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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2017年 09月 16日 ( 1 )

『チョコレートで痩せる?』(ドキュメンタリー)

チョコレートで痩せる? 〜ドイツ ダイエット商法のからくり〜
(2015年・独k22 Film & Entertainment)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

あくまでも個人の感想です

b0189364_07332930.jpg 世の中に出回っているさまざまな「贋の」ダイエット方法に異議を唱えるドキュメンタリー。
 リンゴで痩せるとか、納豆で痩せるとか、世間ではいろいろなダイエット方法が紹介され、また一部の消費者がそれを真に受けて、そのダイエット法に果敢に挑戦し案の定失敗に終わる。世の中にはこの手のエセ情報が大量に出回るわけだが、中には科学的な裏付けがあるかのごとく紹介されるものもある。たとえば有名科学雑誌で証明されたなどの権威付けが行われるのも日常茶飯である。しかしこのような権威付けを行うのは、意外に簡単だというのがこの番組の主張である。この番組では実際に、「チョコレートでダイエットができる」というデタラメな説を素材にして、そのことを実証してみせるのである。
 たとえデタラメな説でも、さまざまな恣意的な方法を利用することで、実験結果で裏付けされた(かのような印象を与える)結論を導き出すことができる。このドキュメンタリーでは、ある命題(この場合は「チョコレートでダイエットができる」)を証明するために、実験環境を恣意的に操る、実験データを(嘘にならないように)都合の良いように編集する、それを論文にして科学雑誌に発表するという手順を実行する。これが首尾良く行けば、その説を科学雑誌の権威で裏付けることができるため、たとえデタラメな命題であろうと、世間では事実であるかのように扱われるという具合である。そもそも、ほとんどの人は論文になど目を通さないで、結果だけを見るため、過程がどうだということは知らないままである。いくらインチキな論文であっても、有名雑誌に紹介された時点で「事実」になってしまうという按配である。
 実際、怪しげな命題が事実であるかのように世間に喧伝されているのは我々の目にするところで、ネットだけでなく新聞などでも、ツッコミどころ満載の珍説が真実であるかのようによく発表されている。医学界でも同じようなことが起こっていて、結局患者がその被害を被るのだということを近藤誠が著者(『成人病の真実』『健康診断は受けてはいけない』)で告発していたが、この番組で紹介されている状況もあのケースと重なる。何も考えずに情報を鵜呑みにすると、知らない間にだまされちゃうよということ。それがこのドキュメンタリーのテーマである。みんな気をつけよう。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『成人病の真実(本)』
竹林軒出張所『健康診断は受けてはいけない(本)』
竹林軒出張所『史上空前の論文捏造(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『調査報告 STAP細胞 不正の深層(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2017-09-16 07:34 | ドキュメンタリー