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竹林軒出張所

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『パリ戦慄の3日間 シャルリ・エブド襲撃事件』(ドキュメンタリー)

パリ 戦慄の3日間 〜シャルリ・エブド襲撃事件〜(2015年・英Films of Record)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

シャルリ・エブド襲撃事件の全容

b0189364_7561228.jpg 2015年1月7日に起こったシャルリ・エブド襲撃事件の経過を、発生から犯人射殺まで時系列で紹介したドキュメンタリー。
 イスラム教の始祖ムハンマドを揶揄した風刺画を掲載した新聞、シャルリ・エブドの編集部を、2人組のイスラム原理主義に凝り固まったテロリストがカラシニコフ銃を持って襲撃し、11人を殺害して、その後逃亡。最終的に郊外の工場に立てこもっていたが、警察の知るところとなり、警官隊と銃撃戦を行った末、射殺された。
 このとき、犯人たちに共感するある男が、同じく警察官を1人殺害し、その後ユダヤ人向けのスーパーに人質を取って立てこもったが、犠牲者は出たものの最終的に警官隊に射殺されるという事件も同時に起こった。事件の解決はほぼ同時刻であったが、多くのフランス人を2日間に渡って恐怖に陥れ、フランス史上最悪のテロ事件となった。その後、この事件に衝撃を受けた多くの人々が街に繰り出し「私はシャルリ」というキャッチフレーズを掲げたデモを行った……というのがこの「シャルリ・エブド襲撃事件」の一部始終。
 この事件について、さまざまな映像や関係者のインタビューを交えて再構成したのがこのドキュメンタリーで、特にヒステリックになることもなく、比較的客観的に淡々と語っていく。シャルリ・エブドが1968年の民衆運動(パリ五月革命)をきっかけにできた新聞社で、その後、あちこちでスキャンダルを巻き起こしていた媒体であることも紹介される。宗教上の問題というより、とち狂った若者の乱射事件という扱いに近く、そういう点であのヒステリックな「私はシャルリ」デモとは一線を画したドキュメンタリーと言える。過剰な私情が入っていない分、共感しやすく、理解しやすいドキュメンタリーになっていた。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧(本)』
竹林軒出張所『フランスで育った“アラーの兵士”(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『そして、兄はテロリストになった(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『T(ERROR) FBIおとり捜査の現実(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2017-03-01 07:56 | ドキュメンタリー
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