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竹林軒出張所

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『本当はちがうんだ日記』(本)

b0189364_07380204.jpg本当はちがうんだ日記
穂村弘著
集英社

飲み屋での会話…みたいな

 歌人、穂村弘のエッセイ集。といっても僕はこの人のことをまったく知らなかった。今もあまり知らない。
 このエッセイ集は、2003年から2005年にあちこちの雑誌に書いたエッセイをまとめたもので、半分くらいは『小説すばる』に連載したもの。他は『本の雑誌』や『讀賣新聞』など。媒体によって内容も違っており、『小説すばる』に連載したもの(本書の第I部)は、自分がいかにダメな人間か書いたものが多く、癒やし系あるいは脱力系のエッセイということになるか。たとえば、40歳にして独身とか、友だちがいないとか、あだ名で呼ばれたことがないとか書かれているが、ちゃんと勤めて稼いでいるようだし、趣味も多いし、しかも歌人としても有名らしいし、どこがダメ人間だというツッコミはともかく、こういった些細なことへのこだわりというかコンプレックスがこの第I部の味である。
 『本の雑誌』の連載をはじめとする第II部はそういうダメさ加減は身を潜め、特有のこだわりが顔をもたげ、こちらも味わいになっている。ただ、この著者の歌や人物に特別な関心を寄せているのでなければ、あまりどうと言うことのないエッセイで、軽く読めるんで今回読んでみたんだが、正直あまり感じるところがなかったというのが本音の部分である。よほど特異な見方でも披露されないと、こうした飲み屋での会話みたいな内容ではあまり満足できないし、ことさらに時間をかけて読む必要があったのか疑問を感じている。
★★★

参考:
竹林軒出張所『ちいさな言葉(本)』
竹林軒出張所『生まれてバンザイ(本)』
竹林軒出張所『たんぽぽの日々(本)』
竹林軒出張所『小説より奇なり(本)』
竹林軒出張所『さわの文具店(本)』
竹林軒出張所『かつをぶしの時代なのだ(本)』
竹林軒出張所『山手線内回りのゲリラ(本)』

by chikurinken | 2017-03-22 07:07 |
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