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竹林軒出張所

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讃岐裕子、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

b0189364_1313919.jpg 「讃岐裕子のハロー・グッバイ」の記事で紹介した讃岐裕子のアルバム、『メリー・ゴー・ラウンド』が復刻される可能性が出てきた。11月の記事で「復刻よろしく」みたいなことを書いたがなんとあれからわずか2カ月! 森田つぐみのケースより早いではないか……。
 これは、Sony Music Shopというサイトの話なんだが、このサイトに、過去の絶版アルバムを復刻する「オーダーメイドファクトリー」という企画がある。これまでも、フォーク・デュオ、「たんぽぽ」(モー娘。とは一切関係ない)のアルバム復刻なども手がけ、その企画力についてはなかなかなんだが、今回ついに『メリー・ゴー・ラウンド』が復刻候補に挙がった。
 このサイトのシステムでは、まず候補に挙がったら、リクエスト受付が始まる(1stステージ)。それが100票に達したら、正式な予約受付が始まる(2ndステージ)。こちらは実際の注文である。ここでも100件になったら、1カ月程度で復刻され、正式な予約注文者に発送されるという仕組みである。要は100枚以上ならプレスしてやるヨということらしい。現在1stステージの段階なので、まだまだ先は長いが、ネット上の印象では心待ちにしている人が相当数いるような感じなので、たぶん復刻されるのではないかと思う。
 元々『メリー・ゴー・ラウンド』の復刻については、僕がオーダーメイドファクトリーにリクエストしたものなので、このアルバムがピックアップされたこと自体に驚きはないが、リクエストしてから数ヶ月経っていたため半ばあきらめていたところだ。現在中古市場を当たっているという状態で、ブツはほとんど出回らないし、過去のデータを見ても結構な値段がついている。その点から考えても、オーダーメイドファクトリーの3150円という価格はお手頃である(ちなみにオーダーメイドファクトリーでは基本的に3150円均一である)。しかも『メリー・ゴー・ラウンド』に収録されていなかった6曲も追加されるということで、今から中古CDを買うよりよっぽど良い。不当に高く売っていた人々にザマミロと言ってやりたいところだ。もっともまだ復刻されることが決まったわけではないが。
b0189364_13133593.jpg これまでオーダーメイドファクトリーでは、『たんぽぽセルフ・セレクション』、『アクトレス・ミラクルバイブル 夏目雅子・早乙女愛・池上季実子・真行寺君枝・古手川祐子』(←マニアックでしょ)、吉田真梨『まっ赤な耳たぶ+10』の3枚の復刻CDを買っているが、特に『たんぽぽセルフ・セレクション』が伸び悩んで、なかなか予約数100にならなかった。最終締め切り(締め切りは何度か延ばされるが、おそらく最終になるのでは……といういよいよ最後の締め切り)の前に96くらいまで届いたんだが、締め切りに間に合わない感じだったんで、僕は、すでに注文していたんだが2枚目も注文したのだった。結局締め切りの前夜くらいに100に達し何とか復刻されることになった。そういうわけでこのCDは2枚持っているのだ。1枚は未開封であるため、そのうちオークションで売ろうかと目論んでいる。直前に予約数が延びたところを見ると、僕と同じように複数枚買った人が他にもいるのかも知れない。ともかくそれくらい「たんぽぽ」の復刻は、ファンの間では悲願だったのだ。一方で『アクトレス・ミラクルバイブル』は復刻実現まで随分早かったんで、やはり要は知名度と人気ということになるんだろう。
 『メリー・ゴー・ラウンド』がどちらに転ぶかは予断を許さないが、登場して6日間で19の予約を集めたところを見ると、なんとなく大丈夫なような気もする。1日でも早く実現するといいな……と思うオッサンであった。

参考:
オーダーメイドファクトリー 讃岐裕子『メリー・ゴー・ラウンド』
竹林軒出張所『讃岐裕子のハロー・グッバイ』
竹林軒出張所『ゆけゆけ裕子、どんとゆけ!』
竹林軒出張所『復刻終結宣言 またはメリー、メリー・ゴー・ラウンド』
by chikurinken | 2009-12-31 13:15 | 音楽

2009年ベスト

b0189364_1284251.jpg年末ということで、恒例の今年のベストというのを僕もやってみます。
(リンクはすべて過去の記事)

今年読んだ本ベスト3+1

『帝国以後』
『昭和史 1926-1945』
『なぜあの人はあやまちを認めないのか』
次点:『ニホンミツバチが日本の農業を救う』

 エマニュエル・トッド著『帝国以後』は圧巻だった。来年は、今年買ってまだ読んでいない、トッドの大著『世界の多様性』にも手をつけようと思う。新刊『デモクラシー以後』も注目である。
 『昭和史 1926-1945』、『なぜあの人はあやまちを認めないのか』、『ニホンミツバチが日本の農業を救う』は、どれも新しい視点を提供してくれた本。おかげで視野が少し広がった気がする。

b0189364_1293744.jpg今年見た映像ベスト3

『シッコ』(映画)
『祖国に幸せを』(ドキュメンタリー)
『冬の花火 わたしの太宰治』(ドラマ)

 今年は映画やドキュメンタリーをあまり見ていないので、映像でひとくくりということで。『シッコ』は医療制度のあり方についての問題提起と示唆。『祖国に幸せを』は、政治のあり方についての問題提起で、アフガニスタンの現在の息苦しさが伝わってくる快作だった。
 『冬の花火 わたしの太宰治』は、鮮烈な太宰治像が印象的であった。
by chikurinken | 2009-12-30 12:12 | ベスト

『ギャル農業』(本)

b0189364_18131431.jpgギャル農業
藤田志穂著
中公新書ラクレ

 「ギャル」と呼ばれる女性が、米作りや野菜作りを始めた話を簡単にまとめたもの。渋谷などに集まるケバイファッションの女性が今「ギャル」と呼ばれているというのはよく知らなかったが、ガングロなどもこの「ギャル」に含まれるようだ。この本の発想は、ああいったケバく軽い女が農業に手を染めるということに対する興味から出たものだろうが、本書を読めばわかるんだが、著者はケバく軽いというような女性ではないんだな、これが。本書の印象では、素直で真摯、なおかつ謙虚で聡明という感じで、そういう人であるからこそ、環境や農業について懸念するのも考えてみれば自然な流れである……本当のところは。人を外見で判断してはならないのだ。
 ともかく、そういった著者が、世間の「ギャル」のイメージを変えたくて起業し(マーケティングの企業で黒字続きだったそうです)、やがて社長を辞めて本格的に農業に関わるようになった。そのあたりの事情を本書で語っている。経歴が面白いため、会社がどのように成功したかや、農作業の内容だけではなく農業を始めるに当たってのプロセスなどに興味があったのだが、このあたりは残念ながら省略されている。本人にとってはあまりそのあたりの意識がないのかも知れないが、ここのところが一般的には一番興味ある部分だ。会社を運営するのも農業を始めるのも(特に日本では)簡単ではないのでね。そこらあたり残念である。
 4章だてで構成されているが、3章と4章は、著者の考え方というか哲学がエッセイ風に記述されていて、「ギャル農業」の部分とは直接関係ない。もちろん、著者の考え方やものの見方は素直かつ謙虚で、読んでいて非常に気持ち良く、若いのに偉いなと思うのだが、いかにもページを埋めるために加えたという感じを受ける。こういう部分を追加する代わりに、先ほども言ったように、会社の内容や農業に入っていくプロセス(農家の協力を得るための方法など)を詳しく描いてほしかった。
 内容は全体的に薄めである。文章も真面目で素直なため、1時間ちょっとあれば全部読める。少しもの足りない感じもするが、ただ、本をあまり読まない若者向けのメッセージという主旨であるならばそれも納得できる。
 ともかく、本書で著者の魅力は非常によく伝わってくる。だから読んでいて心地良い。要は「人は見かけによらない」ってことだ。

★★★☆
by chikurinken | 2009-12-29 18:14 |

『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』(映画)

エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?(2005年・米)
監督:アレックス・ギブニー
原作:ベサニー・マクリーン、ピーター・エルキンド
出演:ピーター・コヨーテ、ケン・レイ、ジェフ・スキリング、アンディ・ファストウ

b0189364_1028253.jpg 2001年に経営破綻して崩壊したアメリカの巨大企業エンロン。その繁栄と崩壊の顛末を追ったドキュメンタリー。
 アメリカの巨大エネルギー企業、エンロンが破綻したのは2001年ということで、こちらとしては対岸の火事で今ひとつよくわからなかった。エンロンなんて企業名も聞いたことがなかったし、何をやっていたかもまったく知らない。影響は日本を含めて非常に大きかったがようだが、自分に直接影響があったかどうかさえピンと来ない。
 最近になってアメリカの経済政策のデタラメさを少し勉強するようになったのだが、その中でもエンロン問題はよく出てきて、それでももう一つはっきりしない。どうもボヤッとしている感じである。
 エンロンを題材にしたドキュメンタリー映画があることは前から知っていたので、これを機会に見ようと思い、今回借りてきて見た。エンロンに関わった人々が実写で出てくるので、そういう意味では具体的なイメージがつかめ、本で読むよりもわかりやすい。全体のテンポが早すぎて何度かDVDを止めながら見たが、それでも「なるほどよくわかった」というレベルにはほど遠い。いまだうすらぼんやりとした理解のままである。もっともエンロン自体、何をやってるかよくわからない企業だったし、しかも決算さえいい加減なもので公開もしていなかったんで、このぼんやりとした感覚はエンロンにふさわしいのではないかとも思う。
 ぼんやりしてはいるが、僕なりの理解では、エンロンという企業は詐欺企業で、(想像以上に)デタラメな会計、利己主義、傲慢さを特徴とする集団であるということか。一番驚いたのは、あまりに幼児的な利己主義で、カリフォルニアの停電騒ぎを引き起こしてそれを食い物にしたくだりはまさに開いた口がふさがらない。電気を提供する公共事業に関わっていながら、停電を意図的に引き起こしてそこかから莫大な利益を生み出す(同時にそれで莫大な損失を被った人々 -- 一般の市民 -- もいるわけである)という、その神経が理解できない。間にいろいろなものが挟まってはいるが、普通に考えれば盗みである。しかも先のことをまったく見通せていない刹那性もそこにある。頭が悪いですまされない(ちなみにエンロンの元CEO、ジェフ・スキリングは天才と自称ししかもそう呼ばれていたらしい……価値観が転倒している)。

★★★☆
by chikurinken | 2009-12-28 10:29 | 映画

『縦並び社会』(本)

b0189364_18153995.jpg縦並び社会 貧富はこうして作られる
毎日新聞社会部著
毎日新聞社

 2005〜2006年に毎日新聞で連載された格差社会のレポートをまとめた本。2006年に買った本だが、2009年末の今まで積ん読状態で、やっと読了することができた。
 小泉政権の「構造改革」路線によって破壊された、さまざまな労働の現場のレポートで始まり、その原因である市場経済万能路線、海外でのさまざまな事例、識者のインタビューで構成される。小泉政権によって「構造破壊」された日本国内の悲惨な状況を広範に捉え、しかも今後進むべき方向性まで示唆している。
 状況は現在でも大きく変わってはいないが、小泉時代の見直しに入った現在これを読むとまた異なった感慨がある。この本で示唆されている方向になんとなく進んでいるような気もして、それが少しは救いになる。

★★★☆
by chikurinken | 2009-12-27 18:16 |

『育毛物語』(本)

b0189364_913859.jpg育毛物語
双田譲治著
コモンズ

 昨日も取り上げた『育毛物語』。
 二部構成で、前半は「サロン編」(さまざまな育毛・発毛サロンの無料(または有料)体験コース訪問記)、後半は「医療編」(発毛医療機関や通常の医療機関などでの取材)。前半が現在の育毛サロンの現状報告で、後半がその論理的整合性を医学的見地から検証するという構成である。
 「サロン編」で訪れたサロンは、アートネイチャー、アデランス、リーブ21、テクノヘア、プロピア、バイオテック。その他にも消費生活センターを取材しており、育毛・発毛サロン関連の苦情や問題点を訪問体験と照らし合わせながら聞き出している。
 そもそも、著者自身、髪の毛が気になるという動機でサロン、医療機関を回っているため、実際に訪れる人達と同じ立場の訪問体験記になっており、その点、単なるジャーナリズム的アプローチよりも親切といえば親切。サロン側の詐欺的手法を、実際の被害者(?)と同じ立場で感じており、非常に好感が持てる。著者はフリーライターらしいが、随所に(聞いたこともないような)複雑な薬剤の名前が出てくる。そっち方面の専門家かとも思ったが、代替医療や健康関連が専門だとかで納得した。
 本書で暴かれている育毛・発毛サロンの実態は、あまりにすさまじく、こちらの印象としては、(一時期問題になった)詐欺的なリフォーム業者や、高いリトグラフを売りつける詐欺的な街頭美術販売などと変わらない……というよりもっとひどい詐欺である。テレビなどのマスコミを使ったイメージ戦略で平然と悪徳商法を続け、マスコミを丸め込むことで告発を回避するどうしようもない人々という印象を受けた。
 サロンでは、どこも異口同音に、油脂成分が毛穴に詰まって発毛が阻害されるという主張を繰り返すが、その論理的根拠については、後半の「医療編」で検討される。この主張はいうまでもなく、他の主張も、現在の医学的常識と照らし合わせてデタラメであることが浮き彫りにされる。もちろん微妙な点もあるが、それについても人によって意見が分かれるような問題で、こういうことを根拠に断定的かつ脅迫的に客を脅す手法は許し難い。
 「医療編」では、発毛・育毛を扱っている医療機関も登場する。施術については、サロン同様疑問が残るが、サロンと比べて価格が異常に安い。「異常に安い」というのはサロンと比べた感覚で、普通の医療機関と比べると割高である。しかし本当に自らの施術に自信を持って社会に奉仕するなどという立場をとるなら、このくらいの価格でも十分経営を維持できるということで、サロンは明らかに不当に金を巻き上げているということになる。
 ともかくこの本で、業界のいろいろなことがわかる。しかも足を踏み入れる気にもならない詐欺的な場所にも潜入取材していることを考えると大変有用である。「サロン編」と「医療編」の二部構成も、読み終わってみるとよく考えられていると思う。随所にユーモアもちりばめられていて読みやすく面白い。

★★★★
by chikurinken | 2009-12-25 09:13 |

おそるべし、頭髪産業

 薄毛や抜け毛を治療する方法はないということは一般常識として知っているが、テレビCMで「発毛成功率96.8%」などと自信満々に言われる(リーブ21)と、いったいどんな治療をやっているんだと気になるものである。息子から「本当なの?」と訊かれ「あんなの嘘だよ」と言いながらも、心の片隅に「本当なのかな……」と思ってしまう自分がいる。少なくともそう言いきるだけの根拠はかれらにあるんではないか……とこう考えてしまう。合理主義の極みみたいな僕でさえそうである。信じ込みやすい性格でしかも頭髪に不安を抱く人であれば、ついふらふらとコマーシャルに誘われて、かの発毛無料体験とやらを訪れてもなんら疑問はあるまい。
 もちろん僕はあんなところに行く気はまったくないが、訪問体験記みたいなものがあれば是非読んでみたいと思っていた。そういうわけで『育毛物語』(双田譲治著、コモンズ刊)という本を借りた。この本の著者は、さまざまな育毛・発毛サロンの無料(または有料)体験コースを訪れており(いわば潜入取材)、その体験記がこの本の前半部分である。訪れたサロンは、件のリーブ21の他、アートネイチャー、アデランス、テクノヘア、プロピア、バイオテックで、その他にも消費生活センターを取材している。
 このような企業と利害関係がないためか、記述は率直で、遠慮もよどみもない。結論から言うと、発毛・育毛という点ではどれもインチキで、異常に高額、しかも妙ちきりんな機械や薬品を大量に買わせるという点で、エセ宗教団体に非常に近い。要するに詐欺である。これだけの詐欺行為が行われていながらマスコミが一切報道しないのは、言うまでもなく育毛・発毛産業が広告料収入源のお得意様であるためだ。
b0189364_15585690.jpg 無料体験(中には無料とうたいながら金を取るところもある……こういうレベルからして詐欺的)で誘って、高額な契約を結ばせるというやり方で、巷の悪徳商法とまったく同じである。金額は、1年間コースで約50万円(アートネイチャー)から170万円(リーブ21)とさまざまだが、リーブ21の全額保証コース(発毛しなければ全額返却するといううたい文句)に至っては、2年コースで745万円だと! ブッタマゲーション! 恐るべき集金システムである。
 実際に行われている施術はどこも似たり寄ったりで、しかもどれもアヤシイ。中には電気を身体に流すなど大変危険なものもある。使うシャンプーは、生薬を中心にした身体に安全なものとどこもうたっているが、実態は合成洗剤(界面活性剤)で、これも嘘。とにかくあらゆることが嘘のオンパレードである。危険な薬剤を処方するところもあり、髪がたとえ一時的にはえたとしても、身体に何らかの異常が出る可能性も高い。ともかくその実態はすごい。想像以上で、腰を抜かさんばかりだ。よくもまあ、平気でこれだけ嘘がつけるなという業界である。「発毛成功率96.8%」も推して知るべしだ。
 ちなみに『育毛物語』の後半は、医療機関など、発毛に対して第三者的な意見を述べる機関への取材で構成されている。サロン側とこちら側では価値観というかものの見方がまったく違うという印象で、そういう点からも頭髪業界の異常さがわかる。

↑写真はオウムのヘッドギア

by chikurinken | 2009-12-24 16:01 | 社会

ペン(万年筆)で描く……ふたたび

 ペン(万年筆)で描く場合、通常鉛筆で下書きなどしないため、形が狂えば修正がきかない。そんなわけで多少いびつになることも多いが、それでもハッチング(線による陰影表現)などが良い感じで仕上がると、それはそれで味が出るものだ。鉛筆で下書きすると、そこそこしっかりした形は維持できるが、いきなりペンで描いたときのようなアドリブの面白さがなく、なんとなく萎縮した絵になってしまうので、どちらをとるかという、一種のトレードオフになってしまう。それにいきなりペンで描くときの緊張感はなかなか良いものだ。銀塩カメラのシャッターを切る瞬間に通じるものがある。

例:顔が異様に長すぎるが、それはそれで味がある(ペン)。
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似てはいるが形が崩れたヘプバーン(ペン)。
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鉛筆で描けばこのくらいのものになる。カーシュの写真が元図(鉛筆)。
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デッサンも表現もうまくいった数少ない例(ペン)。
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by chikurinken | 2009-12-23 14:36 | 美術

『あぶらげと恋文』(本)

b0189364_2018596.jpgあぶらげと恋文
松下竜一著
径書房

 松下竜一が作家になる前、高校を卒業して豆腐屋をやっていた頃の青春記。
 本人の日記が基になっているが、あまりに悲惨な青春時代に、読んでいるこちらがうちのめされる。誰しも青春時代と言えば苦い想い出もあるが、ちょっとレベルが違う。
 貧困と絶望に覆われ、ただただ死ぬことばかりを考える著者。商売はうまくいかず、兄弟は荒れ、家庭は崩壊寸前。家を出て行った兄弟たちも勤めがうまくいかず、松下に金を無心する。家庭の問題による不幸が次から次へと襲いかかる。
 本人は本人でコンプレックスにさいなまれ、自分の将来に絶望し、文学と映画が唯一の楽しみと来ている。ただ一人と言っても良い友人さえも貧困の中、苦しみながら死んでいく。まったく救いがない。もちろんこの時代、多くの人々が貧困に苦しんでいたが、松下の周辺にある貧困は、群を抜いている。
 この話の舞台は1958年から1960年までで、本書が出版されたのが1988年。おそらく本人にとってもこの青春時代を冷静に振り返るのにこれだけ時間がかかったのだろう。この本が出た頃、著者はすでに結婚もし、貧しいながらも専業の作家としてやっており、あれだけ問題を抱えた兄弟たちもそれぞれ自立している。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『暗闇の思想を(本)』
竹林軒出張所『明神の小さな海岸にて(本)』
竹林軒出張所『ルイズ 父にもらいし名は(本)』
竹林軒出張所『五分の虫、一寸の魂(本)』
竹林軒出張所『潮風の町(本)』
竹林軒出張所『小さなさかな屋奮戦記(本)』
竹林軒出張所『仕掛けてびっくり 反核パビリオン繁盛記(本)』
竹林軒出張所『ケンとカンともうひとり(本)』
by chikurinken | 2009-12-21 20:19 |

「元気を出して」の元気が出ない話

b0189364_12212645.jpg 薬師丸ひろ子のデビュー・アルバムに 『古今集』 というのがある。もう25年も前に出たものだ。当時まだCDが普及する前で、僕はカセット・テープ版を持っていた。薬師丸ひろ子が演技だけでなく歌でもなかなか面白い存在であることを証明したアルバムで、巷でもかなり話題になり、しかも相当売れたという印象がある。
 薬師丸ひろ子の中でも結構メジャーなアルバムだと思っていたので、図書館とかレンタルの店に置いてあるだろうと思うとさにあらず、どこにもなく、だからと言って(前に持っていたから)今さら買うのも少ししゃくだし……というわけで永らくそのままになっていた。個人的に少し思い入れがあるアルバムなので、なんとか手元に置きたいとは思いつつ、そろそろ買おうかなと思っていたところ、すでに品切れ状態になっていたのだった。
 ところが最近、とあるネット・レンタル・ショップにあることが分かり、やっと借りることができたという状態である。もちろん過去何十回も聴いているので、今聴いたところでとりたてて感慨があるわけでもないが……そこはそれ、やはり懐かしさはある。
 この中に「元気を出して」(作詞・作曲:竹内まりや)という曲が入っていて、その後、竹内まりやの歌がヒットしたようだが、僕にとってはやはり薬師丸ひろ子の「元気を出して」なわけである。なんと言ってもしみじみとささやくような歌い方が良い。竹内まりや版を最初聴いたとき、その演歌調な歌唱に、腰を抜かさんばかりだった(かなりオーバーだが)。演歌歌手でもないのになぜこういう歌い方をするのか皆目わからぬ。励ましの歌なんだから励ますように優しく歌うが良かろう。というわけで、やはり薬師丸ひろ子版である。特に彼女の場合、詞を刻むように丁寧に歌うので、本当に励まされているようで心持ちが良い。
 そういう丁寧な歌唱のせいもあり、歌詞カードを一切見ていなかったこともあって、この歌はてっきり「女→男」の歌かと思っていたのだ。どうやら「女→女」の励ましソングであることを知ったのは数年前である。
 ちょっと歌詞を見てみようか。

涙など見せない 強気なあなたを
そんなに悲しませた人は 誰なの?
終わりを告げた恋に すがるのはやめにして
ふりだしから また始めればいい
幸せになりたい 気持ちがあるなら
明日を見つけることは とても簡単

少しやせたそのからだに 似合う服を探して
街へ飛び出せばほら みんな振り返る
チャンスは何度でも 訪れてくれるはず
彼だけが 男じゃないことに気付いて

あなたの小さな mistake いつか想い出に変わる
大人への階段を ひとつ上ったの
人生はあなたが 思うほど悪くない
早く元気出して あの笑顔を見せて

 「女→女」であることを決定づけるのは「彼だけが 男じゃないことに気付いて」だけだ。普通に考えればこの「気付いて」は命令形である。だが薬師丸ひろ子の歌だと、「気付いて」が連用形であるかのように聞こえる(僕には聞こえた)。つまりどういうことかというと、その前のフレーズまでが「相手に対する励ましの言葉」で、このフレーズが自分を主人公にしたつぶやき……つまり、失恋した彼を励ましている自分がいるが、同時にその彼だけが男じゃないことに気付く自分もいるという状況である。従って「女A→男」だが、「男→女B」だった「男」が「女B」に失恋という複雑な(だがよくドラマなんかになる)状況を表していると思い込んでいたわけだ。そういうわけで僕はこの歌がわりと好きだったんだが、「女→女」の励ましソングであると気付いてから急激に醒めていったのだった(作者の意図が「女→女」であるのは、間違いない)。とはいうものの、薬師丸ひろ子のささやくような歌唱は好きで、今でもよく聴いている曲である。竹内まりやのはほとんど聴かない。
by chikurinken | 2009-12-19 12:23 | 音楽