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竹林軒出張所

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『タッチ・ザ・ミュージック』(ドキュメンタリー)

タッチ・ザ・ミュージック 盲目のフルート奏者が“見る”世界
(2016年・スウェーデンDEEP SEA PRODUCTIONS/SVERIGES TELEVISION)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

目以外の器官で視覚を実現する

b0189364_07465118.jpg スウェーデン在住の中国人ウー・ジンは、視力はないが、かつてパラリンピックに出場したこともあるという異色のフルート奏者である。フルートは演奏できるが、目が見えない、つまり指揮者の動きが見えないため、オーケストラでの合奏ができず、オーケストラで演奏することが彼女の悲願である。
 そんな彼女の夢を叶えようと、ジャーナリスト、指揮者、技術者などが協力して一大プロジェクトを敢行。それがロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団とウー・ジンとの共演である。そのために、視覚映像、つまり指揮棒の動きを触覚に変換し、これでウーの視力の代わりを果たさせようとする。当初はあまり実用にならなかったが、さまざまな試みを経て実用レベルに到達。そうしていよいよ本番の日を迎える……という、そういうドキュメンタリーである。
 触覚を利用することで、視覚に限りなく近いイメージを脳の中に作り出せるという話は、脳の可塑性の実例として『脳は奇跡を起こす』でも紹介されていたが、それを地で行くような話で、多くの視覚障害者にとって朗報となるような話である。まだ始まったばかりの研究であるが、この先どのように展開するか目が離せない。
 それにしてもこの主人公のウー・ジンという人、経歴が異色すぎて、その経歴だけで1つの話になってしまいそうである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『脳は奇跡を起こす(本)』

by chikurinken | 2017-03-26 23:46 | ドキュメンタリー
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