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竹林軒出張所

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『アオイホノオ (2)〜(4)』(本)

b0189364_756398.jpgアオイホノオ 234
島本和彦著
ゲッサン少年サンデーコミックス

ドラマの補完として読みました

 ドラマ『アオイホノオ』が面白かったこともあって、原作のマンガを読んでみた。ちなみに今回読んだのは第2巻から第4巻で、なぜ第1巻がないのかというと、この本を貸してくれた人が第1巻を持っていなかったため。だから仕方がないのだ。
 で、これまでもネットの画像検索で原作を見たことはあったんでそれほど意外ではなかったが、絵が拙く汚いのが非常に目立つ。てっきり少年ジャンプに連載していたのかと思った(ドラマの中でも、主人公の「俺は絵が下手なんだ」というセリフはあるが)。内容はドラマとほとんど同じだが、マンガの方がストーリー的に細部にわたって描かれているため、ドラマから入った人に対してはドラマを補完する役割がある。ただ原作マンガにはドラマほどのインパクトはなく、ありきたりのマンガという印象が強い。またキャラクターもドラマほどは突き抜けていないので、ドラマを先に見るとちょっと物足りなさが残る。とは言ってもマンガでもキャラは特異であり、マンガの方を先に読んでいたら印象はまた違ったものになっていたかも知れない。
★★★

参考:
竹林軒出張所『アオイホノオ (1)〜(6)(ドラマ)』
竹林軒出張所『アオイホノオ (7)〜(11)(ドラマ)』
by chikurinken | 2014-09-30 07:57 |

『アオイホノオ』(7)〜(11)(ドラマ)

アオイホノオ(2014年・テレビ東京)
演出:福田雄一
原作:島本和彦
脚本:福田雄一
出演:柳楽優弥、山本美月、安田顕、ムロツヨシ、中村倫也、黒島結菜、濱田岳、小嶋陽菜

b0189364_7403573.jpgマンガ的な感性のドラマ
魅力的な登場人物もヨイ


 ドラマ『アオイホノオ』が終わったので、ひとつ総括。
 前にレポートした第6回までと同様、登場人物は非常にキョーレツ。レギュラー陣以外にも、その後たびたび出てくる編集者、Madホーリィ(佐藤二朗)や岡田トシオ(濱田岳)まで、ほんとに破天荒でマンガ的なキャラが次々に出てくる。演出も相変わらずマンガ風のものがたびたび出てきて、楽しませてくれる。
 終わりの方になると、登場人物のモデルになった人々が実際にカメオ出演するという場面も多数あり、遊びの要素ここに極まれりという印象すらある。たとえば山賀博之、赤井孝美、岡田斗司夫がチョイ役で出て、芸人みたいな演技をする。あげくには最後の最後に原作者の島本和彦まで登場する。そんなこんなで終わりの方は、ちょっとばかりはしゃぎ過ぎの感があって、まとまりを欠いたような部分も出てきた。
b0189364_7403050.jpg とは言うものの、やはりもう1回最初から見直してみたいという思いはあり、そういう意味では傑作の部類に入る。なんと言っても登場人物、およびその行動の奇想天外さがすごい。それに彼らがことごとく魅力的である。その一方で、戯画化された「あるある」的な行動も次々に出て来て、青春の酸っぱさみたいなものもうまく表現されている。単なるギャグ・ドラマとして見ても面白いが、青春ドラマとしても非常にレベルが高い。
 なお、このドラマのDVDボックスが11月に発売されることになっている。発売が早々に決まっていたことから考えると、このドラマ、放送時から人気が高かったことが窺われる。ネットの動画にも岡田斗司夫がこのドラマについていろいろ語っているものもあって、楽しみは尽きない。
 そうそう、見逃したという人に朗報。なんでも日曜日の深夜からBSジャパンで毎週再放送されるらしい(初回放送2014年10月5日)。興味のある向きは是非そちらでどうぞ。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『アオイホノオ (1)〜(6)(ドラマ)』
竹林軒出張所『アオイホノオ (2)〜(4)(本)』
竹林軒出張所『女子ーズ(映画)』
竹林軒出張所『オタクの息子に悩んでます(本)』
竹林軒出張所『俺のダンディズム (4)〜(12)(ドラマ)』
竹林軒出張所『LOVE理論(ドラマ)』
by chikurinken | 2014-09-29 07:41 | ドラマ

『裏のハローワーク』(本)

b0189364_8152937.jpg裏のハローワーク
草下シンヤ著
彩図社

表に出てこない仕事を紹介

 タイトルは『裏のハローワーク』だが、別段裏の仕事を斡旋してくれるわけではない(当然だが)。普段表に出てこない仕事を紹介するというのがこの本の主旨である。
 基本的には、そういった職種に就いている人々にインタビューしてそれをまとめるという体裁で、全部で20の項に分けてまとめられている。登場する職種は、ヤミ金業者、マリファナ栽培、詐欺師、裏ビデオ販売店などの法に触れるものから、治験バイト、とさつ業者、マグロ漁船乗組員、夜逃げ屋、原発作業員などという肉体的に危険なものまでバラエティに富んでいる。もっともこの本自体が10年前に出たものなので、目新しさに欠けるものもあるが、それでも結構読ませる。図書館で借りてきて、当初はちょっとだけ読んで返そうと思っていたんだが、結局全部読んでしまった。実際なかなか面白かった。なお個々の仕事については、『裏社会噂の真相』『原発ジプシー』『ビンボーになったらこうなった!』『牛を屠る』など、詳細に書いた本があちこちにある。この本から入って、詳しいことを知りたいと思えば、そちらに当たれば良い。そういう意味で、この本はあくまでも入口といった位置付けで考えるべき。
 これを読んだからといって何かが変わるわけではないが、「警察24時」タイプのテレビ番組を見るような感覚(ある種の怖いもの見たさ)で接すれば十分楽しめるんじゃないか。ま、バラエティ感覚の本である。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『裏社会 噂の真相(本)』
竹林軒出張所『ビンボーになったらこうなった!(本)』
竹林軒出張所『牛を屠る(本)』
竹林軒出張所『原発ジプシー(本)』
by chikurinken | 2014-09-27 08:15 |

『裏社会 噂の真相』(本)

b0189364_7383997.jpg裏社会 噂の真相
中野ジロー著
彩図社

今はヤクザ稼業も大変なようだ

 元組員が書いたヤクザ組織のリアルな実態。これも、裏社会を赤裸々に描く彩図社の本(竹林軒出張所『ソープランドでボーイをしていました(本)』竹林軒出張所『ビンボーになったらこうなった!(本)』参照)。
 この手の本を紹介してこのブログにその筋の人が集まっても困るので、紹介しようかどうか少し迷ったが、Amazonの批評があまりにアンフェアな気がしたので紹介することにした。
 ヤクザのリアルなシノギ(収入源)、部屋住みの実態、刺青の実際(値段や痛み)など、ヤクザや組関係について疑問に感じることがかなり具体的に書かれている本で、読んでいて感心することもあり、結構面白かったというのが実際の話。実を言うと読む前は全然期待していなかったんだが、読んでいるうちに引き込まれていった。外から見たヤクザと内から見たヤクザにはやはり大きな差があり、あの稼業も、以前と比べると、今は意外に大変のようだ。見る方向を変えるだけで印象も大きく変わるってもんだ。
 もちろん、暴力組織に与することはないが、見えない世界を見せてくれたという点では、この本に十分価値があるんじゃないかと思う。内側がわからないゆえに発生したバカバカしい類の噂についても、その実態を知ることができる。そういう点でもこの本を評価したいと思う。装丁が、伝説の雑誌『噂の真相』風になっているのも良い。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ソープランドでボーイをしていました(本)』
竹林軒出張所『ビンボーになったらこうなった!(本)』
竹林軒出張所『「日本世間噺体系」テレビ版』
by chikurinken | 2014-09-26 07:40 |

『ソープランドでボーイをしていました』(本)

b0189364_8113073.jpgソープランドでボーイをしていました
玉井次郎著
彩図社文庫

特殊な世界を垣間見る本

 東日本大震災をきっかけに失職した仙台在住の著者が、スポーツ新聞で見つけた「ソープランドのボーイ」という仕事に飛びつき、ボーイとして吉原で過ごした8カ月間を経時的に記した著。著者が務めたソープランドは、利用するのに8万円もかかる高級ソープランドということらしいが、仕事は激務で、しかも縦社会であるため(年下の)先輩からのいびりなどもある。寮のマンションにボーイ4人(1部屋あたり2人)で住み、新人は店の雑用から部屋の雑用までこなし、眠りにつくのは朝5時。翌日は昼前から出勤という。ただし住み込みであるため、金を貯めようと思えば貯められるらしい。著者は、住宅ローン返済のために必死で稼ぎ、家庭に仕送りしていたという。
 経験者でなければわからない特殊な世界の事情が事細かに紹介されていくため、内容は非常に充実しているが、文章はやや拙く手記の範囲を出ない。なんでも、経験を小説として描きためていたものを彩図社に送って採用されたことからこのたび出版されることになったという話で、あーなるぼどねという感じである。改行がやたら多いのも気になる点で、確かに読みやすくはなるだろうが(実際、2時間ほどで読んでしまったし)、こういうのはページ稼ぎと受け取られなくもない。
 本書のように、閉鎖されている環境に入ってから出ていくまでを経時的に描くのは、異世界を描く上で効果的な手法で、『プラトーン』などの映画でも使われている。本書でも、特殊な環境に入っていくという臨場感が伝わるという点で効果を上げており、読みながら追体験できるようになっている。そのため純粋に、知らない世界が描かれた手記として読めば、十分楽しめると思う。
 彩図社文庫にはこの手の本が多く、ちょっと『宝島』風ではあるが、あまり外れはないようで、しっかりと作られている印象はある。装丁などは拙いが、暇なときに読むには最適と言えるかも知れない。少なくとも、鉄道推理ミステリーを読んだときのように、なんという無駄な時間を過ごしたのだと思ったりするようなことはないと思う。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ビンボーになったらこうなった!(本)』
by chikurinken | 2014-09-24 08:11 |

『ビンボーになったらこうなった!』(本)

b0189364_8454556.jpgビンボーになったらこうなった!
橋本玉泉著
彩図社文庫

非常に後ろ向きなビンボー読本

 フリーライターを長年続けてきたが、出版不況の煽りを受けて食えなくなったという著者の貧乏話。現在、深夜の肉体労働でなんとか食いつないでいる(それでも相当な借金がありそうだが)ということで、家族を抱えて大変な状況がうかがわれる。身につまされる話で、僕なども困窮しているが、僕よりも数年先を進んでいるという印象である。これほど困窮する前になんとか手は打てなかったものかと思うが、少なくとも僕はこれを他山の石にしたいと感じている。
 本書では、50代の家族持ちが職を得られない現実、貧乏暮らしの現実、借金返済のコツ(?)、自己破産のメリットなどが紹介される。中でも他人に貧乏暮らしのことを話すと、甘えていないで仕事を増やせなどと言われることに腹が立っているようで、そういう妄言は現実を知らないせいだという恨み言をつらつらと書き連ねている。言わんとすることはよくわかるが、こういう愚痴めいたことを聞かされるのはあまり楽しくない。とは言っても、著者の境遇についてもよく理解できるし、こういう状況に陥らないようしっかりやらなければならんなという自覚を持つことはできた。せめて著者には境遇が好転していてほしいと思いながら読んでいたが、少なくとも執筆時においてはあまり状況が変わっていないようで、読んだ後もどんよりとした空気が続いた。調子の良くないときはこういった本を読まない方が良いかも知れない。現状に不安を感じている人は、こういう後ろ向きな本より、松下竜一の『底ぬけビンボー暮らし』でも読んで、前向きに生きることをお奨めしたい。
★★★

参考:
竹林軒出張所『パリ・ロンドン放浪記(本)』
竹林軒出張所『戦場から女優へ(本)』
竹林軒出張所『ホームレス大図鑑(本)』
竹林軒出張所『にあんちゃん(映画)』
竹林軒出張所『山之口貘の詩、そしてとぼけた味わいの曲』
by chikurinken | 2014-09-23 08:45 |

『芙蓉の人〜富士山頂の妻』(1)〜(6)(ドラマ)

芙蓉の人〜富士山頂の妻(2014年・NHK)
演出:清水一彦、土井翔平
原作:新田次郎
脚本:金子ありさ
出演:松下奈緒、佐藤隆太、平田満、余貴美子、三浦貴大、勝村政信、堀内正美、市毛良枝

b0189364_7473317.jpgあまりに正攻法なため
少々面白味に欠ける


 新田次郎原作の同名小説のドラマ化で、全6回のシリーズ。なんとドラマ化は今回で4回目だそうで(過去NHKで2回、テレビ東京で1回)。
 新田次郎の原作らしく、この作品も山岳関連である。主人公の野中到と野中千代子は富士山頂での気象観測を始めたという人で、富士山での気象観測の礎を築いた。厳冬の富士山頂という厳しい環境を夫婦で(健康を害しながらも)過ごしたことが全国的に話題になって、明治の当時から小説や舞台のネタとして取り上げられたという。新田次郎のこの原作は戦後の作品だが、元々人気があったネタだったんだろう。それを考えると、この『芙蓉の人』が4回もドラマ化されたのも頷けるというもの。
 演出はNHKらしくきわめて正攻法で、キャストの演技も平凡である。プログラム・ピクチャーみたいなドラマだった。僕は新田次郎原作だからということで最後まで見続けたが、やはり全6回見るのはちょっと苦痛に感じた。もう少し演出などに工夫がないと、途中で飽きるんじゃないなどと考えてしまう。ましかし、新田次郎原作の映画やドラマは大体こんなもんで、新田次郎らしいと言えばたしかに新田次郎らしい。新田次郎作品は、山岳好きが原作で読むのに適しているんであって、あまり一般向けにドラマや映画にしない方が良いのかなと考えたりもする。
★★★

参考:
竹林軒出張所『劔岳 点の記(映画)』
竹林軒出張所『八甲田山(映画)』
by chikurinken | 2014-09-22 07:48 | ドラマ

森田つぐみ『愛のスケッチブック+3』(CD)

森田つぐみ『愛のスケッチブック+3』
b0189364_854917.jpg1. 少女期
2. 心の似顔絵
3. おろしたての放課後
4. お嬢さんお手をどうぞ
5. ウィークエンド
6. さよならは似合わない
7. もうひとつの時間割り
8. 恋の伝言板
9. 風の匂い
10. シャボン玉
<ボーナストラック>
11. めざめる頃
12. 恋して海岸通り
13. 冬の哲学

 永らくお待ちしておりました。
 森田つぐみのアルバム『愛のスケッチブック』が3日前に発売になり、とうとう入手することができた。思えばこのアルバムの復刻を望み、ソニーのオーダーメイドファクトリーにリクエストしたりして、しかもそのたびに無視され続け、結局待つこと5年。アルバムの発売が判明したのが数カ月前。やっと!という思いで8月に予約を入れ、2日前に手にしたという次第。
 あらためて言うのも何だが、森田つぐみは1976年にデビューしたアイドル歌手である。このブログでも以前書いたので、詳しくはそちらを見ていただくとして(竹林軒出張所『おとこごころをくすぐる歌』竹林軒出張所『森田つぐみ登場!』)、彼女の歌手としての活動期間は実質1年で、その後はバラエティ番組のアシスタント司会をやったり、NHKで歌のお姉さんみたいなこともやったりしたらしい。そのため、歌手としての活動で残っているものは76年に発表されたシングル・レコード3枚とアルバム1枚のみで、残された楽曲は全部で13曲ということになる。このあたり、同時期にデビューして消えていった三木聖子とまったく同じ境遇である(詳細については竹林軒『あるアイドル歌手の全記録「ベスト/三木聖子」』)。
 三木聖子もこの森田つぐみも、今聞くととても可能性を感じさせる歌手なんだが、時代との相性に難があったのか、二人とも1年で歌手活動を辞めている。なんとももったいない話である。そう言えば三木聖子だが、上記の記事を書いたときは消息を知らなかったが、その後判明したところによると、なんでも引退のきっかけは結婚だったそうで、言ってみれば寿退社ということになる。相手は音楽プロデューサーだかなんだかで、ステージの企画をやる人だったと思うが、三木聖子も引退後、彼の仕事を手伝っていたということで、そうすると「事務員になっていた」という噂もまんざらデタラメではなかったわけだ。YouTubeにも以前、三木聖子が出演したバラエティ番組(「あの人は今」みたいな企画)がアップロードされていて、その時点で仙台在住で夫の仕事の手伝いをしているというところまではわかっていた。で、先週『爆報! THEフライデー』とかいうTBSの番組に、現在の三木聖子の消息が出ていて、それによると現在も仙台在住で、スナックの経営までやっているということがわかった。しかも、その番組では、店で「まちぶせ」を歌っている映像まで流されていた。これはもちろんテレビ用の企画だろうが、普段は歌わない……というか歌えないんだそうだ。もう声が出ないという話だ(もっともこの番組で放送された「まちぶせ」はある程度しっかり声が出ていたが)。それからこの番組では、三木聖子の体験をユーミンが歌にしたものが「まちぶせ」だというエピソードも披露されていた。道理で三木聖子版の「まちぶせ」に鬼気迫る迫力があるわけだ……と妙に納得したのだった。
 それはさておき、森田つぐみだ。森田つぐみも随分消息がわからなかったんだが、今はWikipediaに「森田つぐみ」という項目があって、それによると、西宮のカフェバーで店長を務めていて、ときどきピアノも弾いているらしい。お元気そうで何よりである。(このCDのライナーによると)元々ピアノで音大を志していたこともあるらしいんで、今は楽しみながら仕事なさっているんではないかと推測される。
b0189364_861370.jpg このCDには、オリジナルの『愛のスケッチブック』全曲プラス3曲が収録されているが、特にボーナストラックの「冬の哲学」と「恋して海岸通り」がお奨めである。「冬の哲学」は、TBS系列で放送されていた『笑って!笑って!!60分』の番組内コーナー「続・哀愁学園」の主題歌だそうだ(まったく記憶にない)が、シナリオライターの佐々木守が詞を書いており、「死んだ赤とんぼを見つけたわ今朝も」で始まる詞がなかなか深い。服部克久の曲も詞によく合っている。もう1つの「恋して海岸通り」は、アップテンポでノリがとても良い曲である。メロディラインも面白いが、どこかで聞いたことがあるような……と考えていたところ、山内賢と和泉雅子が歌ってヒットした「二人の銀座」に前半部がよく似ている。そのためか、どこかベンチャーズ歌謡風のノリの良さがある。あ、「二人の銀座」の作曲はベンチャーズなのね。「恋して海岸通り」には、それに加えアイドル歌謡風の味も含まれていて、それがまた良い。
 このCDがどれだけ売れるかはわからないが、たとえあまり売れなくても、販売元はこれに懲りて同じような企画から手を引いたりしないでもらいたいと思う。こういう企画は、たとえ売れないにしてもアーカイブ、資料という観点から見てとっても大切なのだ。ちなみにこのCDを販売するという大英断を下したのはウルトラ・ヴァイヴという会社である。感謝感謝。

参考:
竹林軒出張所『おとこごころをくすぐる歌』
竹林軒出張所『森田つぐみ登場!』
竹林軒『あるアイドル歌手の全記録「ベスト/三木聖子」』
by chikurinken | 2014-09-20 08:07 | 音楽

『ダンナ様はFBI』(ドラマ)

ダンナ様はFBI 〜愛のミッション〜(2014年・NHK)
演出:篠原哲雄
原作:田中美絵
脚本:関えり香
出演:田中麗奈、エリック・ボシック、田島令子、北見敏之、ドーキンズ英里奈

国籍だけでなく、人間としても異文化

b0189364_833063.jpg 田中ミエという人が書いた同名タイトルのエッセイのドラマ化。
 コピーライターで売り出し中だったミエが、ひょんなことからFBI勤務のジムと出会い、結婚、出産、別れに至るまでを描く。
 見所は、頑固で変わり者のアメリカ人の夫との文化ギャップ。ドラマ自体は非常にオーソドックスで、破綻はない。途中、原作者の田中ミエ本人が登場し、リアルなジムについて語る。「ドキュメンタリードラマ」というタイトルが付いているのはそのためだろう。
 ジムはかなりの頑固者で、ちょっとどうかなというような要素もあるが、著者の目から見た彼は、真っ直ぐで一途、かつ冷静な人間に映っていたようで、ドラマでもそういうキャラクターで描かれている。
 主演のミエを演じる田中麗奈も魅力的だが、エリック・ボシックが、いかにもアメリカ人らしい日本語を使っていて非常にリアリティがあった。端正に作られたドラマで欠陥はないが、一方で非常に説明的であり、飛び抜けて面白いというような要素もあまりない普通のドラマであった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ナンシー関のいた17年(ドラマ)』
竹林軒出張所『忌野清志郎 トランジスタ・ラジオ(ドラマ)』
竹林軒出張所『チェルノブイリの真相 ある科学者の告白(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『未解決事件File. 02 オウム真理教(ドキュメンタリー』
竹林軒出張所『手塚×石ノ森 ニッポンマンガ創世記(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2014-09-19 08:04 | ドラマ

『のぼうの城』(映画)

b0189364_739138.jpgのぼうの城(2011年・東宝)
監督:犬童一心、樋口真嗣
原作:和田竜
脚本:和田竜
出演:野村萬斎、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之

こんな映画で良いんスか?
と問いたくなるような映画


 豊臣秀吉の小田原征伐の際に最後まで抵抗を見せた忍城の逸話を元にでっち上げられた与太話が原作。
 はたからは能なしに見える「のぼう」(=でくのぼう)と呼ばれる男(成田長親)が実はスゴイ男だったというよくあるパターンを踏襲している。こういう話で重要になるのは、「実はスゴイ」と言う部分にいかにリアリティを持たせるかなんだが、この話にはまったくそういう部分のリアリティがなく、正直言って著者(あるいは製作者)が一人で面白いでしょとはしゃいでいるような印象しかない。エピソードについてもデタラメなものばかりで、そういう部分にも説得力がない。この映画のキャッチコピーにもなっている「奇策」についても奇策らしい奇策はほとんどなかったと言って良い。あまりにくだらないんで最初の1時間で見るのをやめようと思ったんだが、途中でやめるのが忍びなかったので結局ダラダラと最後まで見た。
 唯一の見所は特撮シーンぐらいか。出演者の演技もオーバーで、しかも声が聞きとりにくくて何言ってんだかわからない場面も多いし、そういう点の見所は皆無と言って良い。どうしてこの映画が世間で評価されたのか皆目見当が付かない(第36回日本アカデミー賞で各賞を総ナメにしたらしい)。端的に言うと「もう奥さん、漫画やワ」というような荒唐無稽な話で、まっとうな大人が一生懸命見るには少々苦しい。
★★☆

参考:
竹林軒出張所『グーグーだって猫である(映画)』
竹林軒出張所『眉山(映画)』
by chikurinken | 2014-09-17 07:39 | 映画