもん」の声を担当するようになって「ドラえもん」に入れ込むようになる様子が描かれる。「ドラえもん」は大山にとっても思い入れがあったようで、終いには他の声優の仕事をすべて断るまでになったという。確かに「大山=ドラえもん」の印象があったが、それほどまでとは。
 また「ドラえもん」の中で使われる言葉遣いにまで口を挟んだというのも少々驚き。声優にそんな権限があることにもビックリである。もちろん大山の場合は、子どもに悪い影響を与えないようにという配慮から来たらしいんだが、それくらい「ドラえもん」に思い入れが強かったということのようだ。
 ドラマには小原乃梨子、肝付兼太、野村道子などの声優が登場(それぞれ猫背椿、鈴木拓、田中美里が演じる)するだけでなく、本人たちも番組内の座談会で登場している。小原乃梨子はこの番組のナレーションも担当している。
 とは言っても、「ドラえもん」とか声優の世界に思い入れの強い人以外にとっては、ことさら面白い題材ではないし、この番組自体、ワイドショーの1コーナーみたいな軽い企画という印象はある。ドキュメンタリー・ドラマ全体について言えるんだが、バラエティ的で軽く、炭酸が抜けたビールみたいな物足りなさが常に残るのだ。それにドラマにするには、テーマがやはり物足りない。こういう企画(ドキュメンタリードラマ)が増えていくというのも、あまり良い傾向とは思えないが。
★★★

参考:
竹林軒出張所『ナンシー関のいた17年(ドラマ)』
竹林軒出張所『忌野清志郎 トランジスタ・ラジオ(ドラマ)』
竹林軒出張所『チェルノブイリの真相 ある科学者の告白(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ダンナ様はFBI(ドラマ)』
竹林軒出張所『未解決事件File. 02 オウム真理教(ドキュメンタリー』
竹林軒出張所『手塚×石ノ森 ニッポンマンガ創世記(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-02-12 07:39 | ドラマ

『それでもなぜ戦場に行くのですか』(ドキュメンタリー)

それでもなぜ戦場に行くのですか(2016年・NHK)
NHK-BS1 BS1スペシャル

そこに戦場があるから行くのだ

b0189364_0131357.jpg 戦争の現場に赴くいわゆる戦場ジャーナリストたちの心情に迫るドキュメンタリー。
 昨今、戦場ジャーナリストが人質になったり命を落としたりすると、「自己責任」などとしたり顔で批判する心ないネット住民が多く、そういう話を耳にすると胸くそが悪くなる。結局のところ、安全なところにいて何の問題意識も持たないようなゼロ思考の連中には何も分からないのだ。少なくとも我々には、命がけで戦場ジャーナリストが伝えようとしていることに耳を傾けるくらいの謙虚さがあっても良いんじゃないかと思う。
 この番組はそういった戦場ジャーナリストの生の声を拾うというもので、非常に硬派な内容であるが「よくぞ取り上げてくれたNHK」というような番組である。1人のジャーナリスト(綿井健陽)が、カメラを回しながら他の戦場ジャーナリストに映像で迫るという、ドキュメンタリー内ドキュメンタリーの体裁で番組は進む。登場するジャーナリストは、横田徹、玉本英子、亀山亮、高橋邦典らで、横田氏などはISの支配領域にまで入っているという強者である。「ISの支配領域は意外に治安が良かった」と言っていたが、彼の映像は今まで目にしなかったもので非常に貴重である。どこかの放送局に放送してほしいところだが、「IS=悪」(ま実際その通りなんだが)という図式からずれるんで採用されなかったのかもしれない。
 そしてこういう状況、つまりかれら戦場ジャーナリストにとって発表媒体がないということも非常に困ったことで、まず何より食えなくなるし、取材にさえ行けなくなる。中には写真を発表したいが、昨今戦場写真が受けなくなっているため、結局自費出版したという、亀山亮のような人もいる。なおこの自費出版写真集『AFRIKA WAR JOURNAL』は第32回土門拳賞を受賞している。
 クルド人の取材を続けている玉本英子は、クルドの現状を少しでも多くの人に知ってもらいたいためにクルド人たちにカメラを向けるのだと語っていた。
 こういったジャーナリストたちの意図を少しも理解できない、少しも耳を傾けようとしない、それどころか的外れな非難を繰り返す「自己責任」信者は、少なくとももう少し視野を広げるような取り組みを自分でしたらどうだと、彼らのことばを聞きながら感じる。
 この番組を通じて、危険地帯に赴きその現状を伝えようとするジャーナリストたちの生の声が聞け非常に良かったと思う(実際のところこういう機会はあまりない)。僕など彼らとは直接つながりのない一人の人間に過ぎないが、彼らが命を落としたりすることのないようささやかながらも祈りたいと思っている。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『カメラマン・サワダの戦争(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『イラク戦争関連の本』
竹林軒出張所『運命の一枚〜“戦場”写真 最大の謎に挑む(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『サルバドル 遥かなる日々(映画)』

by chikurinken | 2016-02-10 00:13 | ドキュメンタリー