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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2017年 05月 01日 ( 1 )

『ホームレス大学生』(ドキュメンタリー)

ホームレス大学生 〜アメリカ カリフォルニアからの報告(2017年・NHK)
NHK-BS1 ドキュメンタリーWAVE

学生がビンボーなのは当たり前だが
もはやそういうレベルではない


b0189364_17463321.jpg カリフォルニア州立大学の学生の10%がホームレス状態という驚愕の事実を伝えるドキュメンタリー。
 同大学のアンケート調査などによって大学生たちの生活が困窮している実態が明らかにされたために、こういった状況が広く伝わるようになったわけだが、その原因として考えられるのは、一つにはカリフォルニアで住居費が高騰しているためで、同時に学費が高いことも彼らの生活を圧迫する原因になっている。しかも学生たちには卒業後も教育ローンの支払いがつきまとってくる。
 米国では実際、大学卒とそれ以下では賃金に大きな差が生まれるなど、底辺の生活から抜け出すのに大学卒業資格が必要になっているという現状がある。しかし底辺から抜け出そうったって、大学に行くのにかなりの費用がかかるため、実際はそう簡単に行かない。何とかがんばって大学に入ったところで貧しい階層は生活費に事欠くようになり、結局退学せざるを得ない状況になる。こうして貧困は連鎖する。かつてのように大学生が特権階級と言えない時代になっている。
 もちろん僕らの学生時代も学生は概ねビンボーでそれがまた楽しかったりしたものだが、すでにそういうレベルの話ではない。教育に過度に競争原理を持ち込むことが、どれだけ学生に無理を強いるかという問題で、そしてそれがひいては社会の根幹を揺るがす問題になりかねないわけだ。そういうことをいい加減為政者たちも理解しなければならないんじゃないかと思う。
 一方でさすがアメリカと思わせるような話もある。ニューヨーク州で州立大学の学費を無料化するという政策が打ち出された他、カリフォルニア州でも同様の方向に進んでいるという。またカリフォルニア州立大学では、学内で、学生に無料で食べ物を提供するというサービスも始まっている。
 とはいえ、ホームレスの大学生が10%もいる状況は決して正常とは言えない。そして日本の教育事情もアメリカの後追いをしているわけで、もはや対岸の火事と言っていられない問題である。少なくとも借金しないでバイトだけで生活できるくらいにはしてあげる必要があるんじゃないか。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『パリ・ロンドン放浪記(本)』
竹林軒出張所『ホームレス大図鑑(本)』
竹林軒出張所『ビンボーになったらこうなった!(本)』

by chikurinken | 2017-05-01 06:46 | ドキュメンタリー