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竹林軒出張所

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2014年 03月 24日 ( 1 )

『愛の妖精』(映画)

b0189364_84244.jpg愛の妖精(2004年・仏)
監督:ミシャエラ・ワットー
原作:ジョルジュ・サンド
脚本:ガブリエル・ボリル
撮影:イヴァン・コゼルカ
出演:メラニー・ベルニエ、ジェレミー・レニエ、アニー・ジラルド、リシャール・ボーランジェ、マニュエラ・セルヴェ、ニコラ・ジロー

ジョルジュ・サンド作品の
映画は珍しい


 ショパンの愛人として知られるジョルジュ・サンドの代表作『愛の妖精』をドラマ化したテレビ映画。
 普段から、小説は原作を読むより映画化作品を見たいと考えているもので、この映画にアプローチした動機もそれ。特にジョルジュ・サンドは、スキャンダルの方が有名で、作品自体にはあまり目を向けられることがない。映画化されたものもほとんどないということで、この映画は僕のような人間にとっては大変貴重である。
 原作小説を読んでもなかなか当時の風俗まで思いが至らないものだが、映画だとそれが一目でわかる。僕の映画化作品志向の理由の1つはそれなんだが、そういう点でもこの映画は、映像で見るのに非常に適していると言える。風俗が丁寧に描き挙げられている上、舞台となる田園風景も非常に美しく、何より出演しているキャストが魅力的である。特にファデット役のメラニー・ベルニエがワイルドでなおかつ美しい。
 人間関係は結構錯綜していて、行ってみれば(1対3の)四角関係と言えるもので、そのため結末がなかなか見えにくい。浪漫主義的な恋愛ドラマではあるが、そういう点で、最初から結末が見えてしまうような浅はかなドラマとは一線を画すと言える。また、主人公の移ろう心情もよく描かれていて、それがドラマに奥行きを与えている。なんとなくジョルジュ・サンドが好みそうなストーリーだなーと感じたが、もちろんそんなことを言えるほどジョルジュ・サンドのことを知っているわけではない。
 全編1時間半程度にコンパクトにまとめられた秀作ドラマで、ちょっとフランス文学に触れてみようという向きには最適な映画ではないかと思う。カメラがよく動くのが少々気になりはしたが。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『別れの曲(映画)』
竹林軒出張所『ショパン 愛と哀しみの旋律(映画)』
by chikurinken | 2014-03-24 08:05 | 映画