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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2017年 10月 10日 ( 1 )

『なぜ蚊は人を襲うのか』(本)

なぜ蚊は人を襲うのか
嘉糠洋陸著
岩波科学ライブラリー

蚊の本を読んだら蚊に寛大になれる……か

b0189364_18205972.jpg 蚊の研究者が書いた、蚊についてのあれこれを紹介する本。蚊の生態の他、蚊が媒介する病原体や、遺伝子操作などの方法で蚊を駆逐している状況などが紹介される。
 蚊が媒介する病原体を駆逐する方法の1つとして『あなたの中のミクロの世界』で紹介されていたボルバキア方式の記述もある。確かにあの方法は自然界にあまり影響を与えない方法だと思うが、病原体を駆逐するためとは言え、遺伝子組み換えで蚊を撲滅させるなどというのは、自然への影響を考えると大いに疑問を感じる。こういう方法を使うといずれ人間界にしっぺ返しが来るのではないかと思うがどうだろうか。
 著者がこういう方法に賛成かどうかはこの本からはよくわからないが、蚊に対してはかなりの愛情をお持ちのようで、部屋にいる蚊に自分の血を吸わせたりもするらしい。蚊を見つければ自分の手で速やかに殺すことを心がけている僕にとっては考えられないことである。今回少しは蚊に対する見方が変わるかなと思ってこの本を手に取ってみたわけだが、実際のところ蚊の生態を知ったところで、著者のようには寛大になれなかった。殺生をするのは嫌だが、攻撃してくる生き物については致し方ないと思っているわけだ(もっとも蚊としてみれば産卵のために必要なだけで「攻撃」の意図はまったくないわけだが)。蚊は、依然として僕が積極的に殺生する唯一の生き物であり、それはこの本を読んでも結局変わることはなかった。蚊に多少の愛着は湧いたとは言えるが。
★★★

参考:
竹林軒出張所『あなたの中のミクロの世界 (2)(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『迫りくる蚊の脅威(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『虫の歳時記』

by chikurinken | 2017-10-10 07:20 |