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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2017年 06月 28日 ( 1 )

『まちがったっていいじゃないか』(本)

まちがったっていいじゃないか
森毅著
ちくま文庫

楽して楽しんで生きたっていいじゃないか

b0189364_19161600.jpg 数学者、森毅が中学生向けに語った人生論。初出はわからないが、中学生新聞か中○時代かと推測する。
 「楽して楽しんで生きたらええやん」というのが本書の基調になっていて、森センセイらしく、常識にとらわれず斜に構えて社会を見た感じが心地良い。と言っても僕自身が若い頃、著者のややシニカルな見方に多少影響を受けているわけで、心地良く感じるのも当然と言えば当然。ただおかげで、人生のあちこちで大変な目に遭ってきた。もちろん長い目で見れば、それで良かったと思うが。
 この本にも、他の著書と同様、森哲学のエッセンスが凝縮されているため、中学生向けと言ってもまったく侮れない。常識にとらわれているせいで窮屈な思いをしている多くの人々にとっては座右の書になるのではないかと思う。
 解説は赤木かん子って人が書いているが、文体が気色悪い。たとえば「んでね、別に中学生だって読んでかまわないわけ。」などという文章が出てきて、最初から最後までこんな感じで、少し小馬鹿にされているような気もする。なにが「んでね」じゃ!と思う。この文庫版が1988年刊行だから、時代と言ってしまえば時代なのかも知れないが、この本の巻末に出てくる文章としてまったくそぐわないと感じる。こちらが常識にとらわれてはいけないとは思うが、気分が悪くなる文章なのでここに書いておく。森毅の文章も話し言葉に近いが、こういった気分の悪さを感じさせる部分は…少なくとも僕にとっては…一切ない。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『数学受験術指南(本)』
竹林軒出張所『一刀斎、最後の戯言(本)』

by chikurinken | 2017-06-28 07:15 |