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竹林軒出張所

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『京都人の密かな愉しみ 桜散る』(ドキュメンタリー)

京都人の密かな愉しみ 桜散る(2017年・NHK)
NHK-BSプレミアム ザ・プレミアム

これで密かな愉しみも終わり

b0189364_20435353.jpg 前回の放送のレビューで予想したように(竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 月夜の告白(ドキュメンタリー)』を参照)、『京都人の密かな愉しみ』シリーズは今回の春版で完結ということらしい。メインのストーリーが妙な方向に迷走していたんで、この辺で収束させるのも良かろうと思う。それから予想的中ついでにもう一つ、なんと阿部海太郎が作曲したこのドキュメンタリーの音楽集も発売になった。武田カオリの「京都慕情」もこれに収録されているということで、こちらも予想的中と言える。もちろん大した予想ではないが、文春新書ふうに盛って言うならば「予言していた!」ということになる(竹林軒出張所『問題は英国ではない、EUなのだ(本)』を参照)。
 閑話休題。今回の最終回『桜散る』だが、間に挿入されるミニドラマが1本、料理コーナーや桜にまつわるエピソードなど、これまでのシリーズとほぼ同じ形式で展開される。「ごきんとはん」という京言葉のミニ講座なんかも挿入されていてなかなか楽しい。メイン・ドラマの方は、主人公の三八子(常盤貴子)に結婚相手が現れ、ヒースロー教授も無事に我が家に帰還するという展開で、ええとこに落ち着かはったということになる。エミリー(シャーロット・ケイト・フォックス)も落ち着くべきところに落ち着いた。冒頭、エミリーがヒースローに吐いた「よういわんわ!」というセリフがちょっと意外で、なかなか面白かった。なお、フォックス自身、この「よういわんわ」という言葉が好きだそうな(『シャーロット・ケイト・フォックスのスペシャルインタビュー』を参照)。相変わらずこの人の日本語のイントネーションは美しい。ただし京都弁はやっぱり変。
 これまでのシリーズ同様、全体的によくまとまっている番組で、2時間という長い枠でありながらまったく見飽きることがないのは、演出の源孝志の力量だと思うが、しかしドラマについては、ちょっとリアリティを欠いているし、設定も少しばかり陳腐ではないかと感じた。演出は正攻法で破綻はないが、ドラマの中では気になることがいろいろ出てくる。ちっちゃいことを気にしない人であれば問題ない程度ではあるが、源孝志自体がそういう人なんだろうかとも思ってしまう。
b0189364_20435867.jpg まあでも、このシリーズはそれなりに充実していて見所も多かったんで、これで最終回ということになると何やら一抹の寂しさも感じられる。そういうあなたに……というわけではないんだろうが、何と最初のバージョンのDVDも発売になっている。さすがにDVD発売までは予想できなかったんで、こちらは少し驚いた。存外このドキュメンタリー(ドラマ?)、人気があったのかも知れない。個人的には、DVDはともかく、武田カオリの「京都慕情」はぜひ入手したい!ということで、実はすでにAmazonでデジタルミュージックをダウンロード購入しているのだった。ちなみにこの曲、タイトルは「Reflections in a palace lake」となっていて、一見するとわかりにくいが試聴できるので、欲しい人は確認してから買っていただきたい。フルコーラスで2分40秒ある。情緒的な表現がいかにもという感じで京都のイメージに大変合っており、オリジナルより断然こちらの方が良い……と僕は思う。この歌を聴くと、この武田カオリという人、非常に表現力のある歌手だとあらためて感じる。このドラマの一番の魅力はこの歌と言っても過言ではないほどである。この歌については、これからも密かな愉しみになりそう。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 夏(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 冬(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 月夜の告白(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『問題は英国ではない、EUなのだ(本)』


by chikurinken | 2017-05-17 06:43 | ドキュメンタリー
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