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竹林軒出張所

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『ぼくに死刑と言えるのか』(本)

b0189364_2072757.jpgぼくに死刑と言えるのか もし裁判員に選ばれたら
北尾トロ著
鉄人社

 裁判の傍聴記でお馴染み、僕にとっては「オンライン古本屋のおやじさん」でお馴染みの北尾トロ氏が、裁判員制度について真剣に考察した本。中身は雑多でムック本に近い(見た目は普通の本)。
 裁判員制度が始まるに当たり、自身でも裁判員を疑似体験してみようということで、熊本の模擬裁判に参加したり、傍聴しながらも裁判員になったつもりで量刑について真剣に考えたりする。このあたりの態度が実に真摯で、目の前のことを自分のこととして消化しようという態度が伺え、大変好感が持てる。もちろん、内容も充実しており、全編通じて出てくる傍聴記では、自分を裁判員の立場に置き換えながら、公判を実況する(ただし公判は、裁判員制度以前のもの)。笑える箇所もあるが、おちゃらけた感じはまったくない。公判傍聴記は阿蘇山大噴火のもの(どちらかと言えば笑い中心)しか読んだことがないが、北尾トロ氏のものも何冊か読んでみようかと思わせるものがあった。
 途中、「死刑」関連書でお馴染み、映像作家の森達也との対談もある。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『死刑(本)』
by chikurinken | 2009-11-29 20:08 |

『野村学校の男達』(本)

b0189364_1295475.jpg野村学校の男達
復活・変身37選手が明かした「ノムラの教え」

永谷脩著
徳間書店

 野村克也・前楽天監督により影響を受けた野球選手たちの聞き取りを通じ、野村野球、野村克也の魅力を語る本で、雑誌の連載を1冊の本にまとめたもの。登場するのは、楽天の山崎、岩隈、中村ノリ、草野をはじめ、西武の現監督・渡辺久信、ヤクルトの宮本、元ヤクルトの小早川、荒木、飯田ら。
 野村野球の魅力が隅から隅まで語られる。確かに野村野球は面白いしすごいと思うが、これだけ並べられると、ちょっと胡散臭さも感じるところだ。それに野村自身の人間性についても、全体を通じて高く評価されているが、それについては多少疑問を感じた。荒木大輔が少しだけ触れている(本当に婉曲的で遠慮がちであるが)野村克也の人間的未熟さの部分の方が、僕には興味深かった。

★★★
by chikurinken | 2009-11-28 12:10 |

『明神の小さな海岸にて』(本)

b0189364_843963.jpg明神の小さな海岸にて
松下竜一著
教養文庫

 『暗闇の思想を』の続編で、『暗闇の思想を』で展開された豊前火力発電所建設反対闘争の続きを描いたもの。
 『暗闇の思想を』の後、九州電力と行政はついに発電所建設を強制着工することになる。それに対し、反対派は座り込みなどの手段で対抗する。その過程で、3人の仲間が逮捕され、1カ月以上も拘留されることになる。強制着工に対し抗議行動を続けながらも、着々と進められる埋め立て作業はどうすることもできない。その間、自分たちの運動について自問自答を繰り返す。逡巡を繰り返しながらも確固たる意志を確立する。かれらの行動は爽快ではあるが、破壊されていく環境と同様、どこか痛ましい感じもする。とは言え、かれらがこのときに示した行動とその哲学は、地球温暖化に直面する現在のわれわれにあらためて強烈なメッセージを投げかけてくるものである。
 以下、本書より引用。

 私たちが豊前火力阻止闘争の中で訴え続けてきた<暗闇の思想>は、そのいささか大げさな意匠をとり払えば、要するに限りなく貪欲な物質文明の抑制を説いているに過ぎない。このまま発電所増設を認め続けるならば、物質生産は限りなく、それは必然として資源を喰いつぶし自然環境を浄化不能なまでに破壊し人間性を脆弱にし、ついには自滅への道をころがっていくだろうことは眼にみえている。
 ここらで踏みとどまって、発電所のこれ以上の新増設を停止し、今ある電力で可能な程度の生活を築こうと、私たちは主張し続けてきた。否、今ある電力をもっと抑制しても可能な生活に戻ろうといい続けてきたのだ。誘惑されやすい私たちの欲望につけこんで次々と買い込まされてきた製品を、そのような眼で点検するとき、多くの物は過程から追放されることになろう。そしてそれは当然生産拡大をも抑制せしめることになろうし、私たちの過程の電力需要をも抑制するだろう。(追放される物の中に、多くの電化製品が含まれていようから)

★★★☆

参考:
竹林軒出張所『暗闇の思想を(本)』
竹林軒出張所『ルイズ 父にもらいし名は(本)』
竹林軒出張所『あぶらげと恋文(本)』
竹林軒出張所『五分の虫、一寸の魂(本)』
竹林軒出張所『潮風の町(本)』
竹林軒出張所『小さなさかな屋奮戦記(本)』
竹林軒出張所『仕掛けてびっくり 反核パビリオン繁盛記(本)』
竹林軒出張所『ケンとカンともうひとり(本)』
by chikurinken | 2009-11-27 08:07 |

『アラビアン・ナイト』(映画)

b0189364_14383787.jpgアラビアン・ナイト(1974年・伊)
監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ
脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ
出演:ニネット・ダヴォリ、フランコ・チッティ、フランコ・メルリ

 パゾリーニの「生」三部作の3作目。千夜一夜物語から何本かの説話を取り出して映画化したもの。だが、三重、四重の入れ子構造になっていてストーリーを追うのが少し厄介。大らかな性がふんだんに出てきて、部分部分では面白いが、全体としては正直とりとめがない感じもする。
 千夜一夜物語が基になっている(と思われる)ため、ストーリーは荒唐無稽である。(たぶんアラビア地方の)砂漠地帯でロケをしているので、アラビアン・ナイトの世界はよく再現されているんではないかと思う。ともかく、良いのか悪いのか評価が難しい映画だった。このあたりパゾリーニらしいと言えばパゾリーニらしいが。

★★★
by chikurinken | 2009-11-26 14:39 | 映画

映画をiPodで見る試み

b0189364_944736.jpg
 今使っているiPod classicを買ったとき、旅行に行くときなどに映画が見れるかなと思って選んだんだが、今の今まで映画をiPodで見たことはない。それどころか試みたことすらない。やはりiPodは音楽用ということか。
 一つには、iPodでの映画試聴にはさまざまな障害が予測されるということ。まずバッテリーの持続時間がある。ただこれは、僕が買ったiPod 5Gでは大分延びているようで2時間程度の試聴は問題なさそうである。次に考えられるのは、画面の小ささだが、これも、意外に見れるというのが実感である。映画をiPodで読み込める形にしてiPodに入れるという作業も手間がかかりそうで、大きな障害の一つである。だがこれとて、Macの高性能化とソフトウェアの多様化で大分解消されているような気がする。
 というわけで、一度くらいは試してみようじゃないかということで、今回トライしてみることにした。
 劇映画よりドキュメンタリーの方がiPodで見るには適しているんじゃないかと思い、以前から見るのがのびのびになっていたマイケル・ムーア監督の『シッコ』を選んだ。手順としては、

1. DVDから映画の中身を抜き出して、Mac上にコピーし(リッピング)、所定のフォーマット(MP4かH.264)に変換する。
2. iPodにコピーする。
3. iPodで見る。

ということになる。1のリッピングと変換については、Handbrakeというフリーソフトで一度に完了できるので、これを使う。なお、市販のDVDからリッピングする場合は、プロテクトがかかっているためそのままではできない。だが、VLCというアプリケーション(フリーウェア)を「アプリケーション」フォルダに入れておけば、HandbrakeがVLCを利用して自動的にプロテクトを外した上ですべての作業をやる。今回、上映時間約2時間の映画だったが、この作業は約1時間で終わった。思った以上に速かった。
 後は、できたファイルをiTunesに登録するだけだ(ドラッグ・アンド・ドロップする)。iTunesに登録した状態でiPodをMacに接続すれば、ファイルは自動的にiPodへコピーされる。この作業も数分で終わった。ということで、作業自体は、それほど負荷を伴うものではなかった。なお、ファイル容量は約700MB(「iPod Low-Rez」設定)。
 だが、問題は「見る」ときに起こった。この映画はハイビジョン・サイズで横長だった。で、字幕が下と横に出る。iPodの画面の比率はハイビジョンと違うため、結果的に左右がかなり切り落とされて表示されることになる。従って横に出る字幕が読めないのだった。それでも我慢して見ていたが、40分くらい見たところで断念し、続きはDVDで見ることになった。
 このあたりの設定方法がわからなかったためこういう事情になったが、きちんと設定すれば見れるんではないか……というのが率直な感想であった。そのため、映画を見終わった後、Handbrakeの設定で、両サイドがちゃんと表示されるようにならないかいろいろ調べたが、結局わからずじまい。だが、iPodをいろいろ調べていると、iPod側の設定に、全画面が表示されるようにするという項目があった(「設定」→「画面に合わせる」→「オフ」)。これで左右の切り落としは解消されるが、字幕がますます小さくなるというトレードオフがある。難しいところだ。なお、40分見たが電池はかなり残っていたので、2時間くらいだったら楽勝じゃないか。最近の機種であれば、電池の性能も上がっているので、十分実用になるんじゃないかと思う。ただ僕自身はもうやらないだろう。

Handbrakeによる変換……進行中(クリックで拡大します)
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by chikurinken | 2009-11-24 09:52 | パソコン

『シッコ』(映画)

シッコ (2007年・米)b0189364_17503750.jpg
監督:マイケル・ムーア
脚本:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア

 アメリカの医療制度を徹底的に批判したドキュメンタリー。
 すべてが金という資本主義型自由主義的医療のアメリカ。国民皆保険などは夢のまた夢。医療行為が自由競争に近いため法外な料金がかかる上、保険会社は加入者を出し抜いて保険金の支払いを拒否するアメリカ。金持ち以外はろくな医療を受けられない。指を2本切断してしまった患者に対し「中指が6万ドル、薬指が1万2千ドル」という料金を課す医師もいるらしい(この患者は薬指だけ元通りにしてもらった)。医療費のせいで家を売り、子どもの家に居候するはめになった老夫婦まで登場する。
 アメリカの医療の状況を、視聴者に対しこれでもかと突きつけた上で、他の国の状況を現地取材する。この映画に出てくる国は、カナダ、英国、フランス、キューバで、どこも医療費が無料の国だ。医療費が無料だとどういう感じかというのを、マイケル・ムーアが、高い医療費で苦しむアメリカ人の立場から実体験する。こういう対比は非常にわかりやすく説得力がある。
 日本の状況は、後者の国々とアメリカの間で、現在、アメリカ寄りといったところか。自民党政権の下、アメリカ型に急接近したが、彼らが目指していた制度がこれだということを疑似体験できる。
 この映画の主張は、医療費の無料化を目指すべきで、そしてそのためには市民が声を上げなければならないということ。非常に単純明快でわかりやすい。
 重い内容でありながら、いろいろな映像をモンタージュしてユーモアを醸し出すあたりもムーア流で、センスが光る。2時間まったく飽きずに見ることができる。

★★★★
by chikurinken | 2009-11-23 17:52 | 映画

『引き裂かれたイレブン』(ドキュメンタリー)

引き裂かれたイレブン 〜旧ユーゴのサッカー選手たち〜
(2000年・オランダ NPS/PVH)
NHK-BS1

b0189364_11162591.jpg 1991年に旧ユーゴスラビアからクロアチアが独立し、サッカーのナショナル・チームも2つに別れることになった。
 独立直前の1990年5月13日、ユーゴスラビア国内リーグのディナモ・ザグレブ(クロアチア側)対レッドスター・ベオグラード(セルビア側)戦で、セルビア側のフーリガンが暴動を起こすという事件があった。このとき、ザグレブで出場していたボバンは、セルビア側の警官に暴行を働いたというかどでその後しばらく出場停止になるのだが、少なくともこの事件がユーゴにおけるサッカーでの分裂を決定づけることになったようだ。当然ナショナル・チームに対しても敵意が起こり、選手間の内紛はないにしても、相手側選手に対する観客からの敵意はある。
 たとえばクロアチア側で開催されたユーゴ・ナショナル・チームの試合にあっては、ユーゴ・チーム(当時は自国)に対し大ブーイングが巻き起こり、ユーゴ国歌斉唱の際もヤジやブーイングでかき消されるほどで、試合開始前などは、1人の選手が他の選手に「2万人の敵を相手に試合しよう」と声をかけていたほどだ。このあたりもこのドキュメンタリーで放送されていた。当時の監督はイビチャ・オシムで、チームを見事にまとめていたが、さすがに内戦が起こり自分の身も危険にさらされることになると、辞任せざるを得なくなる。こうして、ユーゴ・ナショナル・チームは分裂したのであった。
 このドキュメンタリーでは、その過程を、映像を交えながら、当事者のインタビューで丹念に構成していく。登場するのは、オシム、ボバンの他、ミヤトビッチ、ミハイロビッチ、サビチェビッチなどで、インタビューは2000年の時点に行われている。
 このドキュメンタリーの軸になっているのは、2000年に行われたユーロ予選のユーゴ対クロアチアのホーム&アウェー戦で、ドキュメンタリーの最初と最後にこの2試合が登場する。予測されるとおり、それはそれはすごい雰囲気で、サッカーどころではないのではないかと感じられる。
 実はこのあたりの事情はオシム関連の本で以前読んでいたので、僕自身はあまり目新しさはなかったが、事情をあまり知らなければ結構ショッキングなドキュメンタリーなのではないかと思う。
 なお、僕が見たのはNHK-BS1で放送された50分バージョンだが、85分のバージョンがDVDで発売されているようだ。
★★★

参考:DVD『引き裂かれたイレブン〜オシムの涙〜』
by chikurinken | 2009-11-21 11:17 | ドキュメンタリー

『暗闇の思想を』(本)

b0189364_1421938.jpg暗闇の思想を 火電阻止運動の論理
松下竜一著
教養文庫

 松下竜一が、市民に愛される(気弱な)豆腐屋作家から、一般市民が眉をひそめるであろう闘う作家になる過程を描いた作。
 居住地の付近に建設が決まった豊前火力発電所に対し、それまでこの手の運動とはまったく関わりを持たなかった著者が、素朴な疑問を感じ始め、反対運動へと身を投じる過程、そしてその反対運動の進捗を描いている。
 弱い立場の市民が、自らの直感の正しさを信じ、大企業や行政に異議を唱える姿は共感を呼ぶ。著者らに私利私欲はなく(むしろ私財を投じている)、ただ自分の住環境を守りたいという、それだけの信念で動いている。保守的な住民からは孤立し、さまざまな嫌がらせを受け、それでも子ども達のためにとひたすら邁進する。企業側が作り上げた論理(「電気が足りなくなる」など)も一つ一つ検証し、突き崩していく。やがて、「環境権」(快適な環境の中で生きる権利)という概念を使い、環境権訴訟にまで踏み切る。
 この後の展開は、『明神の小さな海岸にて』 『五分の虫、一寸の魂』 へと続いていく。
 ちなみに、本書で著者が訴える「暗闇の思想」とは、「電気が足りなくなる」というのなら電気なしで暮らしていこう、今のままで「暗闇」の中で細々と生活していけばいいじゃないかという考え方である。今でこそその価値が見直される先進的な(でありながら素朴な)論理である。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『明神の小さな海岸にて(本)』
竹林軒出張所『ルイズ 父にもらいし名は(本)』
竹林軒出張所『あぶらげと恋文(本)』
竹林軒出張所『五分の虫、一寸の魂(本)』
竹林軒出張所『潮風の町(本)』
竹林軒出張所『小さなさかな屋奮戦記(本)』
竹林軒出張所『仕掛けてびっくり 反核パビリオン繁盛記(本)』
竹林軒出張所『ケンとカンともうひとり(本)』
by chikurinken | 2009-11-20 14:23 |

YouTube画像のダウンロード方法(Mac)、Toobleおすすめ

前にも書いたように(「昨日のつづき……そしてYouTube画像のダウンロード方法」を参照)、ここのところYouTube動画のダウンロードは随分苦労していたんだが、今日Toobleというソフトを使ったところ、今までの苦労は何だったのかというくらい簡単にできた。

Tooble
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 右上の検索窓にキーワードを入力すると、該当する動画(YouTubeのもの)が一覧表示され、この状態で、適当な動画にチェックマークを付けて右下の「Download」ボタンを押すと自動的にダウンロードされるという、至ってシンプルな操作で、実に簡単。ダウンロードされるファイルはMP4形式で手間いらず。しかもフリーソフトときた。拍手パチパチである。
 なお、5.99ドルのProバージョンは、動画からの音声の抜き出しも自動的にやってくれるらしい。
 ということで、僕は速攻でProバージョンを買った。たしかに、動画ダウンロード後、音声のみが自動的に抽出された。音声はwave形式で保存されるため、MP3とかAACとかに変換して使うことになる(iTunesで一発)。これならiExtract(「讃岐裕子の『ハロー・グッバイ』」を参照)も使う必要がない。
 あまりに簡単で楽なので、今後はこれを使うことになるだろう。いやいや、すでに今日、大量にダウンロードしてるんですけどねー……音だけ。
by chikurinken | 2009-11-19 14:27 | パソコン

『ちあきなおみ ふたたび』ふたたび

 一昨日以来、ちあきなおみをいつ頃から聴き始めたんだろうとつらつら考えていた。
 もちろん子どもの頃からテレビで見ているので、「喝采」とか「夜間飛行」とかは知っていたし、古いところでは「四つのお願い」なんかだってリアルタイムで知っている。「喝采」でレコード大賞をとったときに、涙を流しながら、最後までぶれずに歌いきったのはなかなかすごみがあって、子ども心に歌手根性を感じた。だが正直なところ、昔の印象といったら、ちょっとケバくて不気味な感じのおばさん(失礼)という感じであまり好きじゃなかった。したがって数十年の間、ちあきなおみは僕の視界から消えていたんである。
 それが数年前にどこかでその歌唱力を知って、それで曲をいろいろ集めるようになった。iTunesにいつ頃入れたかわかればおおよその時期がわかるかなと思って調べてみたところ、2006年になっていた。どうやらこの頃、友川かずき経由でちあきなおみを聴き始めたんじゃないかと思うんだが正確なことはわからない。
b0189364_13543637.jpg 友川かずきといえば(アングラ系統の)フォーク歌手で、ちあきなおみにも楽曲を提供している。一昨日写真入りで紹介した「夜へ急ぐ人」が友川かずきの作詞作曲の曲で、友川本人も歌っている。しかも友川バージョンには、ご丁寧に「夜へ急ぐ人(ちあきなおみに捧ぐ)」というタイトルが付いている。たぶんこれがきっかけでちあきなおみを聴き始め、TV番組『たけしの誰でもピカソ』(2007年2月)で放送された「ちあきなおみ特集」で、ちあきなおみのシャンソンの魅力に触れたのではなかったかと思う。だからBSで最初に放送された『歌伝説 ちあきなおみ』(2005年)は、やはりちょっと間に合っていなかったのだった。
 ちあきなおみは、演歌、ポップス、シャンソン、フォークまで幅広く歌っており、いろいろ音源も残っている。どれも高い水準で、僕はそれまで日本語のシャンソンなんか見向きもしなかったのだが、ちあきなおみがきっかけでよく聴くようになった。ジャンルを超えてどんな曲でも自分のものにして展開していくちあきワールドは、軽佻浮薄な商業音楽界にあって貴重である。

ちあきなおみの注目CD

『それぞれのテーブル』
ちあきなおみ、シャンソンを歌う!
『ルージュ』
ちあきなおみ、「中島みゆき、井上陽水、因幡晃」を歌う! 70年代のフォークソングを集めたもの。
『あまぐも』
ちあきなおみ、「川島英五、友川かずき」を歌う! 超異色作。「夜へ急ぐ人」も収録。
『大全集~黄昏のビギン~』
ちあきなおみ、何でも歌う! ポップと演歌の2枚組。ポップ盤に名作が多い。飛鳥涼作の『イマージュ』と『伝わりますか』が注目。演歌の方はほとんど聴いておりません。

参考:
竹林軒出張所『ちあきなおみ ふたたび』
竹林軒出張所『それぞれのテーブル』
by chikurinken | 2009-11-18 13:57 | 音楽