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竹林軒出張所

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Say Goodbye To Heavy Futon

 永らく寒い部屋の中で重い布団の下で寝ていた。
 部屋には暖房がないため室温は屋外とさほど変わらない。部屋の中で息が白くなることはごく当たり前である。そのため寝ていても寒い。寝ているだけで風邪をひいたことさえある。そのために、日々寒さが進んでいくのに合わせて、布団や毛布を少しずつ増やしていくという睡眠スタイルになる。1月になると掛け布団2枚プラス毛布3枚にまで増えてしまう。重いったらありゃしない。朝になると腰に痛みを感じるのが普通という有様である。
 羽毛布団がえらく暖かいという話は大分前から聞いていた。広告ではお手軽な値段の羽毛布団も出ているが、聞くところによると、安い布団は暖かさの度合いも安いらしい。いい加減な羽毛が入っているとかで、大して暖かくないというのだ。暖かくない布団を買った日にはまた何枚も布団と毛布を重ねることになって、新しい布団自体がまったく無意味になってしまうではないか。何でも10万円以上する羽毛布団というのもあるらしく、ということは値段なりの差というものが実在するのではないかということは容易に想像が付く。もちろんそんな超高級羽毛布団を買うつもりも買う余裕もさらさらないんだが。
Say Goodbye To Heavy Futon_b0189364_14222941.jpg そんな折、通販生活のサイトをたまたま目にしたところ、20万円の高級羽毛布団に匹敵する羽毛布団というものが4万5千円で提供されていることを知った。通販生活は、ご存じの方も多いと思うが、良品を売るというコンセプトの通販会社で、僕自身はかれこれ20年前から利用している。実際に大分前にここで買って今でも利用し続けているというような良品も割にあり、個人的にはその品質にはそれなりの信頼を置いているんだが、そこで売られている羽毛布団が、通販生活の自称ではあるが「20万円の高級品グースに匹敵する暖かさ」というんである。4万5千円と値は張るが、ここはいっちょうその20万円の暖かさを体感してやろうじゃないのということで、購入に踏み切ったのだった。これで重い布団にもおさらばできる。
 さて実際に使ってみると、スースーした感じで、あまり暖かいという感じはない。重さがないから何だか心もとない感じもする。とりあえず薄手の毛布の上にこの布団をかぶせて寝てみた。先ほど言ったように暖かさは感じないが、極寒の夜だったにもかかわらず、風邪はひかなかった。暖かくはないが寒さも感じないというのが実感で、羽毛布団というのがそもそもそういうものなのかも知れないが、少々期待外れという印象もある。もっとヌクヌクかと思っていた。それに布団が軽すぎて、寝ている間に気付かないままはねのけていたりすることがある。しようがないので羽毛布団の上に重しとして1枚(重量がある)毛布を重ねた。これでとりあえずはねのけることはなくなった。
Say Goodbye To Heavy Futon_b0189364_14223722.jpg 同じく通販生活で「モイスケアの肌掛け」なるものが、「ベッドに入って5分で手足がじわじわ暖まってきます」というキャッチフレーズで売られている。羽毛布団で寒くなくなったのは結構なのだがもう少し暖かさが欲しいと感じていたところだったので、こちらにも飛びついた。こちらは1万2千円。ちなみに布団も肌掛けもシーツを買ったから実際には出費はもっと多い。人気商品らしく届くまで時間がかかったが、暖かさに飢えていたため、こちらも届いて即日利用開始する。だが、こちらもあまり暖かさを感じるということはない。寒くはないのだが暖かくもない。「5分でじわじわ」という感じではない。いや「じわじわ」という感じは意外に近いのかも知れない。でもヌクヌクという感じでは決してない。結局、肌掛けの下に薄手の毛布をそのまま使うことにしたため、掛ける寝具は、下から薄手の毛布、肌掛け、羽毛布団、厚手の毛布という構成で、以前の毛布3枚プラス布団2枚のときとあまり変わらない状況に落ち着いた。もっとも軽さは以前とは比べものにならない。肌掛けについてはなくても良いような気もするが現状そのまま使っている。一度外してみれば本当に必要かどうかはわかるが、外してみて途端に風邪をひいたりする可能性があるので踏み切れない。
 枕についても、通販生活の枕が15年以上前から気になっているが、かなり高価な上、どうにも僕には合いそうにないのでいまだに手が出ていない。実は今回の寝具購入ラッシュのきっかけは枕だったのだ。5千円くらいの枕を通販で買ってみて、そこから「では布団も」という具合に布団へと手が伸びたわけだが、そのとき買った枕については、しばらく使っていたがあまり具合が良くなかった。枕自体は決して悪くないと思うのだが、なにぶん僕の頭には合わなかった。朝になると枕がはるか頭上に移動し(おそらく眠っている間に知らず知らず向こうの方に放っているんだろう)、ついでに身体全体も頭上方向に移動してしまって結局枕なしの状態になっている。あげくに肩の下が何だかスカスカして(肩より上が敷き布団からはみ出しているため)目が覚めるということが続いたことから、この枕は使わなくなった。いずれ枕についても何とかししたいと思っている(自分に合う枕というものが果たして存在するのかは微妙だが)。

 僕などは1日の睡眠時間が7時間を下回ると体調があまりよろしくない。たとえば7時間眠るとすると、一日のうち三分の一の時間(つまり一生の三分の一、つまり25年程度)を睡眠に費やすことになる。それだけ時間を費やす事象であれば、身体にとって非常に重要なものであることは疑いの余地がないはず。
 昨今睡眠の大切さがメディアでも取り上げられるようになっていて、それは大変結構なことなのだが、いまだに睡眠イコール怠惰と考える人も多く、ここらあたりで見方を180度変える必要があるんではないだろうか。考えてみれば睡眠は一番お手軽な娯楽とも言えるわけで、大して金をかけずに楽しむことができる。良い睡眠環境を作って十分な時間をかけて眠ることが良い、ひいてはもっとのんびりした人生を送ることが良いのでは……というのが目下のところ僕が思うところで、これを年頭の所感にいたしたいとこのように思うのである。

参考:
竹林軒出張所『ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?(本)』
竹林軒出張所『脳は眠らない 夢を生みだす脳のしくみ(本)』
竹林軒出張所『子どもの夜ふかし 脳への脅威(本)』
竹林軒出張所『「布団が俺を呼んでいる」の解題・のようなもの』

by chikurinken | 2018-01-03 14:25 | モノ
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